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2024/07/10
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麻酔科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:8

tanezumabが疼痛コントロール不良の変形性関節症に有効/JAMA

 標準的鎮痛薬による痛みのコントロールが不十分な中等症~重症の股関節・膝変形性関節症(OA)患者において、ヒト化モノクローナル抗体tanezumabはプラセボと比較して、疼痛や身体機能などを有意に改善することが、米国・ノースウェスタン大学のThomas J. Schnitzer氏らによる多施設共同無作為化二重盲検試験の結果、示された。一方で改善はわずかで、治験薬投与を受けた患者の関節に関する安全性イベントおよび全関節置換の発生はより多かった。結果を踏まえて著者は、「さらなる研究を行い、今回示された有効性および有害事象の所見の臨床的重要性を確認する必要がある」と述べている。JAMA誌2019年7月2日号掲載の報告。

術後疼痛への長期使用リスク、トラマドールvs.他オピオイド/BMJ

 短時間作用型オピオイド系鎮痛薬トラマドールは、一般に他の同種のオピオイドに比べ安全性が高いと考えられているが、相対的にリスクが低いことを支持するデータはないという。米国・メイヨークリニックのCornelius A. Thielsらは、術後の急性疼痛の治療にトラマドール単剤を投与された患者では、退院後の長期オピオイド使用のリスクが、他の同種のオピオイドよりも、むしろわずかに高いことを示した。研究の成果はBMJ誌2019年5月14日号に掲載された。

腰痛診療ガイドライン2019発刊、7年ぶりの改訂でのポイントは?

 2019年5月13日、日本整形外科学会と日本腰痛学会の監修による『腰痛診療ガイドライン2019』(編集:日本整形外科学会診療ガイドライン委員会、腰痛診療ガイドライン策定委員会)が発刊された。本ガイドラインは改訂第2版で、初版から実に7年ぶりの改訂となる。  初版の腰痛診療ガイドライン作成から現在に至るまでに、腰痛診療は大きく変遷し、多様化した。また、有症期間によって病態や治療が異なり、腰痛診療は複雑化してきている。そこで、科学的根拠に基づいた診療(evidence-based medicine:EBM)を患者に提供することを理念とし、『Minds 診療ガイドライン作成の手引き 2014』で推奨されるガイドライン策定方法にのっとって腰痛診療ガイドライン2019は作成された。

放射線療法による口内炎の疼痛、有効な含嗽薬は?/JAMA

 頭頸部放射線療法を実施している患者において、doxepin含嗽あるいはジフェンヒドラミン-リドカイン-制酸薬含嗽は、プラセボと比較し、含嗽後最初の4時間の口腔粘膜炎の疼痛を有意に軽減させたものの、その効果は臨床的に意味のある最小の差より小さかった。米国・Mayo Clinic HospitalのTerence T. Sio氏らが、doxepin含嗽またはジフェンヒドラミン-リドカイン-制酸薬含嗽の有効性を評価する第III相無作為化試験「Alliance A221304」の結果を報告した。doxepin含嗽により口腔粘膜炎関連の疼痛が軽減することが無作為化試験で示されているが、一般的に広く用いられているジフェンヒドラミン-リドカイン-制酸薬含嗽については、無作為化プラセボ対照比較試験やCochraneレビューで使用を支持するエビデンスは示されていなかった。JAMA誌2019年4月16日号掲載の報告。

「働き方改革」一歩前進へ-ロボット麻酔システム-

 2019年4月16日、福井大学医学部の重見 研司氏(麻酔・蘇生学教授)、ならびに松木 悠佳氏(同、助教)とその共同研究者らは、全身麻酔の3要素である鎮静・鎮痛・筋弛緩薬をすべて自動的に制御する日本初のシステムについて厚生労働省で記者発表した。本会見には共同研究者の長田 理氏(国立国際医療研究センター麻酔科診療科長)、荻野 芳弘氏(日本光電工業株式会社 呼吸器・麻酔器事業本部専門部長)も同席し、実用化に向けた取り組みについて報告した。

