産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:31

有害な妊娠アウトカム、母親の虚血性心疾患リスクが長期的に上昇/BMJ

 5つの有害な妊娠アウトカム(早産、在胎不当過小、妊娠高血圧腎症、妊娠高血圧腎症以外の妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病)のいずれかを経験した女性は、出産後の虚血性心疾患のリスクが高く、このリスク上昇は最長で46年持続していることが、米国・マウントサイナイ・アイカーン医科大学のCasey Crump氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2023年2月1日号で報告された。  研究グループは、5つの有害な妊娠アウトカムと母親の虚血性心疾患の長期的なリスクとの関連の評価を目的に、スウェーデンにおいて全国的なコホート研究を行った(米国国立心肺血液研究所[NHLBI]などの助成を受けた)。

子宮外妊娠、MTXへのゲフィチニブ上乗せ効果は?/Lancet

 卵管異所性妊娠(子宮外妊娠)の女性において、MTX(メトトレキサート)筋肉内投与にゲフィチニブ経口投与を上乗せしても、メトトレキサートを超える臨床的有用性は認められない一方、軽度の副作用が増加した。英国・エディンバラ大学のAndrew W. Horne氏らが、英国の病院50施設において実施した無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「Gefitinib for Ectopic pregnancy Management:GEM3」試験の結果を報告した。卵管異所性妊娠は、重大な病的状態の原因となる可能性があり、死に至ることさえある。現在の治療法はメトトレキサートまたは手術であるが、メトトレキサートの治療では約30%が失敗し、その後レスキュー手術が必要となる。EGFRチロシンキナーゼ阻害薬ゲフィチニブは、メトトレキサートの有効性を改善させる可能性が示唆されていた。Lancet誌オンライン版2023年2月1日号掲載の報告。

思春期の認知能力、早産児ほど低い/BMJ

 在胎40週出生児と比較して、在胎34~39週出生児に差はみられなかったものの、在胎34週未満児では、思春期における認知能力が実質的に劣ることが示唆されたという。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのAnders Husby氏らが、デンマークの住民を対象とした完全同胞のコホート研究の結果を報告した。検討では、国語と数学の試験、知能指数(IQ)検査の結果を評価したが、在胎34週未満児ではいずれも低く、在胎週が短いほど低下が認められた。著者は、「所見は、こうした早産の悪影響をどのように防ぐことができるかについて、さらなる研究が必要であることを強調するものである」との見解を示し、「認知能力は出生時に定まっているものではなく、社会環境や養育に大きく影響されることから、早産児に対する早期介入が必要である」と述べている。BMJ誌2023年1月18日号掲載の報告。

精子は帽子を脱がないと卵子と受精できない/大阪大

 近年、不妊治療に関心が集まっている。主に健康保険上の取り扱いや不妊治療の助成金の面がほとんどであるが、不妊そのもののメカニズムについては、あまり注目されていない。  今回、宮田 治彦氏(大阪大学微生物病研究所 准教授)らの研究グループは、精子の受精能獲得に重要なタンパク質FER1L5の発見を発表した。Science Advances誌2023年1月25日号からの報告。

妊婦の罹患・死亡リスク、オミクロン株優勢中に増大/Lancet

 新型コロナウイルスのオミクロン株が懸念される変異株となった半年間について調べたところ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の診断を受けた妊婦は、MMMI(maternal morbidity and mortality index、妊婦の罹患率・死亡率指数)リスクが増大していたことが明らかにされた。とくに、ワクチン未接種の重症COVID-19妊婦で、同リスク増大はより顕著だった。また、COVID-19の重症合併症に対するワクチンの有効性は、完全接種(2回またはAd26.COV2.Sワクチン1回)で48%と高かった。英国・オックスフォード大学のJose Villar氏らが、4,618人の妊婦を対象に行った大規模前向き観察試験「INTERCOVID-2022試験」の結果で、Lancet誌オンライン版2023年1月17日号で発表された。

