内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:168

超加工食品の利便性と有害性はもろ刃の剣であり、摂取過剰は男性の遠位大腸がん発生の危険性を高めるため超加工食品の摂取には注意!―(解説:島田俊夫氏)

大腸がんの発生は国により多少の差はあるが世界中で日増しに大きな問題となっており、その原因として超加工食品を大きく取り上げている。超加工食品の分類には、ブラジル・サンパウロ大学の公衆衛生メンバーが提唱したNOVA分類(1~4)が通常用いられている。食品加工に伴う加熱処理、保存性の向上のための塩、砂糖やその他食品添加物、加工処理に伴う有害生成物、自然食品に含まれる抗酸化物質等の喪失等が発がん機序に深く関与していると推測されているが、十分に解明されているとはいえない。

コロナ・インフル同時流行の際の注意点/日本感染症学会

 今冬は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に加え、季節性インフルエンザの同時流行が危惧されている。発熱や倦怠感など症状を同じくするものもあり、外来などでの鑑別で混乱を来すことが予想されている。そこで、日本感染症学会(理事長:四柳 宏氏[東京大学医科学研究所附属病院長])は、10月20日に同学会のホームページで 「この冬のCOVID-19とインフルエンザ同時流行の際の注意点を発表した。  本稿では、緊急避難的な措置の一例として「COVID-19、インフルエンザ同時流行となった場合の外来診療フローチャート」を示すとともに、外来診療フローチャートについて6つのポイントを説明している。

認知症患者に対する入院前後の抗コリン薬使用

 抗コリン薬は、コリン作動性を遮断することで主要な治療効果や二次的な作用を発現する薬剤である。認知症患者に対する抗コリン薬の使用は、中枢作用に対しとくに敏感である可能性が示唆されている。また、抗コリン薬は、認知症治療で主に用いられるコリンエステラーゼ阻害薬の作用にも拮抗するため、注意が必要である。英国・カーディフ大学のAnnabelle Hook氏らは、英国の急性期病院における認知症患者に対する入院前後の抗コリン薬の使用状況を調査するため、横断的多施設共同研究を実施した。その結果、コリンエステラーゼ阻害薬治療を行っている場合でも、認知症患者に抗コリン薬が使用されており、入院時よりも退院時において抗コリン薬負荷が有意に高いことが明らかとなった。BMC Geriatrics誌2022年10月6日号の報告。

コロナ治療薬モルヌピラビル、早期投与で回復までの期間短縮に期待/MSD

 MSDは10月19日、一般流通を9月16日に開始した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の経口治療薬モルヌピラビル(商品名:ラゲブリオ)について、承認後の最新情報として特定使用成績調査の中間報告などをメディアセミナーにて発表した。調査の結果、添付文書の改訂が必要になるような大きな安全性事象は認められなかったことや、外来患者に使用した際の転帰として死亡はなく、人工呼吸器の使用も低く抑えることができたとして、本剤の有効性が提示された。  同社代表取締役社長のKyle Tattle氏によると、本剤は国内にて2021年12月24日に特例承認を取得し、これまでに60万人以上に使用されたという。本剤は、承認当初は供給量が限られていたため、厚生労働省が所有したうえで、重症化リスクのある患者に、決められた流通網を通して医療機関や薬局に配分が行われていたが、供給量が増加したことで、2022年8月18日に薬価基準収載となり、9月16日には一般流通を開始した。

コロナ罹患後症状、120万人のプール解析/JAMA

 2020年および2021年に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染した症候性患者において、Long COVID(新型コロナウイルス感染症[COVID-19]の罹患後症状、いわゆる後遺症)の主要な症状クラスター(身体的痛みや気分変動を伴う持続性疲労、認知に関する問題、持続する呼吸器症状)のいずれかを有する割合は全体で6.2%と推定され、女性および入院を要したSARS-CoV-2初感染者で高いことが、米国・ワシントン大学のSarah Wulf Hanson氏ら世界疾病負担研究(Global Burden of Disease)Long COVID Collaboratorsの解析で明らかとなった。2021年10月、世界保健機関(WHO)は、SARS-CoV-2感染から3ヵ月経過後も認められる、少なくとも2ヵ月以上持続し他の診断では説明がつかない症状として、「post COVID-19 condition」の定義を発表。しばしば「Long COVID」と呼ばれるこれらの症状について、これまでの研究では個々の症状や症状数に関する報告が最も多く、症状の持続期間や重症度、重複症状に関する報告は少なかった。JAMA誌オンライン版2022年10月10日号掲載の報告。