がんサバイバーのオピオイド使用、米国での実態/JCO

 オピオイド依存が深刻な米国では、疼痛マネジメントへの懸念も高いようだ。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのTalya Salz氏らは、「がんサバイバーは、オピオイド関連被害を受けるリスクが高い可能性がある」として、オピオイドの継続的使用と高用量使用について、大腸がん、肺がん、乳がんの高齢がんサバイバーと非がん対照集団の比較解析を行った。これまで、診断後のオピオイド使用の経時的傾向は知られていなかったという。

CABG施行中の揮発性麻酔薬、臨床転帰を改善するか/NEJM

 待機的冠動脈バイパス移植術(CABG)中の麻酔では、揮発性麻酔薬による吸入麻酔は、静脈麻酔薬のみを用いる全静脈麻酔と比較して、1年時の死亡を抑制しないことが、イタリア・IRCCS San Raffaele Scentific InstituteのGiovanni Landoni氏らが実施したMYRIAD試験で示された。研究の詳細は、NEJM誌2019年3月28日号に掲載された。CABG施行中の麻酔は、一般に全静脈麻酔または揮発性麻酔薬による吸入麻酔と静脈麻酔薬の併用で導入される。揮発性麻酔薬は心保護作用を有し、CABG施行患者の臨床転帰を改善する可能性が示唆されている。

再発ヘルペスを患者判断の服薬で抑止

 再発性単純疱疹の初期症状に対し、患者判断で抗ヘルペスウイルス薬の服用を開始できるPIT(Patient Initiated Therapy)としての用法・用量がわが国で初めて承認された。  これを機に、2019年3月6日、マルホ株式会社が開催したメディアセミナーにて、本田 まりこ氏(東京慈恵会医科大学皮膚科 客員教授/まりこの皮フ科 院長)が、ヘルペスウイルスによる感染症について、最新の動向と治療戦略を語った。  ヘルペスウイルスは、初感染後、生涯にわたって神経節に潜伏感染する。なかでも単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症は、免疫力の低下をきっかけに再発を繰り返す。年間再発回数は、HSV-1(主に口唇ヘルペスの原因)感染者で平均2.14回、HSV-2(主に性器ヘルペスの原因)感染者で平均9.34回というデータが報告されている。

オピオイド使用障害に持効性ブプレノルフィン注が有用/Lancet

 オピオイド使用障害治療の月1回皮下注薬であるRBP-6000(徐放性ブプレノルフィン:BUP-XR)について、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相臨床試験の結果、プラセボと比較してオピオイド断薬率が有意に高く、忍容性も良好であることが示された。米国・Indivior社のBarbara R. Haight氏らが報告した。BUP-XRは、月1回投与によりオピオイド乱用の薬物嗜好を遮断するブプレノルフィン血中濃度を維持し、同時に離脱症状や渇望症状をコントロールすることから、医療現場ではBUP-XRの投与が中毒や乱用等も軽減することが期待されていた。Lancet誌2019年2月23日号掲載の報告。

脳波に基づく麻酔薬の調節、術後せん妄を抑制せず/JAMA

 大手術を受けた高齢患者の術後せん妄の予防において、脳電図(EEG)ガイド下麻酔薬投与は、通常治療と比較して有効ではないことが、米国・セントルイス・ワシントン大学のTroy S. Wildes氏らが行ったENGAGES試験で示された。研究の詳細は、JAMA誌2019年2月5日号に掲載された。術中EEGにおける脳波の平坦化(suppression)は過剰に深い全身麻酔を示唆することが多く、術後せん妄と関連するとされる。  本研究は、EEGの脳波図に基づき麻酔薬の投与を調節するアプローチによる、術後せん妄の抑制効果の評価を目的に、単施設(米国、セントルイス市のBarnes-Jewish病院)で行われたプラグマティックな無作為化臨床試験である(米国国立衛生研究所[NIH]の助成による)。