感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:191

セファゾリンナトリウム注射用の代替薬

 2019年3月29日、厚生労働省は、事務連絡として「セファゾリンナトリウム注射用「日医工」が安定供給されるまでの対応について」を全国の関係機関に発出し、各医学会でも周知が開始された。  セファゾリンナトリウムは、日医工株式会社が製造・供給に大きなシェアをもつ抗菌薬だが、本年2月に製品供給に支障をきたす可能性がある旨の周知があり、現在も供給再開の目途が立っていない。そして、同製品の代替品と考えられる製品の一時的な供給不足も危惧されることから、安定供給が再開されるまでの間の対応として周知された。

プライマリケアにおける高齢者の尿路感染症には速やかな抗菌薬処方が有効(解説:小金丸博氏)-1023

尿路感染症は高齢者における最も代表的な細菌感染症である。重症度は自然軽快する軽症のものから、死亡率が20~40%に至る重症敗血症まで幅広い。高齢者では典型的な臨床経過や局所症状を認めないことも多く、診断は困難である。そのうえ、65歳以上の女性の20%以上に無症候性細菌尿を認めることが尿路感染症の診断をさらに困難にする。現在、薬剤耐性菌を減らすための対策として世界中で抗菌薬の適正使用を推進する動きがある。最近の英国からの報告によると、2004年~2014年の間にプライマリケアにおける高齢者の尿路感染症に対する広域抗菌薬の処方は減少していたが、その一方でグラム陰性菌による血流感染症が増加しており、その関連性が議論されている。

CIED留置後感染予防、生体吸収性抗菌薬溶出メッシュが有益/NEJM

 心臓植込み型電気デバイス(CIED)留置後の感染症を予防するための、CIEDを包む生体吸収性抗菌薬溶出メッシュの安全性と有効性を評価した、米国・クリーブランド・クリニックのKhaldoun G. Tarakji氏らによる無作為化比較臨床試験「Worldwide Randomized Antibiotic Envelope Infection Prevention Trial:WRAP-IT」の結果が示された。抗菌薬溶出メッシュの使用により、標準ケアによる感染予防戦略のみの実施と比較し、合併症の発生が増加することなく、重大なCIED感染症の発生が有意に低下したという。

リファンピシン耐性結核に短期レジメンが有望/NEJM

 リファンピシン耐性結核の治療において、高用量モキシフロキサシンを含む9~11ヵ月の短期レジメンは、2011年のWHOガイドラインに準拠した長期レジメン(20ヵ月)に対し、有効性が非劣性で安全性はほぼ同等であることが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのAndrew J. Nunn氏らが実施したSTREAM試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2019年3月13日号に掲載された。

日本ではC. difficile感染症の多くが見過ごされている?

 Clostridioides(Clostridium) difficileは、先進国における医療関連感染性下痢症の主要な原因である。後ろ向き研究では、日本では欧州や北米よりC. difficile感染症(CDI)の発生率が低いことが示されている。CDI発生率が実際に低いのか、不適切なC. difficile検査によるものかを調べるため、国立感染症研究所の加藤はる氏らが前向き研究を実施した。その結果、臨床的に意義のある下痢症患者を積極的に検査することによって、CDI発生率はわが国における今までの報告より高かった。この結果から、著者らは「日本ではCDI診断のための細菌学的検査が不適切であるため、多くのCDI患者が見過ごされていることを示唆している」と述べている。Anaerobe誌オンライン版2019年3月11日号に掲載。

非ICUでのdecolonisationは、耐性菌発生リスクに有効か?/Lancet

 ICU入室以外の入院患者について、全患者を対象としたクロルヘキシジンによる清拭・シャワー浴とハイリスク患者を対象にしたムピロシンでの除菌による介入(decolonisation)は、ルーチンに行う消毒薬を使わない清拭/シャワー浴の介入と比べて、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の発生リスクを有意に減少しなかったことが報告された。米国・カリフォルニア大学アーバイン校のSusan S. Huang氏らが、53病院194の病棟(ICUを除く)を対象に行ったクラスター無作為化比較試験「ABATE(active bathing to eliminate) Infection trial」の結果で、Lancet誌オンライン版2019年3月5日号で発表した。

結核治療、スマホによる監視が有望/Lancet

 直接監視下治療(DOT)は、1990年代初頭から結核の標準治療とされるが、患者や医療サービス提供者にとっては煩雑である。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのAlistair Story氏らは、スマートフォンを利用するビデオ監視下治療(VOT)はDOTよりも有効であり、簡便で安価な結核治療の監視アプローチであることを示した。WHOは、2017年、DOTの代替法としてVOTを条件付きで推奨したが、無作為化対照比較試験がほとんどないためエビデンスのグレードは低いという。Lancet誌オンライン版2019年2月21日号掲載の報告。

MRSA保菌者に対する退院後の除菌療法(解説:小金丸博氏)-1015

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、皮膚軟部組織感染症や医療処置に関連した感染症の原因として頻度が高い微生物である。MRSA保菌者では除菌することによって、手術部位感染症、繰り返す皮膚感染症、集中治療室における感染症のリスクを減らすことが過去の研究で示されている。MRSAを保菌している入院患者は退院後の感染リスクが高いことが知られており、今回、これらの患者に対する衛生教育や除菌療法の有用性を検討した研究が発表された。

高齢者の尿路感染症、抗菌薬即時処方で死亡リスク減/BMJ

 プライマリケアにおいて尿路感染症(UTI)と診断された高齢患者では、抗菌薬の非投与および待機的投与は、即時投与に比べ血流感染症および全死因死亡率が有意に増加することが、英国・Imperial College LondonのMyriam Gharbi氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2019年2月27日号に掲載された。大腸菌(Escherichia coli)による血流感染症の約半数が、原疾患としてのUTIに起因し、高齢患者はリスクが高いとされる。また、自然治癒性の疾患(上気道感染症など)では抗菌薬の「非投与」「待機的または遅延投与」は重度の有害アウトカムとはほとんど関連しないが、若年女性のUTI患者ではわずかだが症状発現期間が延長し、合併症が増加するとの報告がある。しかし、これらの研究は症例数が少なく、その一般化可能性は限定的だという。

プライマリケアでの抗菌薬処方、推奨期間を超過/BMJ

 英国では、プライマリケアで治療されるほとんどの一般感染症に対し、抗菌薬の多くがガイドラインで推奨された期間を超えて処方されていたことが、英国公衆衛生庁(PHE)のKoen B. Pouwels氏らによる横断研究の結果、明らかとなった。プライマリケアにおける抗菌薬の使用削減戦略は、主に治療開始の決定に焦点が当てられており、抗菌薬の過剰な使用に、どの程度治療期間が寄与しているかは不明であった。著者は、「抗菌薬曝露の大幅な削減は、処方期間をガイドラインどおりにすることで達成できる」とまとめている。BMJ誌2019年2月27日号掲載の報告。