消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:140

フルオロキノロンは重篤不整脈リスクを増大しない/BMJ

 経口フルオロキノロン系薬の服用は、重篤な不整脈リスクを増大しない。これまでとは異なる所見が得られたことを、スウェーデン・ルンド大学のMalin Inghammar氏らがコホート研究の結果、報告した。デンマークとスウェーデンの2国住民を対象に、経口フルオロキノロン治療の関与を、不整脈誘発作用のないペニシリンV使用との比較で調べた結果、明らかになったものだという。BMJ誌オンライン版2016年2月26日号掲載の報告。

過敏性腸症候群に新たな光が(解説:内藤 正規 氏)-493

過敏性腸症候群は、日本人の約10~15%に認められる頻度の高い疾患であり、消化器症状により受診する人の約3割を占めるといわれている。内視鏡検査や血液検査で明らかな異常がないにもかかわらず、腹痛や腹部不快感を伴う便秘や下痢が長く続き、多くの人々を悩ませている。そのような人々に光を差す可能性がある、下痢型の過敏性腸症候群に対しての新たな治療薬である混合型オピオイド作用を有する製剤eluxadolineの有効性を示す第III相試験の結果が、Anthony J Lembo氏らのグループにより報告された。

インクレチン製剤で膵がんリスクは増大するか/BMJ

 糖尿病治療薬であるインクレチン製剤による膵がんの発症リスクは、スルホニル尿素(SU)薬と変わらないことが、カナダ・マギル大学のLaurent Azoulay氏らが行ったCNODES試験で確認された。研究の成果は、BMJ誌オンライン版2016年2月17日号に掲載された。インクレチン製剤は低血糖のリスクが低く、体重への好ましい作用があるが、膵がんとの関連が示唆されている。インクレチン製剤の膵がんリスクについては、これまでに6件の観察研究があるが、結果は相反するものであり、方法論上の欠陥の指摘もあるという。

腹腔鏡下、腸間膜欠損部の閉鎖 vs.非閉鎖/Lancet

 腹腔鏡下胃バイパス手術における腸間膜欠損部について、閉鎖を支持する知見が示された。スウェーデン・オレブロ大学のErik Stenberg氏らが、12施設2,507例の患者を対象に行った多施設共同非盲検無作為化並行群間比較試験の結果、明らかにした。腹腔鏡下胃バイパス術後、頻度が高く重大な合併症として、内ヘルニアによる早期小腸閉塞がある。腸間膜欠損部の閉鎖を行うことで同発生が低下するかどうかは明らかにされていない。Lancet誌オンライン版2016年2月16日号掲載の報告。

第2回 東京医科歯科大学「がんを考える」市民公開講座/ブルーリボンキャラバン~もっと知ってほしい大腸がんのこと2016 in東京~【ご案内】

 東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター、同院腫瘍化学療法外科、同院大腸・肛門外科は、NPO法人キャンサーネットジャパンと共催で、2016年3月21日(月・祝)に、無料の市民公開講座を開催する。本講座は、がんに関するさまざまなテーマを取り上げる、東京医科歯科大学「がんを考える」市民公開講座の第2回で、毎年各地で行われている大腸がん疾患啓発活動「ブルーリボンキャラバン」との共同開催となる。総合司会は、フリーアナウンサーの中井 美穂氏。当日参加者にはもれなくオリジナルの「もっと知ってほしい大腸がんのこと」冊子をプレゼント。また、ブルーを身に着けて来場した方には粗品も用意されている。

大腸がんは肥満・高血圧・糖尿病と関連

 大腸新生物とアテローム性動脈硬化はどちらも内臓脂肪蓄積によって生じうる。しかし、進行期大腸がんと心血管/脳血管疾患との関連は不明である。東京大学の山地 裕氏らは、わが国における入院患者の全国データベースを用いて、肥満・代謝性疾患との関連からみた大腸がんと血管疾患との関連性を、非心臓性の胃がん患者(肥満・代謝性疾患に関連がないと考えられる)を基準として検討した。その結果、肥満と代謝性疾患は、胃がんと比べて大腸がんとの関連が強かったが、冠動脈疾患は大腸がんと逆相関していた。Digestive Diseases and Sciences誌オンライン版2016年2月1日号に掲載。