感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:223

市中肺炎の入院例における年齢・病原体を調査/NEJM

 米国疾病管理予防センター(CDC)のSeema Jain氏氏らは、市中肺炎による入院について詳細な調査を行った。その結果、高齢者で入院率が高いこと、最新の検査法を駆使したが大半の患者で病原体を検出できなかったこと、一方で呼吸器系のウイルス感染が細菌感染よりも検出頻度が高かったことなどを報告した。米国では、市中肺炎が成人の感染症による入院および死亡の要因であることは知られていたが、詳細は不明であった。NEJM誌オンライン版2015年7月14日号掲載の報告。

感度100%のエボラ迅速診断検査キット/Lancet

 エボラウイルス感染のための迅速診断検査キット「ReEBOV Antigen Rapid Test」は、ポイント・オブ・ケア検査(POCT)でもその診断感度が100%であることが報告された。米国・Partners In Health(ボストン)のMara Jana Broadhurst氏らが、106例を対象とした実地試験の結果、報告した。なお同氏らは284例を対象に検査センターでも試験を行い、同様な結果が確認されたことを報告している。Lancet誌オンライン版2015年6月25日号掲載の報告より。

胃がん切除予定例のピロリ除菌はいつすべき?

 マーストリヒト・アジア太平洋コンセンサスガイドラインでは、胃がんの既往のある患者へのHelicobacter pyloriの除菌を強く推奨している。がん研有明病院の本多 通孝氏らは、胃切除術を受ける患者への適切な除菌のタイミングを検討するため、オープンラベル単一施設無作為化比較試験を実施した。その結果、術前群と術後群で除菌成功率が同等であり、著者らは、「胃切除を予定している胃がん患者は、予定されている再建術式に関係なく、術前の除菌は必要ない」と結論している。Journal of the American College of Surgeons誌オンライン版2015年4月8日号に掲載。

経口H.pyloriワクチン、未感染小児に高い効果/Lancet

 中国で開発中の経口組換え型H.pyloriワクチンについて、未感染小児に対する有効性、安全性、免疫原性が確認されたことを、中国食品医薬品検定研究所のMing Zeng氏らが4,464例を対象とした第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。投与後1年時点の有効性は71.8%であったという。著者は、「本ワクチンはH.pylori感染の発生を大幅に減少することができた。さらなる長期追跡によりその予防効果を確認する必要がある」と述べている。Lancet誌オンライン版2015年6月30日号掲載の報告より。

侮れない侵襲性髄膜炎菌感染症にワクチン普及願う

 サノフィ株式会社は2015年7月3日、侵襲性髄膜炎菌感染症(Invasive Meningococcal Disease、以下IMD)を予防する4価髄膜炎菌ワクチン(ジフテリアトキソイド結合体)(商品名:メナクトラ筋注)のプレスセミナーを開催。川崎医科大学小児科学主任教授 尾内 一信氏と、同大学小児科学教授 中野 貴司氏がIMDの疾患概要や予防ワクチンの必要性について講演した。

急性虫垂炎は抗菌薬で治療が可能か?/JAMA

 単純性急性虫垂炎への抗菌薬治療は、虫垂切除術に対して非劣性ではないことが、フィンランド・トゥルク大学病院のPaulina Salminen氏らが実施したAPPAC試験で示された。本症の治療では、1世紀以上にわたり手術が標準とされてきた。一方、近年、3つの無作為化試験や5つのメタ解析など、抗菌薬治療を支持するエビデンスが増えていたが、個々の試験には限界があるため、依然として標準治療は虫垂切除術とされている。JAMA誌2015年6月16日号掲載の報告より。

C型慢性肝炎に対する経口薬併用療法の時代到来!(解説:中村 郁夫 氏)-367

 本論文は、アメリカ・カナダ・フランス・オーストラリアにおいて行われた第III相試験(UNITY-2 study)に関する報告である。対象は、1型(1a/1b)HCVによる代償性C型肝硬変202例(初回治療例 112例、既治療例 90例)である。治療法は、ダクラタスビル(30mg)、アスナプレビル(200mg)、ベクラブビル(75mg)を1日2回の内服とし、半数にリバビリン(1,000~1,200mg/日)を加えた。治療期間は12週間とし、治療終了後24週間の経過観察を行った。SVR12(治療終了後12週におけるHCV陰性化)は、初回治療例で98%、既治療例で93%と高い効果を示した。