厚生労働省は、2021年12月に公開した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(暫定版)」を改訂、新たに「新型コロナウイルス感染症(COVID19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版)」を4月28日に発表し、全国の自治体や関係機関などに周知を行った。
今回の改訂では、神経症状と精神症状はそれぞれ別の章とし、皮膚症状の章を新設したほか、各章が共有の小項目の見出しとなった。また、内容としてかかりつけ医などがどの範囲まで対応し経過観察するのか、どのタイミングで専門医・拠点病院の受診を勧めるのかなどについて、各症状(呼吸器、循環器、嗅覚・味覚、神経、精神、痛み、皮膚ごと、また、小児への対応、さまざまな症状に対するリハビリテーション)について記載を行った。
なお、本別冊(第1版)は、2022年4月現在の情報を基に作成しており、今後の知見に応じて、内容に修正が必要となる場合がある。厚生労働省、国立感染症研究所などのホームページから常に最新の情報を得る必要があるとしている。
■目次と主な改訂点
1)罹患後症状
・代表的な罹患後症状の図を追加
・今後の課題の内容を大きく改訂
2)罹患後症状を訴える患者へのアプローチ
・CDCの見解などを追加
3)呼吸器症状へのアプローチ
※以下の各診療領域のアプローチでは共通項目として「1.はじめに」、「2.科学的知見」、「3.症状へのアプローチ」、「4.フォローアップすべき所見・症状」、「5.プライマリケアのおけるマネジメント」、「6.専門医・拠点病院への紹介の目安・タイミング」、「7.専門医・拠点病院でのマネジメント」に内容が整理され、表記されている。
4)循環器症状へのアプローチ
5)嗅覚・味覚症状へのアプローチ
6)神経症状へのアプローチ
・COVID-19罹患後に遷延する症状の表を追加
・診療フローチャートの図を追加
・難治性症例の追加
7)精神症状へのアプローチ
8)“痛み”へのアプローチ
・SARS-CoV-2感染による疼痛発症機序と考えられるメカニズムを追加
・筋痛、関節痛などの症状の変化の図を追加
9)皮膚症状へのアプローチ(新設)
・診療のフローチャートを掲載
・COVID-19関連皮膚症状の臨床的特徴、病理組織学的所見、全身症状の重症度、治療法の選択についてのまとめ一覧を掲載
10)小児へのアプローチ
・診療のフローチャートを追加
11)罹患後症状に対するリハビリテーション
・診療のフローチャートを追加
12)罹患後症状と産業医学的アプローチ
・具体的な事例4つを追加
(ケアネット 稲川 進)