循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:313

このstudyはnegative studyであり、また説明不足である(コメンテーター:野間 重孝 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(198)より-

本稿は論文評であってreviewではないが、多くの専門外の先生方にとってheart failure and preserved ejection fraction (HFpEF)という概念自体が大変にわかりにくいのではないかと考えるので、まずHFpEFとはどのような病態概念なのかを簡単に説明することから始めたい。

慢性高血圧の妊婦、加重型妊娠高血圧腎症発生は約8倍/BMJ

 慢性高血圧の妊婦では有害転帰が高率にみられることが、英国・ロンドン大学のKate Bramham氏らによるメタ解析(55試験・妊娠約80万例)の結果、明らかにされた。米国での試験集団に絞って同国一般集団と比較した分析からは、加重型妊娠高血圧腎症リスクが約8倍高いことが示された。また、早産、低体重児、およびNICU入室リスクは約3倍、周産期死亡リスクは約4倍高いことなども示された。結果を踏まえて著者は、「慢性高血圧の妊婦については、出産前サーベイランス強化の必要性が示された」と述べるとともに、「今回の所見をカウンセリングで通知し、慢性高血圧を有する女性における至適な母性保健、薬物治療、妊娠前治療に寄与すべきである」と提言している。BMJ誌オンライン版2014年4月15日号掲載の報告より。

小児ADHDの薬物治療、不整脈リスクに注意を

 小児における注意欠陥・多動性障害(ADHD)薬の使用について、危険な不整脈のリスクがある子供では注意を払う必要があることを、ノルウェー・ベルゲン大学のAnsgar Berg氏らが文献レビューの結果、報告した。ADHDに対する薬物治療は、一般に安全であると考えられてきたが、今回の結果を踏まえて著者は、「心臓病や不整脈の既往、あるいは心臓病リスク因子を有する子供のADHD治療は、小児循環器の専門家との連携のうえで行われるべきである」とまとめている。Tidsskrift for Den norske legeforening誌2014年4月8日号の掲載報告。

駆出率が保持された心不全での抗アルドステロン薬の効果は?/NEJM

 抗アルドステロン薬は、左室駆出率が保持(45%以上)された心不全患者については、臨床転帰を有意に改善しないことが判明した。米国・ミシガン大学のBertram Pitt氏ら「TOPCAT」研究グループが行った3,445例を対象とした試験の結果、示された。同薬は、左室駆出率が低下した心不全患者の予後を改善することが示されている。しかし駆出率が保持された患者については厳格な検討は行われていなかった。NEJM誌2014年4月10日号掲載の報告より。

コルヒチン追加で心膜炎の再発が半減/Lancet

 再発を繰り返す心膜炎患者に対し、従来の抗炎症治療にコルヒチンを追加することで、以降の再発が大きく低下したことが、イタリア・マリア・ヴィットーリア病院のMassimo Imazio氏らにより行われた「CORP2」試験の結果、示された。著者は、「他の無作為化試験の結果と合わせて、今回の所見は、コルヒチンが禁忌あるいは適応とならない場合を除いて、急性および再発性の心膜炎いずれにもファースト治療とみなすべきであろうことを示唆している」とまとめている。コルヒチンは急性心膜炎および再発の初回では有効だが、複数回の再発例に対する有効性、安全性に関するデータはこれまで得られていなかった。Lancet誌オンライン版2014年3月28日号掲載の報告より。

中等度リスク肺塞栓症への血栓溶解療法の臨床転帰は?/NEJM

 中等度リスクの肺塞栓症に対する血栓溶解療法は血行動態の代償不全を防止するが、大出血や脳卒中のリスクを増大させることが、フランス・ジョルジュ・ポンピドゥー・ヨーロッパ病院のGuy Meyer氏らが行ったPEITHO試験で示された。これまでの肺塞栓症の無作為化臨床試験では、血栓溶解療法による血行動態の迅速な改善効果は示されているものの、とくに発症時に血行動態の不安定がみられない患者では、臨床転帰への影響は確認されていなかったという。NEJM誌2014年4月10日号掲載の報告。

ACC/AHA開発の心血管疾患リスク予測式の予測能は高い/JAMA

 米国心臓病学会・米国心臓協会(ACC/AHA)が開発したアテローム性心血管疾患(CVD)リスク予測式について、CVDや糖尿病の既往がなくLDL-C値が70~189mg/dLの白人や黒人を含む1万例超の大規模コホートに当てはめて検証した結果、同式による予測値と、実際の発生率は近似値で予測能は高いことが示された。米国・アラバマ大学のPaul Muntner氏らが報告した。JAMA誌2014年3月29日号掲載の報告より。

TAVRは外科手術より死亡リスクが低い/NEJM

 重度大動脈狭窄患者に対し、自己拡張型経カテーテル大動脈弁バイオプロテーゼを用いた経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)は、外科的大動脈弁置換術に比べ、1年死亡リスクが約5ポイント有意に低いことが示された。米国・マウントサイナイ医療センターのDavid H. Adams氏らが、795例を対象に行った無作為化比較試験の結果、報告した。先行研究でTAVRは、内科的治療と比較して生存を改善し、外科的大動脈弁置換術と1年生存率は同等だったが、神経学的イベント頻度が高いことが示されていた。今回、研究グループは、自己拡張型経カテーテル大動脈弁バイオプロテーゼを用いたTAVRの安全性と有効性について検討を行った。NEJM誌オンライン版2014年3月29日号掲載の報告より。