米国の臓器移植を受けたレシピエント(OTR)における皮膚がんリスクについて、米国・ペンシルベニア大学のMackenzie R. Wehner氏らによる、10年間にわたる電子健康記録(EHR)と医療費支払いデータをレトロスペクティブに解析した結果が報告された。
移植後に少なくとも1回の皮膚がん治療を受けていたOTRは4.5~13.3%で、そのうち約半数が2年以内に2次皮膚がんを発症しており、約20人に1人が10以上の皮膚がんを発症していたことが明らかになったという。これまでOTRにおける複数原発皮膚がんのリスクに関する報告は限定的であったが、今回得られた結果を踏まえて著者は、「複数の原発皮膚がんリスクが最も高いOTRを特定することが、予防と早期発見のターゲット戦略に寄与する可能性がある」と述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2021年10月20日号掲載の報告。