アダリムマブ、非感染性ぶどう膜炎患者の視覚関連QOLを改善

提供元:ケアネット

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公開日:2017/05/03

 

 最近、非感染性の中間部、後部または汎ぶどう膜炎(以下、非感染性ぶどう膜炎)の治療薬としてアダリムマブが承認された。米国・イースタンバージニアメディカルスクールのJohn Sheppard氏らは、第III相試験であるVISUAL-1試験およびVISUAL-2試験の事後解析を行い、ステロイド依存性の非感染性ぶどう膜炎患者において、アダリムマブは患者報告による視機能を統計学的に有意に改善し、視覚関連QOLの改善が得られたことを示した。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年4月20日号掲載の報告。

 研究グループは、2010年8月10日~2015年5月14日に米国、カナダ、欧州、イスラエル、オーストラリア、南米および日本で行われた、アダリムマブの活動性非感染性ぶどう膜炎患者を対象としたVISUAL-1試験、ならびに非活動性の同患者を対象としたVISUAL-2試験の事後解析を行った。

 両試験とも、アダリムマブ群(初回80mg、1週後に40mg、以降隔週40mg)、またはプラセボ群に被験者を無作為に割り付け、最長80週間試験薬を皮下投与した。VISUAL-1試験では、全例にprednisoneが投与された(高用量から開始し漸減)。

 評価項目は、患者の視点から視覚障害の影響を評価するNEI VFQ-25合計スコア(スコアの範囲0~100、高値ほど視覚に関連した健康関連QOLが良好)で、試験終了/中止時におけるスコアの6週以内最高値ならびにベースライン値からの変化量について、分散分析を用いて両群を比較するとともに、アダリムマブおよびプラセボのNEI VFQ-25に対する時間的影響について縦断的モデルを用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・解析対象は、VISUAL-1試験217例(アダリムマブ群110例/プラセボ群107例、女性124例[57.1%]、平均[SD]年齢42.7[14.9]歳)、VISUAL-2試験226例(アダリムマブ群115例/プラセボ群111例、女性138例[61.1%]、平均[SD]年齢42.5[13.4]歳)で、intent-to-treat解析を行った。
・VISUAL-1試験において、NEI VFQ-25合計スコアの最高値から試験終了/中止時までの変化量は、アダリムマブ群-1.30、プラセボ群-5.50、群間差は4.20(95%信頼区間[CI]:1.04~7.36、p=0.01)であった。
・VISUAL-2試験において、NEI VFQ-25合計スコアのベースラインから試験終了/中止時までの変化量は、アダリムマブ群3.36、プラセボ群1.24、群間差は2.12(95%CI:-0.81~5.04、p=0.16)であった。
・縦断モデルを用いた解析の結果、NEI VFQ-25合計スコアのアダリムマブ群とプラセボ群との差は、VISUAL-1試験(74.15 vs.71.08)が3.07(95%CI:2.09~4.06、p<0.001)、VISUAL-2試験(82.39 vs.77.73)が4.66(95%CI:0.05~9.26、p=0.048)であり、両試験とも有意差が認められた。

(ケアネット)