循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:322

またしてもACE阻害薬+ARBの併用、有効性示せず-糖尿病性腎症-/NEJM

 ACE阻害薬(ACEI)+ARB併用療法は、蛋白尿がみられる糖尿病性腎症患者の末期腎不全(ESRD)への病態進行のリスクを低減しないことが、米国・ピッツバーグ大学のLinda F. Fried氏らが行ったVA NEPHRON-D試験で確認された。糖尿病性腎症はESRDの主要原因であり、蛋白尿がみられる糖尿病患者はESRDのリスクが高い。観察試験では、レニン-アンジオテンシン系(RAS)の抑制により腎不全に起因する蛋白尿が低減し、腎機能が改善することが示されている。ACEIとARBの併用療法により蛋白尿が低下することが知られているが、腎不全の進行に及ぼす効果や安全性は確かめられていなかった。NEJM誌2013年11月14日号掲載の報告。

腎除神経術の降圧効果は3年間持続、しかし降圧薬使用量の減少はみられず(コメンテーター:桑島 巌 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(148)より-

 利尿薬を含む3剤以上の降圧薬を使用しているにも関わらず収縮期血圧が160mmHg以上の、いわゆる“治療抵抗性高血圧”に対する、腎除神経術(RND)3年間の追跡結果である。RNDの効果は一過性であるとの見方もあったが、結果的には降圧効果は3年後にも持続することが確認されたという点で意義のある論文といえる。

変形性膝関節症による軟骨下骨の骨量減少は、高血圧症や糖尿病と関連

 変形性膝関節症における軟骨下骨の骨量減少が、高血圧症や2型糖尿病と関連している可能性があることが明らかとなった。中国・香港大学李嘉誠医学院のChun Yi Wen氏らが報告したもので、因果関係を確認するために大規模なコホート研究が必要であるとまとめている。Osteoarthritis and Cartilage誌2013年11月号(オンライン版2013年7月29日号)の掲載報告。

治療抵抗性高血圧患者への腎アブレーション:施行3年後の成績/Lancet

 治療抵抗性高血圧患者に対するラジオ波アブレーション腎除神経術(RDN)は、3年時点でも十分な降圧効果が認められたことが報告された。オーストラリア・モナシュ大学のHenry Krum氏らが同施術患者を長期に追跡したSymplicity HTN-1試験の最終報告として発表した。すでに同試験における術後1ヵ月、12ヵ月時点の評価において、同施術は治療抵抗性高血圧患者の血圧を大幅に下げることが示されていた。Lancet誌オンライン版2013年11月6日号掲載の報告より。

薬剤溶出ステント:ステントによる差はあるか?/Lancet

 第三世代の薬剤溶出ステントである、ゾタロリムス溶出ステントとエベロリムス溶出ステントについて検討した非劣性試験の結果、両ステントの有効性および安全性は同程度であることが明らかにされた。オランダ・Medisch Spectrum TwenteのClemens von Birgelen氏らによる無作為化単盲検多施設共同非劣性試験「DUTCH PEERS」の結果、示されたもので、著者は「いずれも優れた臨床アウトカムをもたらすものである」と結論している。Lancet誌オンライン版2013年10月31日号掲載の報告より。

CKDでも、RA系阻害薬にBeyond Blood Pressure Lowering効果は認められない。(コメンテーター:石上 友章 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(146)より-

 これまでの多くの基礎研究の成果から、RA系阻害薬には、他のクラスの降圧薬にはないextraordinaryな効果があるとされてきた。ARBを対象にしたKyoto Heart Studyや、Jikei Heart Studyなどの日本発臨床研究は、このような基礎研究の成果によって導かれたConceptを証明する、いわばProof Of Conceptとなる研究であり、その意味で画期的であったが、データ改ざんによる不正によって論文撤回という事態を招いてしまった。

薬物溶出ステント後のDAPTの投与期間は何ヵ月?/JAMA

 ゾタロリムス溶出ステント(エンデバー)留置術後の2剤併用抗血小板療法(DAPT)の実施期間について、3ヵ月実施が12ヵ月実施に対して非劣性であることが実証された。ブラジル・Instituto Dante Pazzanese de CardiologiaのFausto Feres氏らが、3,000例超について行った多施設共同オープンラベル無作為化比較試験で明らかにした。薬剤溶出性ステント留置後の2剤併用抗血小板療法は現在、12ヵ月間とすることが推奨されている。しかし一部の薬剤溶出性ステントについては、2剤併用抗血小板療法の最適な期間が判明していなかった。JAMA誌オンライン版2013年10月31日号掲載の報告より。

急性心筋梗塞にも早期に抗凝固薬を?(コメンテーター:後藤 信哉 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(145)より-

 日本では、心筋梗塞症例の圧倒的多数はPCIを受ける。血栓は動的なので、搬送中であっても強力な抗血栓薬が作用すれば、内因性の線溶反応が勝って冠動脈の閉塞血栓が溶解し、再灌流する可能性はある。現在、心房細動症例の脳卒中予防に使用されている新規経口抗凝固薬は、経静脈的なアルガトロバン同様、単一凝固因子の可逆的酵素機能阻害薬であるため、急性冠症候群のように局所の血栓性が亢進している症例では効果を期待できない。