循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:316

静脈うっ滞性潰瘍、圧迫療法+シンバスタチンは有意

 静脈うっ滞性潰瘍の治療について、標準治療の創傷ケアや圧迫療法に加えてシンバスタチン(商品名:リポバスほか)40mgの連日投与を行うことで、治癒率、治癒までの時間およびQOLを有意に改善することが、フィリピン・Jose R. Reyes Memorial Medical CenterのM.T.P. Evangelista氏らによる無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告された。British Journal of Dermatology誌オンライン版2014年2月7日号の掲載報告。

出産後の血栓イベント、高リスクはいつまで?/NEJM

 出産後の血栓イベントリスクは、少なくとも12週間は有意に高く続くことが明らかにされた。ただし、6週以降の絶対リスクの増加は小さいことも判明した。産後の女性は、血栓イベントリスクが増大することが知られている。米国・コーネル大学のHooman Kamel氏らは、その期間について、従来定義されている6週間以降どの程度継続するかを明らかにするため、後ろ向きクロスオーバーコホート研究を行った。NEJM誌オンライン版2014年2月13日号掲載の報告より。

ベジタリアンの食事パターンが血圧降下と関連~39報のメタ解析

 これまで、ベジタリアンの食事パターンが血圧降下と関連していることがいくつかの研究で示唆されているが、逆の研究結果も報告されており、関係は十分に確立されていない。今回、国立循環器病研究センター予防医学・疫学情報部の西村 邦宏氏らの研究チームは、ベジタリアンの食事パターンと血圧との関連を検討した介入研究と観察研究を系統的に検索し、メタ解析を実施した。その結果、肉類の摂取を制限し、野菜、大豆を中心とした豆類、豆腐、精製していない全粒穀物などの植物性の食品を中心とするベジタリアン型の食事摂取と血圧降下とが関連していることが明らかになった。このことより、高血圧に対する非薬物療法のひとつとして、ベジタリアンの食事パターンが有効である可能性が示唆された。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2014年2月24日号に掲載。

アブレーションは発作性心房細動の第一選択になりうるか/JAMA

 未治療の発作性心房細動(AF)患者に対する高周波アブレーションvs. 抗不整脈薬治療について検討した結果、高周波アブレーションのほうが2年時点の心房性頻脈性不整脈の発生率が低かったことが、カナダ・マックマスター大学のCarlos A. Morillo氏らによる無作為化試験の結果、示された。現行ガイドラインでは、発作性AFの第一選択治療は抗不整脈薬治療が推奨され再発減少に有効である一方で、高周波アブレーションは抗不整脈薬治療に失敗した場合の第二選択治療として推奨されている。しかしながら先行研究では、第一選択治療としての位置づけをさらに検討すべきであることを示唆する報告がなされていた。JAMA誌2014年2月19日号掲載の報告より。

大気汚染微粒子状物質の長期暴露による冠動脈疾患発生リスク増大への警鐘(コメンテーター:島田 俊夫 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(179)より-

 これまで大気汚染微粒子状物質(PM)の暴露による冠動脈疾患への影響に関しては、米国、英国などからすでに報告があり、大気中のPM2.5, coarse PM(2.5-10.0), PM10の一定増量分/m3が冠動脈疾患イベントを増大させる、させないと一見矛盾したものも散見される。世界中で大気汚染の問題は年々深刻さの度合いを増し、とくにアジアにおいては、経済発展に伴いPMの健康被害の問題は避けて通れない大きな社会問題となっている。本論文はBMJ2014年1月21日号に掲載された時流を反映した論文であり、私見を加えコメントする。

CHD死亡率、10年で約43%低下/BMJ

 英国・グラスゴー大学のJoel W Hotchkiss氏らは、2000~2010年のスコットランドにおける冠動脈性心疾患(CHD)死亡の傾向について分析した。その結果、同期間にCHD死亡は約半減(43%減)しており、背景要因として薬物療法の選択肢が増大したこと、その有益性をスコットランド国民保健サービス(NHS)が社会経済的階級を問わず公正に供給したことがあったと思われたことを報告した。一方で、血圧やその他リスク因子の低下による、かなりの寄与は、肥満や糖尿病の有害性で減弱していたことも判明した。著者は、「次の10年におけるCHD死亡減少と不公正性の解消を図るために、付加的な広域集団への介入を急がなければならない」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年2月6日号掲載の報告より。

心房細動アブレーションにおける新しいMRI指標:そのメリットとデメリット(コメンテーター:山下 武志 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(173)より-

 心房線維化は心房細動の原因と考えられているばかりでなく、治療抵抗性の指標としても注目されている。あたかも「がんの浸潤」のように、心房線維化が広範に及ぶ例ではカテーテルアブレーションによる治癒率が低下すると予想することは容易である。これまで臨床的にその定量化が容易でないことが一つの課題であったが、本論文は遅延造影MRIにより心房線維化を定量化することにより、この予想が正しいことをあらためて明らかにした。

若いのに血圧が高い人は要注意!中年期の冠動脈石灰化の危険あり/JAMA

 青年期に血圧値が高値で推移した人ほど、中年期の冠動脈石灰化(CAC)リスクが大きいことを、米国・ノースウェスタン大学のNorrina B. Allen氏らが、CARDIA研究の参加者4,681例の前向き追跡データを分析し明らかにした。これまで、血圧の単回測定値とアテローム性動脈硬化進展との関連は示されていたが、血圧値の長期的推移が心血管疾患リスクに与える影響については、十分に解明されていなかった。今回の結果を踏まえて著者は、「血圧値の長期推移は、各人の無症候性アテローム性動脈硬化をより正確に特徴づけるのに役立つ可能性がある」とまとめている。JAMA誌2014年2月5日号掲載の報告。