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聖路加GENERAL 【Dr.香坂の循環器内科】

香坂俊先生が心雑音、呼吸困難、CABなどの腎疾患を見逃さない診断方法を解説します。

シリーズ名
聖路加GENERALシリーズ
診療科
循環器内科/心臓血管外科 
収録内容
第1回「階段がつらいのは歳のせい ? 」
第2回「夜間の呼吸困難は花粉症のせい ? 」
第3回「心雑音と言われたのですが元気なんです」
第4回「ためらってはいけないCAB」
講師
徳田 安春 岡田 正人 岸本 暢將 香坂 俊
収録時間
131 分
価格
11,000円(税込)
発行日
2012-02-13
商品コード
CND0169

第1回「階段がつらいのは歳のせい ? 」


地下鉄階段昇降時などに胸部圧迫感を感じるようになった50歳男性。他の領域の胸痛疾患に比べてリスクの高い場合が多い循環器疾患。まずは、この患者が循環器疾患かどうかを確かめることが重要です。胸痛の鑑別において大切なのは、1にも、2にも問診です。問診は、3つのポイントをおさえればOK。
このような典型的な狭心症患者の他、顎が痛い、歯が痛いと訴えてくる患者さんも放散痛によるもので、実は心筋梗塞や狭心症だった、という非典型的な例もOPQRST3Aを使って解説していきます。
また、胸痛においては、ACS(急性冠動脈症候群)という概念が重要になってきます。その診断方法についても詳しくお伝えします。

第2回「夜間の呼吸困難は花粉症のせい ? 」
数年前から動悸を自覚していた44歳の男性。夜間に呼吸困難が出るようになり、起き上がってもすぐには改善しなくなってしまいました。
呼吸困難の原因はさまざまですが、起き上がっても改善しないなど心疾患が疑われます。特に、発作性夜間呼吸困難や起座呼吸は、心不全である確からしさが高い症状です。頚静脈、心音などの身体所見、X線、心エコーなどの画像診断、血液検査として有用性の高いBNPによって心不全であるかどうかを確認した結果、この男性は心不全であることがわかりました。そして、その原因については驚くべき事実が・・・。
III音の聞き分け方、薬剤の使い方については「北風と太陽」を引用するなど、香坂先生ならではのユニークな講義が展開されます。

第3回「心雑音と言われたのですが元気なんです」
長い間微熱が続いたため、病院を訪れた62歳の男性。健診で「心雑音がある」と言われましたが、スポーツもこなし元気に過ごしていました。
心雑音をみたときには、まず経過観察でよいものか、それともすぐに処置が必要なものかを見分ける必要があります。最強点がどこにあるのか、収縮期か拡張期か、収縮期であれば駆出性か逆流性かという鑑別が重要になります。この患者は2年後に症状が出始め、重症のMRと診断され、手術を受けることになりました。重症のMRは、10年以内に死亡、または手術を実施する確率が90%と高く、フォローが重要となります。ポイントは、重症度によってスパンを短くして、心不全症状やEFの低下がないかなどを慎重に観察することです。また、僧帽弁、大動脈弁治療に関して、最新の弁膜症手術も紹介していきます。

第4回「ためらってはいけないCAB」
最近動悸がするということで診療所を訪れた32歳男性。待合室で診察を待っている時、突然倒れて心肺停止状態になってしまいました。
今まで心肺停止というと、まずA(気道確保)、続いてB(人工呼吸)の後、C(心臓マッサージ)という手順が常識でしたが、ACLSのプロトコル改訂により、ABCからCABと変わってきました。すなわち、なにはなくとも即座に心臓マッサージを!ということです。そこで、本来求められる心肺蘇生法に対し、病院外で行われるCPRの現状や、心臓マッサージの基本原理をしっかりと見直していきます。また、改訂で変更された薬剤、その効果や投与のタイミングについても具体的に紹介します。
心肺蘇生後は患者の状態をよくみて判断していくことが重要となりますが、具体的に何をすべきか、また、突然死を防ぐための方法、心電図から突然死の確率が高い疾患の読み方についてもご紹介します。

徳田 安春 ( とくだ やすはる )氏 臨床研修病院群プロジェクト 群星沖縄センター長

1988年琉球大学医学部卒業。沖縄県立中部病院にて研修後、沖縄県立八重山病院内科、 Dartmouth Hitchcock Medical Center(GIM fellow)、沖縄県立中部病院総合内科、 聖路加国際病院一般内科・聖ルカ・ライフサイエンス研究所臨床疫学センター、筑波大学大学院人間総合化学研究科 臨床医学系教授を経て 2017年より現職 。ハーバード大学大学院MPH、医学博士、米国内科学会上級会員、日本内科学会総合内科専門医。 著書に『新・総合診療医学』『バイタルサインでここまでわかる!OKとNG』(ともにカイ書林)。 『アセスメント力を高める! バイタルサイン 』(医学書院)など多数。

岡田 正人 ( おかだ まさと )氏 聖路加国際病院 Immuno-Rheumatology Center 部長・センター長

1991年より米国のニューヨーク・ベスイスラエルメディカルセンターにて内科研修後、1994年よりイェール大学病院にてリウマチ膠原病内科とアレルギー臨床免疫科にて専門研修。1997年から仏国のパリ第5大学医学部およびNYコーネル大学の関連病院にてセクションチーフを8年間務めたのち帰国し2006年より現職。京都大学大学院、東京大学医科学研究所、大分大学非常勤講師、愛知医科大学客員教授。Yale Physician-Scientist Award、ACR Senior Rheumatology Scientist Award受賞。米国内科・リウマチ膠原病内科・アレルギー臨床免疫科(成人・小児)専門医。在仏中はル・コルドン・ブルーのワイン講座に通い、現在もワインセラーには500本以上を貯蔵するワイン通。

岸本 暢將 ( きしもと みつまさ )氏 杏林大学医学部付属病院 腎臓・リウマチ膠原病内科 准教授

米国内科専門医、米国リウマチ膠原病科専門医。 1998年北里大学卒業後、沖縄県立中部病院初期研修、在沖縄米国海軍病院インターンを経てハワイ大学内科レジデンシー。ベストインターン賞、ベストレジデント賞受賞。ニューヨーク大学リウマチ科フェローシップを経て2006年8月より亀田総合病院リウマチ膠原病内科。2009年 8月より聖路加国際病院 アレルギー・膠原病センター副医長、2012年より医長。2019年より現職。東京大学アレルギー・リウマチ内科、東京医科歯科大学臨床医学教育開発学非常勤講師。2006年米国リウマチ学会Distinguished Fellow賞受賞。Bulletin of the NYU Hospital for joint diseases誌編集委員。

香坂 俊 ( こうさか しゅん )氏 慶應義塾大学 循環器内科 准教授

慶應義塾大学卒業。1999年から10年ほど米国にて内科、循環器内科の臨床業務に従事。 2008年に帰国し、医学教育や臨床研究に携わる。 著書に『極論で語る循環器内科』(丸善出版)、『循環器診療プライマリ・レファレンス』(文光堂)、『もしも心電図が小学校の必修科目だったら』(医学書院)、『循環器急性期診療』(MEDSI)、『みんなで解決!病棟のギモン 研修医のリアルな質問に答えます』(羊土社)ほか。