消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:141

大腸がんは肥満・高血圧・糖尿病と関連

 大腸新生物とアテローム性動脈硬化はどちらも内臓脂肪蓄積によって生じうる。しかし、進行期大腸がんと心血管/脳血管疾患との関連は不明である。東京大学の山地 裕氏らは、わが国における入院患者の全国データベースを用いて、肥満・代謝性疾患との関連からみた大腸がんと血管疾患との関連性を、非心臓性の胃がん患者(肥満・代謝性疾患に関連がないと考えられる)を基準として検討した。その結果、肥満と代謝性疾患は、胃がんと比べて大腸がんとの関連が強かったが、冠動脈疾患は大腸がんと逆相関していた。Digestive Diseases and Sciences誌オンライン版2016年2月1日号に掲載。

術後補助化学療法が有効なStageII大腸がんのバイオマーカー/NEJM

 StageII大腸がんのうち、腫瘍細胞にcaudal-type homeobox transcription factor 2(CDX2)の発現がみられない患者は再発リスクが高く、術後補助化学療法からベネフィットを得る可能性が高いことが、米国・コロンビア大学のPiero Dalerba氏らの検討で明らかとなった。高リスクStageII大腸がんの同定は、術後補助化学療法を要する患者の選択において重要とされる。マイクロアレイによる幹細胞や前駆細胞由来の多遺伝子発現解析が期待されているが、臨床での使用は困難だという。NEJM誌2016年1月21日号掲載の報告。

クラリスロマイシンと心血管リスク/BMJ

 抗菌薬クラリスロマイシンの使用は、心筋梗塞、不整脈および心臓死リスクの有意な増大と関連していることが、中国・香港大学のAngel Y S Wong氏らが行った住民ベース試験の結果、示された。ただしその関連は短期的なもので、長期的な関連は観察されなかったという。先行疫学研究で、クラリスロマイシンが重篤な心血管アウトカムのリスク増加と関連していることが示唆されていたが、リスクが短期的なものか長期にわたるのか不明であった。BMJ誌オンライン2016年1月14日号掲載の報告。

下痢型過敏性腸症候群、新規オピオイド受容体作動薬が有効/NEJM

 下痢型過敏性腸症候群(IBS)に対し、新規経口薬eluxadolineは男女を問わず下痢症状を軽減し新たな治療薬となりうることが、Anthony J. Lembo氏らによる2件の第III相試験(多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験)の結果、示された。100mgの1日2回投与で6ヵ月間の持続効果が確認された。eluxadolineは混合型オピオイド作用(μ/κオピオイド受容体アゴニストとδオピオイド受容体アンタゴニスト)を有する製剤。対プラセボの100mg、200mg用量(いずれも1日2回)の検討が行われた第II相試験では、200mg用量の効果に優位性はなく、むしろ有害事象が多かったことから、第III相試験では75mg、100mg用量について対プラセボの有効性(26週)、安全性(52週)を評価した。NEJM誌2016年1月21日号掲載の報告。

鼠径ヘルニア手術、代替低価格メッシュでもアウトカム同等/NEJM

 鼠径ヘルニアの修復に使用する合成メッシュについて、低価格の滅菌した蚊帳用メッシュを用いても、高額な市販軽量合成メッシュを使用した場合と術後1年の再発率や術後合併症リスクは、いずれも同等であることが明らかにされた。スウェーデン・ウメオ大学のJenny Lofgren氏らが、302例の男性患者を対象に行った試験で明らかにした。低・中所得国では、市販軽量メッシュは高価なため使えない患者も多く、滅菌した蚊帳用のメッシュが代替品として使われているという。ただしこれまでその治療アウトカムについて厳格な試験は行われていなかった。NEJM誌2016年1月14日号掲載の報告。

ニンニク油、潰瘍性大腸炎の保護薬として有望か

 ニンニク油(GO)は、ラットにおいてデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発性大腸炎を抑制し、その効果は抗酸化作用、抗炎症作用、免疫調節作用による可能性があることを、エジプト・タンタ大学のMohamed Balaha氏らが報告した。結果を踏まえて、著者らは、「GOが、潰瘍性大腸炎患者に推奨される有望な保護剤になりうる」とまとめている。Life Sciences誌オンライン版2016年1月9日号掲載の報告。

術後の栄養管理、診療科ごとの傾向と課題は?

 術後の栄養管理は、患者の回復に大きな影響を及ぼす。2010年より「栄養サポートチーム加算 200点(週1回)」の算定が可能となり、さまざまな病院で栄養サポートチーム(Nutrition Support Team、以下NST)の活動をはじめとした栄養管理に対する関心がますます高まっている。  そこで、今回は稲葉 毅氏(帝京大学医学部附属病院 外科)らによる、NSTなどの活動を通じて明らかになった各診療科の栄養管理における傾向と課題、さらにNSTの関わり方を考察した論文「外科系病棟の栄養管理 ―診療科による栄養管理の相違―」を紹介する。

難治性クロストリジウム、凍結 vs.新鮮便微生物移植/JAMA

 再発を繰り返す難治性クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)の治療として、便微生物移植(FMT)が有望視されているが、新鮮FMTの即時入手ができず介入に困難を来している。カナダ・マックマスター大学のChristine H. Lee氏らは、凍結-解凍タイプのFMT利用の可能性を探るため、新鮮FMTと比較する無作為化試験を行った。その結果、凍結FMTを用いた場合も、下痢症状の解消について非劣性であることが示され、著者は、「凍結FMTの使用は選択肢となることが示された」と報告している。JAMA誌2016年1月12日号掲載の報告。