※第1巻は「激辛!伊賀流心臓塾(第1巻)≪増補改訂版≫」となります。
第9回「非専門医のための心エコー講座」
研修医、非専門医が、自ら心エコーをきれいに描出したり読影したりする必要はないかも知れませんが、少なくとも専門医や検査技師の話を理解できること、またエコーの有用性と限界を知っておくことは重要です。
加えて、「3つの診断技術はぜひ身につけて欲しい」と伊賀先生。それは、(1)大量の心嚢水(2)著明な右室負荷(3)高度な左室壁運動異常、これら3点が見つけられることです。
この回では、心エコーのプローブを使わずに、通常のエコー・プローブだけで3点をみる方法を紹介。また、非専門医であってもぜひ知っておきたい心エコーの知識を詳しく解説します。
第10回「心雑音を指摘された無症状の患者さん」
収縮期雑音を初めて指摘されるも、自覚症状のない64歳女性の症例からディスカッションを開始します。心尖部で3/6度の汎収縮期雑音が聴取され、肺部でも聴取されますが、頚部での雑音は聴取せず。レントゲンと心電図は問題なしという患者さんです。まずは、循環器非専門医として、心雑音の聴取はどこまで出来なければならないか、そして聴取された心雑音の起源についてどう考えるか、可能性のある疾患の中からどのように絞り込んでいくかなど、詳しく解説していきます。
また、大動脈弁閉鎖不全や、僧帽弁閉鎖不全について非専門医が知っておくべき知識や鑑別の方法についても取り上げます。
第11回「大動脈弁閉鎖不全症」
最近の心エコー機器の普及・高性能化に伴い、本来は治療不要な軽症の患者さんであっても、ドプラでARシグナルが出現するため、いたずらに不安に陥らせる例が後を絶ちません。機器の診断結果をそのまま鵜呑みにするのではなく、手術施行すべき高度のARなのか、経過観察すべき中等度か、あるいは臨床上有意でないものなのかどうかを見極めることは、一般医の責任です。
そこで、一般医における大動脈弁閉鎖不全症(AR)の重症度評価を中心に、病因や鑑別すべき類似の疾患など、勘所を詳しく解説します。