糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:196

糖尿病に対する積極的な降圧はどの程度のベネフィットをもたらすか ーメタアナリシスよりー

 McBrien氏らは、2型糖尿病に対する積極的な降圧は、脳卒中発症のリスクをわずかに減少させることができるが、死亡リスク、心筋梗塞発症リスクを減少させられないことを、無作為化比較試験のメタアナリシスより示した。Arch Intern Med誌に発表されたこの解析結果は、8月6日よりONLINE FIRSTとして公開されている。

早期糖尿病患者に対するインスリン グラルギン

糖尿病予備軍および早期糖尿病患者1万2,500例超を長期追跡した「ORIGIN」試験グループは、インスリン グラルギン(商品名:ランタス)による6年超にわたる空腹時血糖正常化の心血管およびその他のアウトカムへの影響について発表した。心血管アウトカムとがんへの影響は中立的であったこと、低血糖エピソード増とわずかな体重増は認められたが糖尿病の新規発症は減少したという。結果を踏まえて研究グループは、さらに血糖正常化の微細血管などへの影響について検討する必要があるが、現段階ではインスリン グラルギンの標準療法としての位置づけ変更を支持しないとする見解を示している。NEJM誌7月26日号(オンライン版2012年6月11日号)掲載より。

n-3脂肪酸、2型糖尿病患者の心血管イベント予防効果認められず

 心筋梗塞や心不全患者において心血管イベント予防効果が示唆されている魚油に豊富なn-3脂肪酸について、2型糖尿病患者またはそのリスクを有する患者について検討した結果、心血管イベントの有意な減少はみられなかったことが報告された。糖尿病予備軍および早期糖尿病患者1万2,500例超を長期追跡する「ORIGIN」試験グループが報告した。NEJM誌7月26日号(オンライン版2012年6月11日号)掲載より。

運動不足の解消で寿命が0.68年延長

冠動脈心疾患や糖尿病、がんなどの主な非伝染性疾患の6~10%が運動不足に起因し、運動不足が解消されれば寿命が0.68年(約8ヵ月)延長することが、米国ハーバード大学医学校ブリガム・アンド・ウェイメンズ病院のI-Min Lee氏らLancet Physical Activity Series Working Groupの調査で明らかとなった。運動不足は、冠動脈心疾患、2型糖尿病、乳がん、結腸がんなどの非伝染性疾患のリスクを増大させ、余命を短縮することを示す高度なエビデンスが存在する。多くの国では国民の運動不足が指摘されているため、運動不足と非伝染性疾患の関連は保健医療上の重要な課題となっている。Lancet誌2012年7月21日号(オンライン版2012年7月18日号)掲載の報告。