循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:263

日本人の眼圧上昇、メタボ因子との関連は?

 日本人を対象とした眼圧上昇とメタボリックシンドローム因子の変化との関連について、山梨大学大学院 社会医学講座助教の横道洋司氏らが、同県住民の健康診断データを用いて分析を行った。その結果、眼圧上昇は、血清トリグリセライド値・血圧値・空腹時血漿中グルコース値(FPG)の長期的な悪化と関連しており、一方で、血清HDLコレステロール値の改善と関連していたと発表した。著者は、「結果については慎重な解釈が必要である」と述べ、「血清脂質と眼圧との関連についてはさらなる生理学的な検討が必要である」とまとめている。BMJ Open誌2016年3月24日号掲載の報告。

PCI後1年超のDAPT継続期間を予測するモデル/JAMA

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)実施後1年超の2剤併用抗血小板療法(DAPT)の継続期間を明らかにする予測モデルが開発された。米国、ベスイスラエル・ディーコネス医療センターのRobert W. Yeh氏らが、1万1,648例を対象に行った無作為化試験「DAPT」試験の被験者データから開発した。PCI後のDAPTでは、虚血リスクは減少するが、出血リスクの増大が報告されている。今回開発したモデルは、検証試験の結果、それらを中程度の精度で予測できるものだったという。JAMA誌オンライン版2016年3月29日号掲載の報告より。

3枝病変でのPCI対CABG、年齢・性別の影響は

 3枝冠動脈病変患者において、冠動脈バイパス術(CABG)に対する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の相対死亡リスクは、年齢との間に有意な関連が認められ、74歳以上では超過、74歳未満ではニュートラルであったことを小倉記念病院の山地 杏平氏らが報告した。実臨床では、PCIとCABGの選択において性別も考慮すべき重要事項であるが、本検討では相対死亡リスクに性特異的な差は認められなかったという。Circulation誌オンライン版2016年3月23日号に掲載。

勃起不全患者の心血管イベント予測に有用なマーカー

 勃起不全(ED)患者において、「血管年齢と実年齢の差」は、心血管疾患発症リスクが低い群(若年齢、メタボリックシンドロームなし、心血管疾患の家族歴なし)において主要な心血管イベントの発症と関連することが、フィレンツェ大学のGiulia Rastrelli氏らによる研究で明らかになった。血管年齢と実年齢の差による心血管イベントの予測は、超音波カラードップラー検査のパラメータを含む他の危険因子と独立しており、費用もかからないため、陰茎の血管損傷の安全な代理マーカーとして有用性が高いと考えられる。The journal of sexual medicine誌2016年2月号の報告。

SSRIはむしろ心血管リスクを低下させる?/BMJ

 プライマリケア受診のうつ病患者約24万例のデータを用いたコホート研究で、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、心血管リスクの増加と関連しないことが示された。英国・ノッティンガム大学のCarol Coupland氏らによる検討で、BMJ誌オンライン版2016年3月22日号で発表された。先行研究で指摘されていたシタロプラムの不整脈リスク増加のエビデンスも認められなかった。分析の結果、むしろSSRIに心筋梗塞リスクを低下する効能がある可能性が示され、とくにfluoxetineで有意な低下がみられたという。リスク増加が示されたのは、三環系抗うつ薬のロフェプラミンであったと報告している。

妊娠高血圧症候群は、周産期を過ぎても心筋症の発症リスクである(解説:神谷 千津子 氏)-510

周産期(産褥性)心筋症は、「心疾患既往のない女性が、妊娠中から産後5ないし6ヵ月以内に、原因不明の心機能低下と心不全を発症する」と定義される、2次性心筋症の1つである。周産期心筋症患者の4割が、妊娠高血圧症候群を発症した後に心筋症を診断されているため、妊娠高血圧症候群は周産期心筋症の最大危険因子といえる。しかしながら、妊娠高血圧症候群が、周産期を過ぎた後にも心筋症の危険因子となりうるかについては、これまでまったく知られていなかった。今回Behrens氏らは、デンマークの全国コホート研究から、妊娠高血圧症候群が周産期を過ぎても心筋症の発症リスクであると、JAMA誌2016年3月8日号に初めて報告した。

血圧や不安がアロマフットマッサージで改善?

 自分でアロマフットマッサージを行うことで、平均収縮期血圧(SBP)および平均拡張期血圧(DBP)、状態不安スコアが有意に減少し、精神的健康に関連するQOLスコアも改善傾向がみられたことを岡山大学の江口依里氏らが報告した。アロマフットマッサージが、メンタルヘルスや血圧の改善に簡単かつ効果的な方法となるかもしれないという。PLoS One誌2016年3月24日号に掲載。

農水・厚労省の食事バランスガイドで死亡リスク低下/BMJ

 日本人対象の大規模前向きコホート研究の結果、食事のバランスが良い人ほど、全死因死亡リスクや心血管・脳血管疾患死リスクが低いことが明らかにされた。国立国際医療研究センターの黒谷佳代氏らが、約8万人を中央値15年追跡した結果で、BMJ誌オンライン版2016年3月22日号で発表した。これまでに欧米人を対象に、より良い食事摂取が死亡リスクや主要慢性疾患リスクを低下することを示した試験結果はあるものの、アジア人を対象にした前向き試験は珍しいという。

卵円孔開存への経皮的閉鎖術、片頭痛の頻度は減少せず

 西洋諸国における片頭痛の有病率は8~13%と言われおり、幾つかの研究が、片頭痛と卵円孔開存(PFO)の関連性を指摘している。今回、前兆を伴う片頭痛患者に対する経皮的PFO閉鎖術の効果を無作為化比較で検討した試験の結果が、European Heart Journal誌オンライン版2016年2月22日号に発表された。スイス、ドイツ、イギリスなどの20施設による共同発表。なお、本試験は、Amplatzer卵円孔開存閉鎖栓の製造元であるSt. Jude Medical社がスポンサーとなっている。