循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:312

高血圧患者の妊娠における周産期リスク解析から学ぶこと(コメンテーター:三浦 伸一郎 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(204)より-

高血圧患者が妊娠した場合(慢性高血圧の妊婦)の周産期リスクには、妊娠高血圧症候群ガイドライン2009にも掲載されているように加重型妊娠高血圧腎症、常位胎盤早期剥離、small for gestational age、周産期乳児死亡率・早産率の増加が挙げられている。

中~高強度スタチンへのPCSK9阻害薬上乗せ効果を確認/JAMA

 米国・アイオワ大学のJennifer G. Robinson氏らによる第III相無作為化試験LAPLACE-2の結果、中~高強度のスタチン治療を受けている高コレステロール血症患者に対し、PCSK9阻害薬エボロクマブ上乗せ効果は、プラセボおよびエゼチミブ(商品名:ゼチーア)追加よりも、LDL-C値を有意に低下したことが報告された。JAMA誌2014年5月14日号掲載の報告より。

認知症発症リスクと心臓疾患との関係

 複数の心血管リスク因子が、認知症やアルツハイマー型認知症(AD)のリスクを増大することが知られるが、心臓疾患が及ぼす影響については不明なままであった。東フィンランド大学のMinna Rusanen氏らによる住民ベースのコホート研究の結果、高齢期の心臓疾患は、その後の認知症やADリスクを増大することが明らかにされた。結果を受けて著者は、「心臓疾患の予防と効果的な治療は、脳の健康や認知機能維持の観点からも重要であると考えられる」とまとめている。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2014年5月13日号の掲載報告。

PCSK9阻害薬追加でLDLコレステロール値が改善/NEJM

 エボロクマブは前駆蛋白転換酵素サブチリシン/ケキシン9(PCSK9)を阻害する完全ヒトモノクローナル抗体である。脂質異常症の治療において、食事療法やスタチン、エゼチミブによる薬物療法に本薬を加えると、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)値が有意に低下することが、南アフリカ・ケープタウン大学のDirk J Blom氏らが行ったDESCARTES試験で示された。PCSK9は、主に肝臓で産生されるセリンプロテアーゼで、血中に分泌されて肝臓のLDL受容体に結合し、LDL受容体の分解を促進する。本薬の第II相試験でLDL-Cの改善効果が確認されている。NEJM誌2014年5月8日号(オンライン版2014年3月29日号)掲載の報告。

心疾患への自家骨髄幹細胞治療、効果のバラツキはなぜ?/BMJ

 心機能を大幅に改善すると報告されている心疾患患者への自家骨髄幹細胞治療の試験報告について、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのAlexandra N Nowbar氏らは、試験間でみられる効果量のばらつきについて、なぜそのような状況が起きているのかを調べた。49試験について論文に事実と異なる矛盾点がないかを調べた結果、試験デザインや方法論、結果などにおいて多くの矛盾点が検出され、その数が多いほど治療効果が大きく示されるという有意な関連があることを報告した。著者は、「論文の不備を回避することは難しいが、その数と効果の大きさが関連していることから重大である」と述べている。また、矛盾点が検出されなかった5試験では効果がゼロであったと報告されていることから、判明していない同治療のメカニズムについて、今後の試験で調べることが必要だと指摘している。BMJ誌オンライン版2014年4月29日号掲載の報告より。

心筋梗塞後、食物繊維の摂取が多いほど全死因死亡低下/BMJ

 健康な人における食物繊維の豊富な摂取は、冠動脈疾患の低リスクと関連しているが、心筋梗塞後の患者でも同様のベネフィットがあることが明らかにされた。米国・ハーバード公衆衛生大学院のShanshan Li氏らが行った大規模前向きコホート研究の結果、摂取量が多いほど、全死因死亡と逆相関の関連が認められたという。とくに穀物由来の食物繊維の摂取量を心筋梗塞前よりも増やすことが、全死因死亡および心血管死亡の有意な低下と関連していたことも明らかにされた。これまで、心筋梗塞後に食物繊維の摂取量を増やすことが、死亡率の低下と関連しているかは不明であった。BMJ誌オンライン版2014年4月29日号掲載の報告より。

TAVRは外科手術より死亡リスクが低い可能性がある?(コメンテーター:許 俊鋭 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(199)より-

昨年までの高リスク大動脈弁狭窄症(AS)に対するTAVI(TAVR)と外科的AVR(SAVR)の比較検討では、早期成績(30日死亡および入院死亡率)および中期成績(3ヵ月~3年死亡率)に差はないとされてきた1)~4)。また、無作為化割り付け試験において、TAVIはSAVRに比較してstrokeや血管合併症、永久的ペースメーカー装着率、中等度以上の人工弁周囲逆流発生率が高い結果1)が出ている一方、出血の合併症はSAVRに比較してTAVIでは少ない結果が報告されている1),4)。