心房細動の認知率が低い県は?全国5万人の調査

心房細動は最も一般的な心原性脳塞栓症の原因であることから、心原性脳塞栓症の予防には心房細動の認知度を知ることが重要である。今回、聖マリアンナ医科大学の秋山 久尚氏らは、日本全国における心房細動の認知レベルについて大規模インターネット調査を実施。5万人以上から回答が得られ、心房細動をよく知っている人の割合は3.8%と非常に低く、また、年齢、性別、地域による認知度の違いがみられた。秋山氏らは「年齢や性別による認知度の違いを考慮し、認知度が低い都道府県を優先する啓発活動が将来的に心原性脳塞栓症の予防に重要」としている。Geriatrics & gerontology international誌オンライン版2018年3月30日号に掲載。
本研究では、調査モニターの属性データを用いてサンプリングした、47都道府県における50歳以上の17万2,824人に対し、心房細動についての認知度を調査するためにインターネット調査を行った。
主な結果は以下のとおり。
・5万3,128人から有効な回答を得た。
・「心房細動という言葉を聞いたことがない」人は1万3,119人(27.5%)、「心房細動をよく知っている」人は1,791人(3.8%)、「名前は知っているが疾患や治療を理解していない」人は2万7,351人(57.3%)であった。
・「心房細動という言葉を聞いたことがない」人の割合は高知県で最も高く(36.0%)、山梨県では最も低かった。
・「心房細動をよく知っている」人の割合は京都府が最も高く(5.1%)、鳥取県が最も低かった。名前だけ知っている人の割合は、青森県が63.0%と最も高かった。
・「心房細動という言葉を聞いたことがない」に有意に寄与する因子には、年齢、男性、人口が小規模(地方)が含まれていたが、不整脈/脳卒中の専門医の数は含まれなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)
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