膠原病・リウマチ科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:13

少関節型若年性特発性関節炎、MTX追加で寛解期間が延長/Lancet

 少関節型若年性特発性関節炎の治療において、副腎皮質ステロイド関節内注射に経口メトトレキサート(MTX)を追加すると、寛解率はほとんど変わらないものの、再燃までの期間が延長し、毒性はさほど増加しないことが、イタリア・Istituto Giannina GasliniのAngelo Ravelli氏らイタリア小児リウマチ性疾患研究グループの検討で示された。研究の成果は、Lancetオンライン版2017年2月2日号に掲載された。若年性特発性関節炎は、国際リウマチ連盟(ILAR)によって、「16歳未満で発症し、6週間以上持続する原因不明の関節炎」と定義され、このうち少関節型は「6ヵ月間の罹患関節が1~4ヵ所の場合」とされる。本症の治療指針となるエビデンスに基づく情報はほとんどないという。

乾癬へのMTX高用量皮下投与は有効か/Lancet

 中等度~重度の尋常性乾癬患者に対するメトトレキサート(MTX)の高用量皮下投与について、52週時点のリスクベネフィットは良好であることが、英国・マンチェスター大学のRichard B Warren氏らによる第III相の国際多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、示された。中等度~重度の尋常性乾癬治療においてMTXは使用頻度の高い全身性薬物の1つだが、その使用に関する高度なエビデンスは少なく、また投与は経口に限られていた。研究グループは、高用量皮下投与の有効性評価を目的に本検討を行った。Lancet誌オンライン版2016年12月21日号掲載の報告。

乾癬へのイキセキズマブ長期投与の安全性

 乾癬患者への、新たな生物学的製剤であるイキセキズマブの長期投与について、安全性プロファイルは良好であることが報告された。米国・コネチカット大学のBruce Strober氏らが、臨床試験の併合解析を行った。中等症~重症の乾癬に対する治療は長期にわたるため、生物学的製剤の安全性は重要であるが、解析の結果、維持投与期間中に予測できない有害事象は認められなかった。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2016年11月23日号掲載の報告。

関節症性乾癬の診療で大切なのはコラボ

 10月29日の「世界乾癬デー」を前に、日本乾癬学会、日本乾癬患者連合会ならびに製薬企業7社は合同で、「皮膚症状と関節症状を併せ持つ疾患『関節症性乾癬』」と題するメディアセミナーを都内で開催した。セミナーでは、皮膚科専門医、リウマチ科専門医、患者の3つの視点から本症の診療概要や現在の課題などが講演された。

抗TNF薬で効果不十分の関節リウマチ、生物学的製剤が優れる/JAMA

 抗TNF薬の効果が不十分な関節リウマチ患者の治療では、TNF以外を標的とする生物学的製剤のほうが、他のTNF薬による治療よりも有効性が高いことが、フランス・ストラスブール大学病院のJacques-Eric Gottenberg氏らが行ったROC試験で明らかとなった。研究の成果は、JAMA誌2016年9月20日号に掲載された。腫瘍壊死因子α(TNF-α)阻害薬は、メトトレキサートの効果が十分でない関節リウマチ患者のQOLを改善するが、約3分の1の患者は疾患活動性が持続し、効果は不十分とされる。これらの患者の治療選択肢の指針は確立されていない。

U-Act-Early試験:従来型合成疾患修飾性抗リウマチ薬ナイーブの早期関節リウマチへのトシリズマブ導入効果の検討(解説:金子 開知 氏)-570

トシリズマブは、世界に先駆けてわが国で発売されたIL-6受容体に対するモノクローナル抗体である。TCZは、多くの臨床試験により関節リウマチ患者の臨床症状の改善、骨破壊抑制効果や身体機能改善効果が証明されている。TCZは、本邦の「関節リウマチ診療ガイドライン2014」において、以前から推奨されていたTNF阻害薬と並んで第1選択の生物学的製剤として推奨されている。

関節リウマチに対してリツキシマブはTNF阻害薬と効果は同等(非劣性)で費用対効果はむしろ高い(解説:金子 開知 氏)-554

リツキシマブは、CD20(成熟B細胞の表面抗原)を標的としたキメラ型モノクローナル抗体であり、TNF阻害薬やIL-6阻害薬とは異なる作用点を有する生物学的製剤である。リツキシマブの投与により自己抗体産生が低下し、自己免疫性疾患の治療効果が期待されている。わが国では、関節リウマチ(RA)に対するリツキシマブの保険適用はないが、欧米ではTNF阻害薬に抵抗性のRAに対して認可されている。これまでRA治療の生物学的製剤導入療法として、リツキシマブとTNF阻害薬の有効性、安全性、費用対効果などを直接比較した臨床研究はなかった。

早期リウマチへのトシリズマブ、単独・MTX併用でも寛解維持2倍/Lancet

 新たに関節リウマチ(RA)と診断された患者において、メトトレキサート(商品名:リウマトレックスほか、MTX)併用の有無を問わず、ただちにトシリズマブ(商品名:アクテムラ)の投与を開始し寛解維持を目指す治療戦略は、より効果的であることが示された。安全性プロファイルは現在の標準治療であるMTXと類似していた。オランダ・ユトレヒト大学メディカルセンターのJohannes W J Bijilsma氏らが、トシリズマブの単独またはMTXとの併用療法の有効性と安全性を、MTX単独療法と比較したU-Act-Early試験の結果、報告した。早期RA患者にとって、治療の目標は速やかな持続的寛解を得ることだが、目標達成に向けた治療戦略の検討はされていなかった。Lancet誌オンライン版2016年6月7日号掲載の報告。