皮膚科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:23

尋常性乾癬治療剤ドボベットのフォームタイプ新発売/レオファーマ・協和キリン

 レオファーマと協和キリンは、2021年6月18日、尋常性乾癬治療剤ドボベットの新剤形「ドボベットフォーム」を新発売した。  本剤は、既存の軟膏の有効性を担保したうえで、簡易性と利便性の観点から治療の新たな選択肢を提供することを目的に開発が進められ、2015年に米国で初めて承認された。以来、すでに欧州諸国など世界40ヵ国以上で承認されている。  ドボベット(一般名:カルシポトリオール水和物/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)は、尋常性乾癬の外用剤としてレオファーマの親会社LEO Pharma A/Sが開発し、本邦では2014年9月にドボベット軟膏が、2018年6月にドボベットゲルが発売されている。今回、軟膏及びゲルに加え、本剤をラインナップに追加することで、両社はより多くの患者のQOLの向上に貢献を目指す。

皮膚病変からコロナ重症度もわかる?その具体的な症状とは

 新型コロナ患者での皮膚病変が報告されているが、具体的にはどのような症状なのだろうか。福田 知雄氏(埼玉医科大学総合医療センター皮膚科 教授)がメディアセミナーにおいて、「皮膚は健康のバロメーター ~意外と多いコロナの皮膚症状、爪からわかる健康状態~」と題し、皮膚病変が新型コロナ重症度判定にも有用な可能性を示唆した(主催:佐藤製薬)。  福田氏はまず、昨年3月にイタリアの皮膚科医が報告した論文1)を挙げ、「彼らは“新型コロナ(以下、COVID-19)病棟の多くの患者に皮膚症状が出ていた”ことに注目し調査を実施した。その結果、20.4%(18/88例)に皮膚症状(紅斑性発疹、広範囲の蕁麻疹、水痘様水疱など)が認められたことを報告した」と説明。しかし、この段階ではCOVID-19と重症度の相関関係は認められておらず、その後9月に発表されたドイツの研究者の論文2)で、COVID-19のリスク層別化などに役立つ可能性が示唆された。これを踏まえ同氏は、「ある症状はより軽度のCOVID-19の経過を示す臨床的徴候であり、別の症状はより重度の経過を示す赤旗であることが示された。つまり、どんな皮膚症状から何がわかるのか、皮膚症状の理解を深めておくことがCOVID-19の指標確認にもなる」とコメントした。

妊娠中の局所ステロイド使用、胎児への影響は?

 妊娠中の局所コルチコステロイド使用は安全なのか。デンマーク国立血清研究所(Statens Serum Institut:SSI)のNiklas Worm Andersson氏らによる大規模コホート研究の結果、在胎不当過小児(SGA)や低出生体重児のリスク増大とは関連しないことが示された。  妊娠中の局所コルチコステロイド使用頻度は高く、新生児へのリスクに関する懸念は高いが、そのエビデンスを示すデータは限定的であった。とくに、強力~非常に強力な薬剤の使用についての懸念が高かったが、著者は「今回の結果は、妊娠中に強力な局所コルチコステロイドを大量に使用した場合でも、リスクが中程度~大幅に増大する可能性は低いことを示唆するものであった」と述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2021年5月5日号掲載の報告。

ウパダシチニブ、単剤で中等症~重症アトピー性皮膚炎に有効/Lancet

 中等症~重症のアトピー性皮膚炎の治療において、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬ウパダシチニブの単剤療法はプラセボと比較して、安全性および有効性が優れ、新たな治療選択肢となる可能性があり、ベネフィット・リスクのプロファイルも良好であることが、米国・マウント・サイナイ・アイカーン医科大学のEmma Guttman-Yassky氏らが実施した2つのプラセボ対照無作為化試験「Measure Up 1試験」および「Measure Up 2試験」で示された。Lancet誌オンライン版2021年5月20日号掲載の報告。  これら2つの試験は、反復的な多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験であり、Measure Up 1試験には日本を含む24ヵ国151施設が、Measure Up 2試験には23ヵ国154施設が参加し、それぞれ2018年8月~2019年12月および2018年7月~2020年1月の期間に患者の無作為化が行われた(米国・AbbVieの助成による)。

ウパダシチニブ、ステロイド併用でアトピー性皮膚炎を改善/Lancet

 中等症~重症のアトピー性皮膚炎の治療において、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬ウパダシチニブと副腎皮質ステロイド外用薬の併用は、プラセボと同外用薬の併用と比較して忍容性および有効性が優れ、ベネフィット・リスクのプロファイルが良好であることが、ドイツ・ハンブルク・エッペンドルフ大学医療センターのKristian Reich氏らが実施した「AD Up試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2021年5月20日号で報告された。  本研究は、日本を含む22ヵ国171施設が参加した二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験であり、2018年8月~2019年12月の期間に参加者の無作為化が行われた(米国・AbbVieの助成による)。