骨盤臓器脱の改善効果、ペッサリーvs.外科的治療/JAMA

 症候性骨盤臓器脱患者において、保存的治療であるペッサリー療法は手術治療と比較して、24ヵ月時点での患者報告による改善に関して非劣性が認められなかった。オランダ・アムステルダム大学のLisa R. van der Vaart氏らが、オランダの21施設で実施した無作為化非劣性試験「PEOPLEプロジェクト」の結果を報告した。骨盤臓器脱は女性のQOL(生活の質)に悪影響を及ぼす疾患で、平均寿命の延長に伴い骨盤臓器脱に対する費用対効果の高い治療が世界的に求められている。JAMA誌2022年12月20日号掲載の報告。  研究グループは、手術歴またはペッサリー療法歴のないステージ2以上の骨盤臓器脱症状を有する女性を、ペッサリー群または手術群に1対1の割合で無作為に割り付けた。

ADAMTS13欠損の先天性TTPにADAMTS13投与が著効した1例/NEJM

 妊娠合併症と動脈血栓症歴のある妊娠30週の27歳女性が、重度のADAMTS13欠損による急性遺伝性血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の診断を受けた。医療チームは当初、治療的血漿交換(TPE)を実施したが、効果が乏しく中止し、遺伝子組み換えADAMTS13投与に切り替えた。その後、血小板数は正常化、胎児の成長も安定化し、妊娠37週と1日で、在胎不当過小児であったが健康な男子を帝王切開で出産した。その後も患者と生まれた男児の健康状態は良好で、遺伝子組み換えADAMTS13の投与を隔週で継続しているという。スイス・ベルン大学のLars M. Asmis氏らによる症例報告で、NEJM誌2022年12月22日号で発表された。

コロナ感染後の手術、間隔が長いほど術後の心血管疾患リスク減

 SARS-CoV-2感染から手術までの間隔が長くなるほど、術後の主要心血管イベント複合転帰のリスクが低くなることを、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのJohn M. Bryant氏らが単一施設の後ろ向きコホート研究によって明らかにした。JAMA Netw Open誌2022年12月14日号掲載の報告。  これまで、複数の研究によってSARS-CoV-2感染と手術後の死亡率増加の関連が報告されているが、手術までの期間と死亡率の関連性についてはまだ不十分であった。そこで研究グループは、SARS-CoV-2感染から手術までの期間が短いほど、術後の心血管イベントの発生率が上がると仮説を立て、手術後30日以内の心血管イベントリスクを評価することにした。

周産期アウトカムに人種・民族性は影響するか/Lancet

 世界の20の高所得国と上位中所得国の、周産期アウトカムに関する人種および民族性の影響について解析した結果、母体特性を調整後、白人女性の産児との比較において、十分なサービスを受けていないグループで黒人女性の産児の周産期アウトカムが、評価した項目すべてで不良であることが示された。他のグループ(南アジア系、ヒスパニック系、その他)では、アウトカム項目によりリスクに差異があった。また、周産期有害アウトカムへの人種・民族性の影響について、地域差は認められなかった。英国・バーミンガム大学のJameela Sheikh氏らInternational Prediction of Pregnancy Complications(IPPIC)Collaborative Networkが、妊娠219万8,655例のメタ解析を行い、Lancet誌2022年12月10日号で報告した。これまで、妊娠アウトカムへの人種・民族性の影響に関するエビデンスは、特定の国および医療制度内で行われた個々の研究に限定されていた。

妊娠希望で乳がん術後内分泌療法を一時中断した場合の再発リスク(POSITIVE)/SABCS2022

 HR陽性早期乳がんの若年女性において、妊娠を希望して術後補助内分泌療法を一時中断した場合のアウトカムを検討した前向き試験はない。今回、内分泌療法を2年間中断した場合の乳乳がん再発の観点から見た安全性について、前向き単群試験のPOSITIVE試験で検討した結果、短期的には再発リスクに影響がないことが示唆された。米国・Dana-Farber Cancer InstituteのAnn H. Partridge氏が、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2022)で発表した。