内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:168

作り笑いの「笑いヨガ」で糖尿病を改善~日本人でのRCT

 笑いには、ストレス軽減、NK細胞の活性化、アレルギー反応抑制、食後血糖値の上昇抑制などが報告されている。しかし、お笑い番組は人により好みが異なるため、すべての人を笑わせることは難しい。今回、福島県立医科大学の広崎 真弓氏らの無作為化比較研究の結果、作り笑いと深呼吸を組み合わせた「笑いヨガ」で2型糖尿病患者の血糖コントロールが改善されることが示された。Frontiers in Endocrinology誌2023年3月31日号に掲載。

ビタミンD不足で認知症リスク上昇~コホート研究

 ビタミンD活性代謝物は、神経免疫調節や神経保護特性を有する。しかし、ヒドロキシビタミンDの血清レベルの低さと認知症リスク上昇の潜在的な関連については、いまだ議論の的である。イスラエル・ヘブライ大学のDavid Kiderman氏らは、25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)の血清レベルの異なるカットオフ値において、ビタミンD欠乏症と認知症との関連を調査した。その結果、不十分なビタミンDレベルは認知症との関連が認められ、ビタミンDが不足または欠乏している患者においては、より若年で認知症と診断される可能性が示唆された。Journal of Geriatric Psychiatry and Neurology誌オンライン版2023年3月8日号の報告。

重症化リスクの高いコロナ患者、ニルマトレルビルで入院・死亡減/BMJ

 重症化リスクの高いSARS-CoV-2感染者へのニルマトレルビル投与は非投与と比較して、ワクチン非接種者・接種者、ブースター接種者、再感染者において、30日時点の入院または死亡のリスクが低下していたことが明らかにされた。米国・VA Saint Louis Health Care SystemのYan Xie氏らが、米国退役軍人省の全国ヘルスケアデータベースを活用し、電子カルテを用いた無作為化ターゲット模倣試験(emulation of a randomized target trial)で明らかにした。ニルマトレルビルの有効性の検証は、オミクロン変異株が優勢となる前、ワクチン非接種のSARS-CoV-2感染者とSARS-CoV-2感染歴のない人々を対象に行われたものであった。BMJ誌2023年4月11日号掲載の報告。

患者集団を対象とした医療からの脱却法は?(解説:後藤信哉氏)

ランダム化比較試験は、患者集団の標準治療の確立に役立った。しかし、新型コロナウイルス感染症などの病名にて患者集団を規定しても、集団を構成している個別症例の病態、予後には不均一性がある。たとえば、新型コロナウイルス感染症の入院例においてヘパリン治療がECMOなどを避けるために有効であることはランダム化比較試験にて示されたが、標準治療が集団を構成する全例に対して有効・安全なわけではない。本研究はヘパリン治療の不均一性を検証するために3つの方法を利用した。(1)は通常のサブグループ解析である。新薬開発の臨床試験では事前に設定した年齢、性別、腎機能などにより分けたサブグループにて不均一性がないことを示している。本研究ではサブグループ解析にて結果の不均一性に注目した。(2)はrisk based model法である。集団からリスクに寄与する因子を抽出して、その因子により個別症例のリスクを事前に予測してグループ分けした。(3)はEffect-Based Approachである。いわゆるrandom forest plotにて効果を予測してグループ分けする方法である。

大気汚染と認知症リスク (解説:岡村毅氏)

黄砂の飛来がニュースになっているが、タイムリーに大気汚染が認知症発症とも関連するかもしれないという報告だ。喫煙等と比べると認知症発症に与える影響は小さいが、何せ逃げることができないリスクなので、人々への影響は大きい。なお本論文では主にPM2.5を扱っているが、これは大気中に浮遊している直径2.5μm以下の小さな粒子を指し、化石燃料をはじめとする工業活動で排出されるものである。黄砂とは中国やモンゴルの乾燥域から偏西風に乗って飛んでくる砂塵であり、その大きさは4μm程度であるからほとんどがPM2.5ではない。