皮膚がん再発率、広範囲切除術vs.モース手術vs.段階的切除術

 頭頸部皮膚がんの再発率について、術式による違いはあるのか。米国・インディアナ大学のPeter G. Bittar氏らはシステマティックレビューとメタ解析により、広範切除術(WLE)とモース顕微鏡手術(MMS)または段階的切除術の術後再発率を調べた結果、MMSまたは段階的切除術のほうがWLEと比べて再発率が低いことが示された。これまでに、異なる術式を比較した前向き試験は行われておらず、研究グループは各術式後の局所再発率を明らかにする目的で本検討を行った。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2021年5月4日号掲載の報告。

痒みの悩みは軽そうでじつは重い問題/マルホ

 マルホ株式会社は、同社の実施した「頭皮トラブルを抱える生活者実態調査の結果」がまとまったことから「頭部の皮膚炎特有の悩みがもたらすQOL への影響と治療法の広がり」をテーマにWEB上でメディアセミナーを開催した。  セミナーでは、調査結果の概要とともに最新の頭部皮膚炎の治療法などの説明が行われた。  はじめに「頭皮トラブルを抱える患者の実態とQOLへの影響」をテーマに江藤 隆史氏(あたご皮フ科 副院長)が講演を行った。

進行悪性黒色腫患者におけるオプジーボ・イピリムマブ併用療法、6.5年の追跡調査(CheckMate-067)/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2021年5月20日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法およびオプジーボ単剤療法が、イピリムマブ単剤療法と比較して、ファーストライン治療の進行悪性黒色腫患者において生存期間の持続的な改善を示した無作為化二重盲検第III相CheckMate-067試験の新たな6.5年データを発表した。  最短6.5年の追跡調査において、ニボルマブ・イピリムマブ併用療法の全生存期間(OS)中央値は72.1ヵ月であった。これは進行悪性黒色腫に対する第III相試験において報告された最長のOSの中央値である。ニボルマブ単剤群のOS中央値は36.9ヵ月、イピリムマブ単剤群では19.9ヵ月であった。また、ニボルマブ・イピリムマブ併用群の6.5年無増悪生存(PSF)率は34%(中央値11.5ヵ月)、ニボルマブ単剤群では29%(中央値6.9ヵ月)、イピリムマブ単剤群では7%(中央値2.9ヵ月)であった。追跡調査で生存していた併用群患者のうち、77%(145例中112例)が無治療であり、その後の全身療法を受けていなかった。同様の患者の割合は、ニボルマブ単剤群で69%(122例中84例)、イピリムマブ単剤群では43%(63例中27例)であった。

BRCA変異、免疫チェックポイント阻害薬のバイオマーカーとなるか

 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の効果に関するバイオマーカーとしては、腫瘍遺伝子変異量(TMB)、PD-L1発現、DNAミスマッチ修復機能欠損が知られている。一方、BRCA1およびBRCA2はDNA修復において重要な役割を果たすが、免疫療法においてこれら遺伝子変異の役割は不明のままである。今回、米国・University of Oklahoma Health Sciences CenterのZhijun Zhou氏らは、BRCA1/2の変異がTMBに関連していると仮説を立て、コホート研究を実施した結果、TMBと組み合わせたBRCA2変異が、ICI治療のバイオマーカーとなる可能性が示唆された。JAMA Network Open誌5月3日号に掲載。

抗LAG-3抗体relatlimab+二ボルマブ、未治療の悪性黒色腫の第III相データを提示/BMS

 ブリストルマイヤーズスクイブは、2021年5月29日、第II/III相RELATIVITY-047試験の結果を発表した。ニボルマブと抗LAG-3抗体relatlimabの固定用量の組み合わは、未治療の切除不能悪性黒色腫において、ニボルマブ単独と比較して、統計的に有意かつ臨床的に意味のある無増悪生存期間(PFS)の改善を示した。  同試験における併用療法患者のPFS中央値は10.12ヵ月であったのに対し、ニボルマブ単剤では4.63ヵ月と、併用群で有意に良好であった(HR:0.75、95%CI:0.62~0.92、p=0.0055)。PFS改善は早期に観察され、時間経過しても一貫していた。PFS改善は、事前に指定されたサブグループおよび層別化因子にかかわらず認められた。