循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:323

糖尿病患者へのベスト降圧薬は?/BMJ

 糖尿病患者における腎保護効果はACE阻害薬のみで認められ、ARBがACE阻害薬と比べて良好な効果を示すというエビデンスはみつからなかったことが、台湾・亜東記念医院のHon-Yen Wu氏らによるシステマティックレビューとベイズネットワークメタ解析の結果、報告された。結果を踏まえて著者は「薬剤コストを考慮した場合、今回の知見において、糖尿病患者の降圧薬の第一選択はACE阻害薬とすることを支持するものであった。そして十分な降圧が得られない場合は、ACE阻害薬+Ca拮抗薬の併用療法とするのが好ましいだろう」と結論している。BMJ誌オンライン版2013年10月24日号掲載の報告より。

変形性関節症への全人工関節置換術、心血管保護効果を確認/BMJ

 股関節または膝関節の中等度~重度変形性関節症患者に対する待機的全人工関節置換術により、重症心血管イベントの発生リスクが低下することが、カナダ・トロント大学のBheeshma Ravi氏らの検討で示された。身体活動性の低下は心血管リスクを増大させる因子であることが示唆されている。65歳以上の40%以上に身体活動性の低下がみられ、その原因の多くを変形性関節症が占める。全人工関節置換術は変形性関節症患者の疼痛、運動能、歩行能、QOL、全般的な身体機能を改善するが、心血管リスクへの影響は不明であった。BMJ誌オンライン版2013年10月30日号掲載の報告。

PCI施行患者への搬送中の抗トロンビン薬投与/NEJM

 プライマリ経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行患者に対するビバリルジン(国内未承認)の投与について、搬送中からの投与のベネフィットをヘパリン+GP IIb/IIIa阻害薬と比較検討した無作為化試験の結果、ビバリルジン単独群のほうが重大出血を有意に抑制し30日時点の臨床アウトカムを改善することが示された。急性ステント血栓症の発生は有意に高かった。フランス・ビシャ・クロード・ベルナール病院のPhilippe Gabriel Steg氏らEUROMAX研究グループが検討を行い報告したもので、NEJM誌オンライン版2013年10月30日号で発表された。同患者に対してビバリルジンが、ヘパリン+GP IIb/IIIa阻害薬よりもアウトカム(出血と死亡)の改善に優れることは先行研究で示されていたが、搬送中からの投与については明らかではなかった。

インフルエンザワクチン接種者で心血管イベント減少/JAMA

 心血管疾患リスクの高い患者に対するインフルエンザワクチンの接種により、心血管イベントが抑制されることが、カナダ・トロント大学のJacob A Udell氏らの検討で示された。非古典的な心血管リスク因子のうち、気道感染症の原因となるインフルエンザやインフルエンザ様感染が、致死的および非致死的なアテローム血栓性イベントと関連することが指摘されている。また、インフルエンザワクチン接種により心血管イベントが抑制されることが、いくつかの疫学試験で示唆されている。JAMA誌2013年10月23日号掲載の報告。

CABGとPCI、健康状態もCABGのほうが良好-糖尿病の多枝冠動脈疾患患者-/JAMA

 糖尿病を有する多枝冠動脈疾患患者の血行再建戦略では、冠動脈バイパス移植術(CABG)のほうが薬剤溶出ステント(DES)を用いた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)よりも、中期的な健康状態やQOLが良好なことが、米国Saint Luke’s Mid America Heart InstituteのMouin S Abdallah氏らが行ったFREEDOM試験のサブ解析で示された。本試験ではすでに、CABGはDESによるPCIに比べ死亡率や心筋梗塞の発生率は低いが、脳卒中の頻度が高いことが報告されている。JAMA誌2013年10月16日号掲載の報告。

ストレス潰瘍の予防薬と心臓外科患者における院内肺炎のリスク:コホート研究(コメンテーター:上村 直実 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(141)より-

 本論文では、米国の約500病院からの患者データが集積されているPremier Research Databaseを用いた後ろ向きコホート研究において、冠動脈バイパス術(CABG)の術後早期にストレス潰瘍の予防目的で投与された胃酸分泌抑制薬と術後院内肺炎の発症について検討した結果、プロトンポンプ阻害薬(PPI)使用群の術後の肺炎リスクがH2ブロッカー(H2RA)使用群に比べて有意に高いと結論されている。

航空機騒音、10dB増で心血管疾患入院リスク3.5%増加/BMJ

 航空機騒音が大きいほど心血管疾患による入院リスクは高くなるようだ。騒音が10dB増すごとに、同リスクは3.5%増加することが示された。米国・NMR GroupのAndrew W. Correia氏らが、米国内89ヵ所の空港付近に住む、約600万人の高齢者について行った後ろ向き調査の結果、報告した。先行研究において、航空機騒音が高血圧アウトカムに関連があることは知られていたが、心血管疾患との関連についての研究報告はほとんどなかった。BMJ誌オンライン版2013年10月8日号掲載の報告より。