6つの食習慣と肝細胞がんリスクの関連:メンデルランダム化研究

 飲酒経験などの食習慣と肝細胞がん(HCC)リスクとの間に、潜在的な因果関係があることが報告された。Hepatology Communications誌2022年8月号掲載の報告。  食生活はHCCと関連があると報告されているが、因果関係があるかどうかは依然として不明である。中国・香港中文大学のYunyang Deng氏らは、東アジア人の集団においてメンデルランダム化を用いた、食生活とHCCリスクの潜在的な因果関係の探索を目的とした研究を実施した。

かかりつけ医も知っておきたい、コロナ罹患後症状診療の手引き第2版/厚労省

 厚生労働省は、2022年6月に公開した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1.1版)」を改訂し、第2版を10月14日に発表し、全国の自治体や関係機関などに周知を行った。  主な改訂箇所としては、 ・第1章の「3.罹患後症状の特徴」について国内外の最新知見を追加 ・第3~11章の「2.科学的知見」について国内外の最新知見を追加 ・代表的な症状やキーワードの索引、参考文献全般の見直し などが行われた。  同手引きの編集委員会では、「はじめに」で「現在、罹患後症状に悩む患者さんの診療や相談にあたる、かかりつけ医などやその他医療従事者、行政機関の方々に、本書を活用いただき、罹患後症状に悩む患者さんの症状の改善に役立ててほしい」と抱負を述べている。

アロプリノール、痛風歴ない虚血性心疾患患者も改善させる?/Lancet

 痛風の既往がない60歳以上の虚血性心疾患患者において、アロプリノールは標準治療と比較し、非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中・心血管死の複合アウトカムに差はないことが、英国・ダンディー大学のIsla S. Mackenzie氏らが実施した「ALL-HEAT試験」の結果、示された。アロプリノールは痛風の治療に用いられる高尿酸血症治療薬であるが、これまでの研究でいくつかの心血管パラメーターに関して好ましい効果があることが示唆されていた。Lancet誌2022年10月8日号掲載の報告。  ALL-HEAT試験は、イングランドおよびスコットランドの地域の医療センター18施設で実施された多施設共同前向き無作為化非盲検試験である。2014年2月7日~2017年10月2日の期間に、プライマリケア診療所424施設において、60歳以上で痛風の既往がない虚血性心疾患患者5,937例を登録し、アロプリノール群と標準治療群に1対1の割合で無作為に割り付けた。

経口コロナ薬2剤、オミクロン下での有効性/Lancet

 香港では、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン株亜系統BA.2.2が流行している時期に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)外来患者へのモルヌピラビルまたはニルマトレルビル+リトナビルの早期投与が、死亡および入院中の疾患進行のリスクを低下したことが、さらにニルマトレルビル+リトナビルは入院リスクも低下したことが、中国・香港大学のCarlos K. H. Wong氏らによる後ろ向き症例対照研究で明らかとなった。SARS-CoV-2オミクロン株に対する経口抗ウイルス薬のリアルワールドでの有効性については、ほとんど示されていなかった。Lancet誌2022年10月8日号掲載の報告。

降圧薬はいつ服用?朝vs.就寝前でCVアウトカムを比較/Lancet

 降圧薬の服用は朝(6~10時)でも就寝前(20~24時)でも、主要心血管アウトカムは同等であることが、英国・ダンディー大学のIsla S. Mackenzie氏らによる前向き無作為化非盲検試験「TIME(Treatment in Morning versus Evening)試験」の結果、示された。先行研究では、降圧薬の服用は就寝前が朝よりもアウトカムが良好の可能性が示唆されていた。TIME試験は高血圧患者における通常降圧治療薬の就寝前服用が、朝の服用と比べて主要心血管アウトカムを改善するかどうかを検討する目的で行われたが、結果を踏まえて著者は、「患者には、望ましくない影響が最小限となるのであれば、都合の良い時間に定期的に服用可能であることをアドバイスできるだろう」とまとめている。Lancet誌オンライン版2022年10月11日号掲載の報告。