グラルギンU100使用中の1型糖尿病患者は低血糖を回避するためにデグルデクにSWITCHすべきか?(解説:住谷 哲 氏)-711
DCCTおよびその後の延長試験であるEDICにおいて、厳格な血糖管理が1型糖尿病患者の細小血管障害および長期的には動脈硬化性心血管病(ASCVD)さらには総死亡を減少させることが明らかにされた。つまり1型糖尿病患者においては可能な限り正常血糖を目指す厳格なコントロールが望ましいといえる。しかし厳格な血糖管理は低血糖とのtrade-offであり、現実には可能な限り低血糖(とくに第三者の介助を必要とする重症低血糖 severe hypoglycemia)を生ずることなく血糖をコントロールすることが目標となる。将来的にclosed-loop insulin delivery systemまたは膵β細胞の再生が現実となればこの問題は解決するであろうが、当面は基礎インスリン(basal insulin)と食事インスリン(bolus insulin)からなるbasal-bolus therapy(BBT)を用いて、インスリン量を患者に応じて調節していくことになる。