循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:265

妊娠高血圧の心筋症リスク、周産期以降も長期に及ぶ/JAMA

 妊娠高血圧症候群(Hypertensive disorder of pregnancy:HDP)を合併した妊婦は、合併しなかった妊婦と比べ、出産後5ヵ月以降に心筋症を発症するリスクが、わずかであるが統計学的に有意に高いことが示された。デンマーク・Statens Serum Institut社のIda Behrens氏らによる、デンマークの全国レジストリを用いたコホート研究の結果、明らかになった。これまでにHDP、とくに妊娠高血圧腎症の妊婦では、出産前1ヵ月~出産後5ヵ月以内の周産期心筋症のリスクが増加することが報告されていたが、HDPが出産後5ヵ月以降の心筋症とも関連するかどうかについては不明であった。JAMA誌オンライン版2016年3月8日号掲載の報告。

足元の「冷え性」が関係する気温感受性高血圧

 「頭寒足熱」とは、古くから語られてきた健康法だが、この「足熱」の重要性を裏付ける研究が、先月、都内で開かれた日本心臓財団のメディアワークショップで紹介された。本稿では、ワークショップの演者で、室温の変化が血圧に与える影響を研究している苅尾 七臣氏(自治医科大学内科学講座 循環器内科学主任教授)の講演について取り上げる。

フルオロキノロンは重篤不整脈リスクを増大しない/BMJ

 経口フルオロキノロン系薬の服用は、重篤な不整脈リスクを増大しない。これまでとは異なる所見が得られたことを、スウェーデン・ルンド大学のMalin Inghammar氏らがコホート研究の結果、報告した。デンマークとスウェーデンの2国住民を対象に、経口フルオロキノロン治療の関与を、不整脈誘発作用のないペニシリンV使用との比較で調べた結果、明らかになったものだという。BMJ誌オンライン版2016年2月26日号掲載の報告。

また新たに創薬のターゲットにされる脂質異常症関連遺伝子(解説:興梠 貴英 氏)-495

2013年11月に発表されたAHA(米国心臓協会)の脂質異常症治療に関するガイドラインでは、動脈硬化性心血管疾患の発症リスクを有意に減少させるのはスタチンのみである、と結論付けている。その後、IMPROVE-IT試験でエゼチミブのスタチンへの上乗せ効果が認められたこともあり、臨床現場でも脂質異常症治療として、まずLDL-C低下が治療の第1選択肢となっている。

18日より、日本循環器学会学術集会が仙台で開催

 第80回日本循環器学会学術集会(JCS2016)が2016年3月18日(金)~20日(日)、宮城県仙台市で開催される(会長:東北大学循環器内科学教授 下川 宏明氏)。3日間を通して、約2万人の参加を見込んでおり、循環器系学術集会としては欧州心臓病学会(ESC)に次いで、世界第2位の規模になる。17ヵ国、66人の海外からの招待演者らによる発表や、米国心臓病学会/心臓協会(ACC/AHA)、ESCなどとのジョイントシンポジウム7セッションをはじめとする、計3,294演題、815人の座長による発表が予定されている。

生活習慣病予防プログラム、40年の成果/BMJ

 冠動脈疾患の主要かつ古典的なリスク因子である喫煙・脂質異常症・高血圧症(3リスク)を低減することを目的とした集団ベース介入の1次予防プログラムは、疾患発症や死亡の低下に寄与する有効な手段なのか。フィンランド国立健康福祉研究所のPekka Jousilahti氏らが、同国東部住民を対象とした40年にわたる観察研究(FINRISK研究)の結果、同プログラムが冠動脈疾患死の低下に寄与したことを確認したと報告した。また、高リスクの人への2次予防および急性冠症候群の治療の介入についても分析し、それらが付加的ベネフィットをもたらしたことも確認されたという。BMJ誌オンライン版2016年3月1日号掲載の報告より。

CTO再灌流、生存率改善はみられないものの、バイパス術施行を有意に減らす

 慢性完全閉塞(CTO)に対する経皮的冠動脈形成術(PCI)の成功率は、術者の経験の蓄積、デバイスや手技の改善により向上している。とくに薬剤溶出ステント(DES)の登場によって、ベアメタルステントに比べて再狭窄発生や再灌流療法の再施行が減少し、複雑なCTOに対するPCI施行が容易になった。これまでにも、CTOに対する再灌流療法によって、症状の改善、左室駆出率の改善、バイパス術の減少などが報告されているが、生命予後の改善に関しては一定した結果が得られていない。韓国のグループが、DESのみを用いたPCIによる研究結果をJACC Cardiovascular Interventions 誌オンライン版2016年2月25日号で発表した。