世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ」発売/リリー・田辺三菱

 日本イーライリリーと田辺三菱製薬は、4月18日付のプレスリリースで、持続性GIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ皮下注2.5mgアテオス」「同皮下注5mgアテオス」(一般名:チルゼパチド、以下「マンジャロ」)の販売を同日より開始したことを発表した。  マンジャロは、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)とグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の2つの受容体に作用する世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬である。天然GIPペプチド配列をベースとした単一分子の構造だが、GLP-1受容体にも結合するように改変されており、選択的に長時間作用し血糖値を改善させる。本剤は、1回使い切りのオートインジェクター型注入器(「アテオス」)によって、週1回皮下注射する薬剤である。あらかじめ注射針が取り付けられた専用ペン型注入器により、注入ボタンを押すことで自動的に注射針が皮下に刺さり、1回量が充填されている薬液が注入されるため、患者が用量を設定したり、注射針を扱ったりする必要がない。

不眠症患者はどんな治療を望んでいるのか

 認知行動療法(CBT)を求める不眠症患者の睡眠薬使用に対する考えや、使用を減らしたいと願う予測因子について、米国・スタンフォード大学のIsabelle A. Tully氏らが調査を行った。その結果、CBTを望んでいる睡眠薬使用中の不眠症患者において、睡眠薬の必要性を強く示し、服用についての懸念が比較的少ないにもかかわらず、4分の3の患者が睡眠薬を減らしたいと望んでいることが示された。Journal of Clinical Sleep Medicine誌オンライン版2023年3月8日号の報告。

2型DMの追加処方に有益なのは?~816試験をメタ解析/BMJ

 中国・四川大学のQingyang Shi氏らはネットワークメタ解析を行い、2型糖尿病(DM)成人患者に対し、従来治療薬にSGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬を追加投与する場合の実質的な有益性(心血管系および腎臓系の有害アウトカムと死亡の減少)は、フィネレノンとチルゼパチドに関する情報を追加することで、既知を上回るものとなることを明らかにした。著者は、「今回の結果は、2型DM患者の診療ガイドラインの最新アップデートには、科学的進歩の継続的な評価が必要であることを強調するものである」と述べている。BMJ誌2023年4月6日号掲載の報告。

糖類の過剰摂取、心代謝疾患リスクを増大/BMJ

 食事による糖類(単糖類、二糖類、多価アルコール、遊離糖、添加糖)の過剰な摂取は、一般的に健康にとって益よりも害が大きく、とくに体重増加、異所性脂肪蓄積、心血管疾患などの心代謝疾患のリスク増大に寄与していることが、中国・四川大学のYin Huang氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2023年4月5日号で報告された。   研究グループは、食事による糖類の摂取と健康アウトカムの関連に関する入手可能なすべての研究のエビデンスの質、潜在的なバイアス、妥当性の評価を目的に、既存のメタ解析のアンブレラレビューを行った(中国国家自然科学基金などの助成を受けた)。

片頭痛予防、日本人患者と医師の好みは?

 現在、日本における片頭痛の予防には、自己注射可能なカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)モノクローナル抗体(mAb)のオートインジェクター(AI)製剤、非CGRPの経口剤などが利用可能である。米国・EvideraのJaein Seo氏らは、CGRP mAbのAI製剤と非CGRPの経口剤に対する日本人患者および医師の好みを調査し、両者にとってのAI製剤の相対的な重要性の違いを測定しようと試みた。その結果、多くの片頭痛患者および医師は、非CGRP経口剤よりもCGRP mAbのAI製剤を好むことが確認された。本結果から著者らは、日本人医師が片頭痛の予防治療を勧める際には、患者の好みを考慮する必要性が示唆されるとしている。Neurology and Therapy誌2023年4月号の報告。