循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:210

コーヒーと大動脈弁狭窄症リスク~7万人の前向き研究

 コーヒーには、心血管系に有害もしくは有益な作用を及ぼしうる生物学的活性物質が多く含まれているが、コーヒー摂取と大動脈弁狭窄症リスクの関連は不明である。今回、スウェーデン・カロリンスカ研究所のSusanna Larsson氏らの7万人超による前向き研究により、コーヒー摂取量と大動脈弁狭窄症リスクが正相関することが示された。Nutrition, metabolism, and cardiovascular diseases誌オンライン版2018年2月7日号に掲載。

ジェネリック希少の医薬品、米国で価格高騰/BMJ

 米国において特許期限切れだがジェネリック承認薬がない処方薬のうち、半数超は米国外で少なくとも1社が承認を受けており、半数弱は4社以上が承認製造していた。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のRavi Gupta氏らが、1939~2017年に米国食品医薬品局(FDA)で承認を受け、その後特許期限が切れた薬剤などを対象に行った観察試験で明らかにしたもので、BMJ誌2018年3月19日号で発表した。米国では、特許期限の切れた処方薬の一部が、競合会社が少ないために急激に価格が高騰し、入手が困難になるといった問題が生じている。今回の結果を受けて著者は、「それらの処方薬について、米国外からの輸入販売規制などを緩和化することで、適正な市場競争が促され、価格低下や患者への安定的な供給につながるだろう」とまとめている。

早産児の動脈管開存症には高用量経口イブプロフェンが有効/JAMA

 動脈管開存症(PDA)の早産児への薬物療法による動脈管閉鎖の効果では、高用量の経口イブプロフェンが、標準用量の静脈内イブプロフェンや静脈内インドメタシンに比べて良好であることが、カナダ・ダルハウジー大学のSouvik Mitra氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2018年3月27日号に掲載された。早産児のPDAでは保存的管理が重視されるようになっているが、血行動態的に重要なPDAを発症した患児への薬物療法による介入では、さまざまな治療法が行われているという。

心筋梗塞患者のせん妄への抗精神病薬、安全性を比較/BMJ

 急性心筋梗塞による入院患者へのハロペリドール投与開始から7日以内の死亡リスクは、非定型抗精神病薬に比べわずかに高いことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のYoonyoung Park氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2018年3月28日号に掲載された。外来患者や介護施設入居者の研究では、定型抗精神病薬は非定型抗精神病薬に比べ、死亡リスクが高いことが一貫して示唆されている。一方、抗精神病薬を入院患者のせん妄の症状管理に使用した場合の相対的な安全性に関するエビデンスは、ほとんどないという。

心房細動の認知率が低い県は?全国5万人の調査

 心房細動は最も一般的な心原性脳塞栓症の原因であることから、心原性脳塞栓症の予防には心房細動の認知度を知ることが重要である。今回、聖マリアンナ医科大学の秋山 久尚氏らは、日本全国における心房細動の認知レベルについて大規模インターネット調査を実施。5万人以上から回答が得られ、心房細動をよく知っている人の割合は3.8%と非常に低く、また、年齢、性別、地域による認知度の違いがみられた。秋山氏らは「年齢や性別による認知度の違いを考慮し、認知度が低い都道府県を優先する啓発活動が将来的に心原性脳塞栓症の予防に重要」としている。Geriatrics & gerontology international誌オンライン版2018年3月30日号に掲載。

心血管疾患併存の痛風、フェブキソスタット vs.アロプリノール/NEJM

 心血管疾患を有する痛風患者に対し、非プリン型キサンチンオキシダーゼ阻害薬フェブキソスタット(商品名:フェブリク)は、プリン塩基類似体キサンチンオキシダーゼ阻害薬アロプリノールに比べ、心血管系有害事象の発生に関して非劣性であることが示された。一方で、全死因死亡や心血管死亡の発生率は、いずれもフェブキソスタット群のほうが高かった。米国・コネティカット大学のWilliam B. White氏らが、6,190例を対象に行った多施設共同無作為化二重盲検非劣性試験の結果で、NEJM誌2018年3月29日号で発表した。

HeartMate 3、MOMENTUM 3 臨床試験の2年の治療成績(解説:許 俊鋭 氏)-836

MOMENTUM 3の初期の分析でHeartMate 3(磁気浮上遠心ポンプ)はHeartMate II(機械的軸受軸流ポンプ)に比較して、進行した心不全患者に対する6ヵ月間の補助の比較で臨床転帰を改善することがすでに報告されている。今回、進行した心不全の患者におけるHeartMate 3(遠心ポンプ)とHeartMate II(軸流ポンプ)の無作為非劣性および優位性の比較試験でMOMENTUM 3の2年の治療成績が報告された。

心不全を予防するために何をすべきか/日本循環器学会

 高齢者の増加と共に心不全患者数も増加し、わが国は、心不全パンデミック時代に直面しようとしている。そのような中、今後、心不全については治療だけでなく、予防という観点が重要となる。2018年3月23~25日に大阪で開催された、第82回日本循環器学会学術集会プレナリーセッションで、わが国の心不全予防について、佐賀大学 循環器内科 田中 敦史氏が講演した。

高齢・心房細動合併、日本人の拡張期心不全患者(JASPER)/日本循環器学会

 本邦における拡張期心不全(HFpEF)入院患者の現状、長期アウトカムなどは明らかになっていない。2018年3月23〜25日に大阪で開催された、第82回日本循環器学会学術集会で、北海道大学 安斉 俊久氏が、「本邦における拡張期心不全の実態に関する多施設共同調査研究」JASPER試験(JApanese heart failure Syndrome with Preserved Ejection fRaction Study)の結果を初めて発表した。