麻酔科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:10

陣痛緩和にレミフェンタニル自己調節鎮痛法が有用/Lancet

 陣痛時の疼痛緩和において、静脈内レミフェンタニル自己調節鎮痛法(PCA)は、ペチジンの筋肉内投与に比べ、硬膜外麻酔への変更を要する女性が少ないことが、英国・シェフィールド大学のMatthew J. A. Wilson氏らの検討「RESPITE試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2018年8月25日号に掲載された。陣痛の緩和のためにペチジン筋注を受けた女性の約3分の1が、その後に硬膜外麻酔を要し、良好な疼痛緩和が得られるものの、器械的経膣分娩のリスクが増加する。陣痛時のレミフェンタニルPCAはペチジンの代替法とされるが、十分には普及していないという。

高所得国の平均余命、米国が最下位の理由は?/BMJ

 OECD加盟の高所得国18ヵ国の中で、米国の平均余命は最も低く、他国との差は年々開いているという。米国では2014~16年には連続して平均余命の低下が報告され、また英国では2014~15年に低下が報告された。米国・南カリフォルニア大学のJessica Y. Ho氏らは、他の高所得国でも2014~16年に平均余命の低下が起きていないかを調べ、低下の原因を特定し、原因は各国に共通したものなのか否か、低下を引き起こした原因別の規模を調べた。BMJ誌2018年8月15日号掲載の報告。

腰痛や肩こりなどの「痛み」による経済損失約1兆9千億円

 働き方改革のもと、仕事へのかかわり方や働き方が変化しつつある。その中でも見過ごされやすい問題として、健康問題を抱えて就業ができない、効率を上げることができないという就労問題がある。今回、健康に起因する就労問題の中でも「痛み」に焦点をあて、ファイザー株式会社とエーザイ株式会社が共催で、2018年8月8日にプレスセミナーを開催した。セミナーでは、「健康経営時代に欠かせない『痛み』の早期診断と治療」をテーマに、「痛み」がもたらす社会的損失と神経障害性疼痛のスクリーニングツールについて講演が行われた。

末梢静脈カテーテル、失敗率低いドレッシング材と固定法は?/Lancet

 末梢静脈カテーテル(PIVC)留置において、現在使用されているドレッシング材および固定法では、総じてPIVC留置の失敗を招き、耐久性も乏しく、さまざまな製品を同時に使用しなければならないことが多いという。オーストラリア・グリフィス大学のClaire M. Rickard氏らは、非ボーダータイプの標準的なポリウレタンドレッシング材と、他の3つの代替法の有効性と費用について比較検証したプラグマティックな無作為化優越性試験「SAVE試験」の結果を報告した。また著者は、「現状では、コストが製品を選択する主要な決定要因となっている」とも指摘し、「効果的で耐久性のあるドレッシング材による固定を成し遂げるための技術革新と、それらを評価する無作為化試験の実施が喫緊の課題である」と述べている。世界中で毎年20億個ものPIVCが使用されているが、最適なドレッシング材と固定法は十分に確立されていないという。Lancet誌オンライン版2018年7月26日号掲載の報告。

米国でのオピオイド使用、ピーク時から依然減少せず?/BMJ

 米国において2007~16年のオピオイド使用率は高く、メディケアを受給している障害者が、高齢者および民間保険受給者と比較して最も高かった。オピオイド乱用の注意喚起や危険意識の高まりにもかかわらず、オピオイド使用率および平均1日使用量は、ピーク時からほとんど減少していないという。米国・メイヨー・クリニックのMolly Moore Jeffery氏らが、診療報酬請求データの後ろ向きコホート研究の結果を報告した。米国におけるオピオイドの使用は、ピーク時の2012年以来減少してきたことが人口データにより示唆されているが、メディケア出来高払い受給者を除いた大規模な集団における、オピオイド使用率および1日使用量は明らかにされていなかった。BMJ誌2018年8月1日号掲載の報告。

50歳以上の帯状疱疹はワクチンで予防

 2018年7月19日から3日間、都内で日本ペインクリニック学会 第52回大会「あなたの想いが未来のペインクリニックを創る-専門性と多様性への挑戦-」が開催された。本稿では、7月20日のシンポジウム「帯状疱疹関連痛の治療、予防の未来を考える」から、木村 嘉之氏(獨協医科大学 麻酔科学講座 准教授)が発表した「帯状疱疹関連痛の疫学と予防」について、概要を紹介する。

気管切開の事故防止に向け提言 医療安全調査機構

 気管切開チューブ挿入患者のケアには常に注意を要するが、とくに気管切開術後早期*のチューブ交換時に、再挿入が困難になるリスクが高いことから、日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)では、この時期のチューブ逸脱・迷入による事故防止のための提言(医療事故の再発防止に向けた提言 第4号)を公表している(6月5日)。逸脱を防ぐための移動・体位変換時の注意事項や、逸脱・迷入が生じてしまったときの具体的対応などについて、以下の6つの提言が示された。