産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:31

女性が輝く社会を目指す、PMSと片頭痛への対処法とは

 3月1日から8日までの「女性の健康」週間に先立ち、2022年2月24日、大塚製薬株式会社は女性の健康分野の疾患・健康啓発を目的としたオンラインメディアセミナーを開催した。セミナーでは西山 和枝氏(大塚製薬 女性の健康推進プロジェクト リーダー)、尾西 芳子氏(産婦人科医)、五十嵐 久佳氏(富士通クリニック 内科 頭痛外来)の3名が登壇し、月経前症候群(以下、PMS)および片頭痛をテーマに講演を行った。  1人目の登壇者である西山氏は、「働く女性の健康意識調査について」と題した講演を行い、女性が抱える健康に関する悩みについて調査した結果を報告した。西山氏によると、働く女性の約半数はPMS症状および更年期症状を自覚しており、自覚がない人も含めると70~80%の女性に症状が現れているという。また、そうした症状によって昇進を諦めたり退職してしまったりする人も少なくない。一方で、PMS症状や更年期症状を会社内で相談できない場合も多く、PMS症状に対しては約60%、更年期症状に対しては約40%の女性が対策を企業に求めていることが明らかとなった。  こうした結果から西山氏は「企業は働く女性たちが抱える課題を把握して、個人の対処だけに任せず『企業ごと』と捉えて対策を投じることが重要である。」と訴えた。

日本人再発・進行子宮頸がん患者に対するtisotumab vedotinの効果~innovaTV206試験~/日本臨床腫瘍学会

 子宮頸がんは子宮がんの約7割程度を占めるがんであり、日本国内では、毎年約1万人の女性が罹患し、約3,000人が死亡している。2000年以降、患者数も死亡率も増加しており、新しい治療薬の登場が待たれていた。  tisotumab vedotinは子宮頸がん細胞に発現するタンパク質である組織因子を標的とした、抗体薬物複合体(ADC)である。化学療法による治療中または治療後に病勢進行がみられる再発または転移性子宮頸がんを適応として、2021年に米国食品医薬品局(FDA)から迅速承認を取得している。

妊娠中のコロナワクチン2回接種、乳児の入院61%予防効果/CDC

 母親が妊娠中にCOVID-19ワクチンを2回接種することで、生後6ヵ月未満の乳児の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染による入院を61%予防する効果があることが、米国の研究チームの調査で明らかになった。研究結果は、米疾病対策センター(CDC)のMorbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)2022年2月15日号に掲載。  これは米国の研究チームOvercoming COVID-19が、2021年7月1日~22年1月17日、米国17州20の小児病院において実施したケースコントロール研究である。生後6ヵ月未満の入院乳児379例が対象で、このうちCOVID-19による入院が176例(症例群)で、COVID-19以外による入院が203例(対照群)だった。乳児の母親は、妊娠中にファイザー製またはモデルナ製のコロナワクチンを2回接種完了と、未接種の2グループに分類。症例群で母親がワクチンを接種していたのは16%(28/176例)だったのに対し、対照群で母親がワクチンを接種していたのは32%(65/203例)だった。

cemiplimab、再発子宮頸がんに有効/NEJM

 プラチナ製剤を含む化学療法による1次治療後に再発した子宮頸がん患者の治療において、完全ヒトプログラム細胞死1(PD-1)阻害モノクローナル抗体cemiplimabは単剤の化学療法と比較して、全生存期間が延長し、無増悪生存期間への効果は明確ではないものの、客観的奏効率や奏効期間も良好であることが、米国・カリフォルニア大学アーバイン校のKrishnansu S. Tewari氏らが実施した「EMPOWER-Cervical 1/GOG-3016/ENGOT-cx9試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2022年2月10日号に掲載された。

妊産婦の新型コロナ感染、産科合併症と関連/JAMA

 妊娠中および出産後の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染は、妊産婦死亡または重篤な産科合併症の複合アウトカムのリスク増加と関連していることが、米国・ユタ大学のTorri D. Metz氏ら国立小児保健・人間発達研究所(Eunice Kennedy Shriver NICHD)のMFMU(Maternal-Fetal Medicine Units)ネットワークによる「GRAVID(Gestational Research Assessments of COVID-19)研究」で明らかとなった。これまで、妊娠中または出産後のSARS-CoV-2感染が重篤な産科合併症のリスクを特異的に増加させるかどうかはわかっていなかった。JAMA誌オンライン版2022年2月7日号掲載の報告。  研究グループは、GRAVID研究に参加している米国の17施設において、2020年3月1日~12月31日の期間に出産した妊産婦1万4,104例について後ろ向きに解析した(最終追跡調査2021年2月11日)。  妊娠中または産後6週間以内にPCR検査または抗原検査が陽性であった患者をSARS-CoV-2感染者とし、同期間の無作為に選んだ日に出産しSARS-CoV-2検査が陽性でない非感染者と比較した。SARS-CoV-2感染者は、COVID-19の重症度でさらに層別化した。  主要評価項目は、妊産婦死亡、または妊娠高血圧症候群、産褥出血、SARS-CoV-2以外の感染症に関連する重篤な疾患の複合、主要な副次評価項目は帝王切開による出産であった。

