糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:109

尿崩症診断、コペプチン測定が従来法を上回る精度/NEJM

 尿崩症の診断について、間接水制限試験と比べて高張食塩水負荷試験による血漿コペプチン値測定のほうが診断精度は高いことが、ドイツ・ライプチヒ大学のWiebke Fenske氏らによる検討の結果、示された。間接水制限試験は、現行参照すべき基準とされているが、技術的に扱いが難しく、結果が不正確である頻度が高い。研究グループは、尿崩症にアルギニンバソプレシンが関与していることから、アルギニンバソプレシン前駆体由来の代替マーカーである血漿コペプチンを測定する方法の有用性を検討するため、間接水制限試験と比較した。NEJM誌2018年8月2日号掲載の報告。

新規糖尿病治療薬imeglimin、日本での第III相試験の患者登録完了

 代謝性疾患の革新的な治療薬の研究開発に取り組んでいるフランスのバイオ医薬品企業POXEL SA(以下Poxel社)は、開発中の2型糖尿病治療薬imegliminの日本における第III相試験であるTIMES 1試験の患者登録が2018年7月3日に完了したことを発表した。本剤に関して、今年6月の第78回米国糖尿病学会(ADA)のサイエンスセッションで、前臨床モデルにおけるimeglimin独自の作用機序に関連した新規知見が発表されている。

アスピリンの効果、用量や体重で大きな差/Lancet

 アスピリンの血管イベントやがんの抑制効果には、用量や患者の体重によって大きな差があり、良好な効果を得るには、より個別化された治療戦略を要することが、英国・オックスフォード大学のPeter M. Rothwell氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2018年7月12日号に掲載された。全例に同一用量を一律に投与するone-dose-fits-allアプローチでは、アスピリンの長期的な心血管イベントの予防効果はわずかであり、標準的な用量は体が大きい患者には過少で、小さい患者には過剰であることが報告され、他のアウトカムについても同様である可能性が示唆されている。

ファブリー病に世界初の経口治療薬が登場

 2018年7月7日、アミカス・セラピューティスク株式会社は、同社が製造・販売する指定難病のファブリー病治療薬のミガーラスタット(商品名:ガラフォルド)が、5月に承認・発売されたことを期し、「ファブリー病治療:新たな選択肢~患者さんを取り巻く環境と最新情報~」と題するメディアラウンドテーブルを開催した。

メトホルミン継続 vs.SU薬、心血管・低血糖リスクは/BMJ

 2型糖尿病の第2選択薬としてのSU薬の使用は、メトホルミン単独使用継続の場合と比べて、心筋梗塞、全死因死亡、および重症低血糖のリスクを増大することが示された。また、メトホルミンから完全に切り替えるよりも、上乗せ投与としたほうが安全と思われることも示されたという。カナダ・Jewish General HospitalのAntonios Douros氏らによる住民ベースコホート研究の結果で、BMJ誌2018年7月18日号で発表された。SU薬に関してはこれまで、第1選択薬として、あるいは他の第2選択薬である抗糖尿病薬と比較した安全性(心血管系および低血糖)は検討されていた。今回、研究グループは、SU薬の上乗せまたは切り替えと、メトホルミン単独継続の場合を比較した安全性の評価を行った。

糖尿病入院患者の血糖コントロールは人工膵臓で自動化されるか?(解説:住谷哲氏)-893

糖尿病患者数の増加に伴って糖尿病を合併した入院患者の割合も増えている。その結果、筆者も含めて多くの先生方は、血糖コントロール目的以外で他科に入院している患者の血糖コントロールを依頼されることになる(大阪では共観といいます)。ほとんどの患者は感染症、心不全などの治療や手術目的の入院であり、その血糖コントロール目標も<180mg/dLとほぼ確立している。また治療法も基本は持効型インスリンと超速効型インスリンによるBasal-bolus therapyになる。食事をしている患者であれば毎食前および就眠前の4回の自己血糖測定を実施してインスリン量を調節する。これが研修医にとっての大切なトレーニングになっているのであるが、将来このトレーニングも不要になるかもしれないような報告である。

オキシントモジュリン作動薬の臨床応用(解説:吉岡成人氏)-890

インクレチン作動薬として2005年に米国で承認・発売されたGLP-1受容体作動薬であるエキセナチドは、糖尿病の治療に大きな変革をもたらした。エキセナチドが登場し、わずか数年の期間で多くのGLP-1受容体作動薬やDPP-4阻害薬が発売され、毎日の臨床の現場で使用されている。そのような中で、インクレチンの1つであるオキシントモジュリンの臨床応用についての論文がLancet誌に掲載された。

エキストラヴァージンオリーブオイルまたはナッツ強化地中海食の順守は心血管病ハイリスクを有するも未発症のコホートにおけるイベント抑制に有用!(解説:島田俊夫氏)-889

地中海食はこれまで広く心血管病リスクを抑制する食事として受け止められてきた。本論文はスペイン国内多施設による心血管病ハイリスクで心血管病未発症、年齢55〜80歳、7,447名(女性57%)のコホートを対象にカロリー制限のない(1)エキストラヴァージンオリーブオイル強化地中海食群、(2)ミックスナッツ強化地中海食群、(3)低脂肪コントロール食群の3群にランダムに割り付け、約5年間追跡した。ところが無作為割り付け後、一部の世帯で割り付け逸脱が発生した。この事実の判明以前に、採択・掲載済み論文2)は解析に不備があると判断し、疑いを含めた1,558名を除外して新たに行った解析結果は以前の結果と一致を認めたけれども、掲載済み論文は自主的に掲載を撤回した。