20歳頃~中年での体重増、慢性疾患リスクを増大/JAMA 20歳前後から55歳にかけて体重が2.5~10.0kg増加した人は、ほぼ安定していた人に比べ、2型糖尿病や高血圧症、心血管疾患などの発症リスクが有意に高く、慢性疾患や認知機能・身体的障害などを有さずに健康な状態で年を重ねられる割合は低減することがわかった。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のYan Zheng氏らが、看護師健康調査(Nurses’ Health Study:NHS)と医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-Up Study:HPFS)を基に行ったコホート研究の結果で、JAMA誌2017年7月18日号で発表した。
糖尿病患者の野菜摂取習慣と夜間頻尿が逆相関 日本人の2型糖尿病患者において、野菜摂取習慣と夜間頻尿との間に逆相関が認められたことを愛媛大学の古川 慎哉氏らが報告した。愛媛県内の関連病院による多施設共同研究である道後Studyの研究。Journal of diabetes investigation誌オンライン版2017年7月1日号に掲載。
デグルデクvs.グラルギン、2型糖尿病低血糖リスクに違い/JAMA 2型糖尿病患者において、基礎インスリン デグルデク(以下、デグルデク)はインスリン グラルギンU100(以下、グラルギン)と比較して、低血糖発現頻度の低下と関連することが示された。米国・ワシントン大学のCarol Wysham氏らによる無作為化試験「SWITCH 2」の結果で、JAMA誌2017年7月4日号で発表された。インスリン治療を受ける2型糖尿病患者において、低血糖は重大なリスクであり血糖コントロールに負の影響を及ぼす。
1型糖尿病の低血糖リスク、デグルデク vs.グラルギン/JAMA 1型糖尿病患者において、低血糖は良好な血糖コントロールの大きな障壁であり、重大な低血糖は昏睡や死亡につながるおそれがある。米国・Mountain Diabetes and Endocrine CenterのWendy Lane氏らは、1型糖尿病患者における症候性低血糖の発現について、インスリン デグルデク(以下、デグルデク)とインスリン グラルギンU100(以下、グラルギン)を比較した無作為化試験「SWITCH 1」で、デグルデクによる32週間の治療はグラルギンと比較して、症候性低血糖の発現を低下させることを明らかにした。JAMA誌2017年7月4日号掲載の報告。
ACC/AHAガイドラインの費用対効果を他ガイドラインと比較 2013年改訂の米国心臓病学会/米国心臓協会(ACC/AHA)の脂質異常症管理ガイドラインでは、アテローム性心血管疾患の1次予防のためのスタチン使用の推奨が拡大されたが、その費用対効果について他のガイドラインとの比較はなされていない。今回、米国・マウントサイナイ医科大学のDavid J. Heller氏らが費用対効果を比較したところ、ACC/AHAガイドラインは、集団レベルでは男女共により多くの人々を治療し、より多くの命を救い、費用はATP IIIガイドラインより削減されると推計された。個人レベルではスタチンの長期使用から恩恵を受けるかどうかは、心血管リスクの程度よりも錠剤数の負担(pill burden)による負の効用(disutility)に大きく左右されるという。Circulation誌オンライン版2017年7月7日号に掲載。
高力価スタチンで糖尿病発症リスク2.6倍 脂質降下薬が糖尿病発症に関連するかどうか調べるために、日本大学薬学部の大場 延浩氏らが、脂質異常症の日本人労働者約7万例を対象とした後ろ向きコホート研究を実施した。その結果、糖尿病の臨床的危険因子の調整後も、スタチン使用により糖尿病発症リスクが1.9~2.6倍に増加したことが示された。BMJ open誌2017年6月30日号に掲載。
中国人における糖尿病、前症含めると約5割に/JAMA 先行研究で中国の糖尿病有病率の上昇が示されていたが、同国は今や世界最大の糖尿病蔓延国であることが明らかになった。2013年時点で、中国本土の成人における糖尿病有病率は10.9%、糖尿病前症有病率は35.7%と推定されたという。中国疾病予防管理センターのLumin Wang氏らが、3年ごとに実施している慢性疾患とリスク因子サーベイランス調査(China Chronic Disease and Risk Factors Surveillance study)の2013年の結果を報告したもので、JAMA誌2017年6月27日号で発表した。なお、同調査では、糖尿病および糖尿病前症の推定有病率は、中国の民族によって異なることも明らかにされている。これまで、中国の少数民族の糖尿病有病率を調べた疫学研究はほとんどなかった。
DEVOTE 試験の臨床的意義 2型糖尿病治療、とくにインスリン治療において低血糖管理は重要な問題だ。重症低血糖は心血管イベントリスク増加に関与し、患者さんの心理的負担も大きい。臨床でも、低血糖リスクの低いインスリン製剤を選択することが重要となる。これに関して今後の薬剤選択に影響を与えるデータが先日、ADAで発表された。心血管系リスクの高い2型糖尿病患者を対象にしたDEVOTE試験である。
カナグリフロジンによる心血管・腎イベントの抑制と下肢切断、骨折の増加(解説:吉岡 成人 氏)-694 SGLT2阻害薬であるエンパグリフロジンが、心血管イベントの既往がある2型糖尿病患者において心血管死、総死亡、さらに腎イベント(顕性腎症の発症、血清クレアチニン値の倍増、腎代替療法の導入、腎疾患による死亡)を抑制するとEMPA-REG OUTCOME試験およびそのサブ解析で示されて以降、カナダ糖尿病学会、米国糖尿病学会の提唱するガイドラインでは、心血管リスクの高い患者におけるSGLT2阻害薬の使用を推奨している。
BMI正常でも低体重で生まれた女性の糖尿病に注意 出生時体重は成人発症型糖尿病(DM)の胎児決定因子とみなされているが、BMIとの関連における公衆衛生上の重要性は不明である。今回、国立がん研究センターの片野田 耕太氏らが実施した女性看護師コホートでの研究で、出生時体重およびその在胎期間でのパーセンタイルスコアが成人発症型DMと関連すること、またBMIが正常低値の女性において出生時体重が2,500g未満だった人は成人発症型DMリスクが高いことが示唆された。Journal of epidemiology誌オンライン版2017年6月20日号に掲載。