消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:128

太り過ぎの期間が10年増えるとがんリスクが1.4倍

 欧米の8つのコホート研究の約33万人について、高齢者のがん発症リスクにおける過体重の期間・程度の影響について検討したところ、長期間の過体重が有意にがん発症と関連することを、国際がん研究機関(IARC、本部:フランス・リヨン)のMelina Arnold氏らが報告した。European journal of epidemiology誌オンライン版2016年6月14日号に掲載。

自殺リスクの高い胃がん患者の特性は

 胃がん患者の自殺リスクは米国一般住民の約4倍で、診断から3ヵ月以内が最も高いことがわかった。さらに「男性」「白色人種」「独身」「遠隔転移のある病期」が有意に自殺リスクの増加と関連していた。東海大学医学部付属八王子病院放射線治療科の菅原 章友氏らが報告した。Japanese journal of clinical oncology誌オンライン版2016年6月15日号に掲載。

B型肝炎の母子感染予防、テノホビルが有効/NEJM

 B型肝炎e抗原(HBeAg)陽性で、HBV-DNA量20万IU/mL超の妊婦に対し、妊娠30~32週からテノホビル・ジソプロキシル・フマル酸塩(TDF)の経口投与を始めると、母子感染率は低下することが示された。米国・ニューヨーク大学のCalvin Q.Pan氏らが、妊婦200例を対象に行った無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2016年6月16日号で発表された。

日本人の膵がん術後補助化学療法、S-1 vs.GEM/Lancet

 日本人膵がん患者の切除後の補助化学療法は、S-1が標準治療となりうることが示された静岡県立静岡がんセンターの上坂克彦氏らによる「JASPAC-01」の結果が、Lancet誌オンライン版2016年6月2日号に掲載された。本検討においてゲムシタビンに比べS-1補助化学療法により死亡リスクが約4割低下することなどが示された。膵がん術後の補助化学療法はゲムシタビンが標準治療とされているが、今回の試験では、死亡リスクについてS-1のゲムシタビンに対する非劣性のみならず優越性も示された。

失業とがん死亡の関連:世界銀行とWHOのデータから/Lancet

 失業率上昇はがん死亡率上昇と関連する。しかし、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC;http://uhcday.jp)はこの影響を阻止することが可能である。また、公的保健医療支出の増加はがん死亡率の低下と関連していることを、英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのMahiben Maruthappu氏らが、がん死亡率と失業率、公的保健医療支出との関連、ならびにUHCの影響を調査する縦断的研究の結果、報告した。世界経済危機は、失業率の増加、および公的保健医療支出の減少と関連することが知られる。これまでそれに関して、がん転帰との関連を分析した研究はほとんどなかった。Lancet誌オンライン版2016年5月25日号掲載の報告。