再発卵巣がん、トラメチニブでPFS有意に延長/Lancet

 米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのDavid M. Gershenson氏らは、再発低悪性度漿液性卵巣がん患者を対象とした多施設共同非盲検無作為化第II/III相試験「GOG 281/LOGS試験」において、MEK阻害薬トラメチニブが標準治療と比較して無増悪生存(PFS)期間を有意に延長し、新たな治療選択肢となる可能性があることを示した。卵巣または腹膜の低悪性度漿液性がんはMAPKシグナル伝達経路の異常が特徴であり、高悪性度漿液性がんに比べ化学療法に対する感受性が低い。これまでの研究で、MEK阻害薬は有効性が期待される治療戦略であることが示唆されていた。Lancet誌2022年2月5日号掲載の報告。

JSMO2022の注目演題/日本臨床腫瘍学会

 2022年1月21日、日本臨床腫瘍学会はオンラインプレスセミナーを開催し、会長の国立がん研究センター中央病院の大江 裕一郎氏らが、第19回学術集会の注目演題などを発表した。  今回の学術集会のテーマは「Inspiring Asian Collaboration and the Next Generation in Oncology」。アジアとの協力関係と若手の活性化を目指したものだという。2022年2月17~19日に、現地(京都国際会館およびザ・プリンス京都宝ヶ池)開催を基本とし、webライブとオンデマンド配信を組み合わせたハイブリッド形式で行われる。演題数は1,000を超え、4分の1は海外からの演題とのこと。

子宮内膜がん、レンバチニブ+ペムブロリズマブでPFS/OSを延長/NEJM

 進行子宮内膜がん患者において、レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法は化学療法と比較し、無増悪生存(PFS)期間および全生存(OS)期間を有意に延長した。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのVicky Makker氏らが、21ヵ国167施設で実施した非盲検第III相試験「Study 309/KEYNOTE-775試験」の結果を報告した。プラチナ製剤による化学療法後の進行性子宮内膜がんに対する治療選択肢は、限られていた。NEJM誌オンライン版2022年1月19日号掲載の報告。  研究グループは、少なくとも1レジメンのプラチナ製剤による化学療法の治療歴のある進行子宮内膜がん患者を、レンバチニブ(20mg、1日1回経口投与)+ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと静脈投与)併用群、または化学療法(治験医師選択によるドキソルビシン60mg/m2の3週ごと静脈投与、またはパクリタキセル80mg/m2の週1回静脈投与3週・1週休薬)群のいずれかに、1対1の割合で無作為に割り付けた。

妊婦はCOVID-19で中等症以上になりやすい/成育医研・国際医研

 国立成育医療研究センターと国立国際医療研究センター 国際感染症センター・AMR臨床リファレンスセンターの共同研究チームの庄司健介氏らのチームは、妊婦の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における入院例の疫学的・臨床的な特徴を分析した研究を発表した。この研究は、国立国際医療研究センターが運営している国内最大の新型コロナウイルス感染症のレジストリ「COVID-19 Registry Japan(COVIREGI-JP)」を利用したもので、妊婦におけるCOVID-19患者の特徴に関する大規模な報告は日本初となる。  研究は、2020年1月~2021年4月までの間に登録された15歳以上~45歳未満女性のCOVID-19入院例4,006人(うち妊婦は254人、非妊婦は3,752人)を対象に実施。研究の結果、妊娠以外の背景を揃えた患者群(妊婦187人、非妊婦935人)を比較したところ、中等症から重症の患者の割合は妊婦群18人(9.6%)、非妊婦群46人(4.9%)と、妊婦群の方の割合が高いことがわかった。また、妊婦におけるCOVID-19患者254人の患者背景を、軽症群224人、中等症から重症群30人に分けて比較したところ、中等症から重症群に至った患者では何らかの基礎疾患がある、または妊娠中期(14週〜)以降の患者が多いことが判明した。そのほか、妊婦の感染経路は家族からの感染が多いことがわかった。

早期乳がんへの術後パルボシクリブ、iDFSに減量・中止の影響は?(PALLAS)/JCO

 PALLAS試験は、ホルモン受容体(HR)陽性/HER2陰性の早期乳がんの術後補助療法として、標準的な内分泌療法へのCDK4/6阻害薬パルボシクリブ追加の有効性を評価する第III相試験。主要評価項目である無浸潤疾患生存期間(iDFS)の有意な改善は示されておらず、今回、同試験におけるパルボシクリブ減量と中止の影響が評価された。米国・ダナファーバーがん研究所(DFCI)のErica L Mayer氏らがJournal of Clinical Oncology誌オンライン版2022年1月7日号に報告した。