第4回「ココで差がつく腹部診察(2) 肝臓・胆嚢・脾臓編」
消化器系、泌尿器系、生殖器系などの諸器官が集まる腹部の診察では、視診、聴診、打診、触診を基本的手技として、それぞれの関連性を保ちながら判断することが重要です。
腹部診察
のテーマは、肝臓・胆嚢・脾臓の診察法。“沈黙の臓器”といわれる肝臓は、病変が進行していても、自覚症状がほとんどないケースも多く、的確な身体診察の実践が大きな差を生みます。しかし、不用意な触診は疼痛や血管破裂を起こすこともあり、大きな危険をはらんでいます。そこで、安全で確実な診察方法を、基本からもう一度見直してみましょう。また、叩打診の手順やMurphy徴候の評価についても具体的に検証していきます。
第5回「ココで差がつく視診」
『視診』は、気を付けているつもりでも、意外と忘れがちな診察です。患者さんの病的所見にとどまらず、ちょっとした仕草や表情、話し方などを普段から意識して観察するよう心がければ、多くの貴重な情報が得られるようになります。
ベッドサイドで患者さんと話をしただけのときも、視診情報をカルテに正確に記載することが大切です。そこには問診や他の診察では分からない患者さんの訴えが隠れているのです。患者さんは「どのようなことを伝えたいのか?」「どのような表現で伝えようとしているのか?」
いつもやっているはずの視診、いつでもできるはずの視診をもう一度見直し、患者さんを“視る”ポイントを検証して今日の医療に役立ててみましょう。
第6回「スクリーニング診察〜考え方とその手順」
入院時や外来初診時、そして異常を見つけられないケースなど、全身検索が必要な場面は日常数多く存在します。“スクリーニング診察”は、病態と直接関係がないケースを含めて、自覚症状が出にくい部分の異常を発見するためのアプローチです。また、患者の病態に焦点を当てる“重点診察”では予測できなかった主病態の発見、治療薬選択の際の副作用の予測など、以後起こり得るあらゆる身体変化の診断基準となり得るため、安全で質の高い医療の実現のために不可欠な診察です。
まずは、視診、頭頸部、胸部、腹部を中心に、その考え方と実践法をお届けします。
第7回「スクリーニング診察〜神経診察」
スクリーニング診察〜神経診察では、視野診察における心理学的アプローチ、眼球運動・対光反射の評価ポイント、眼底鏡の使い方、三叉神経の障害に対する顔面痛覚の検査法などをお届けします。