内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:397

インフル患者数が2019年第4週に過去最多

 2019年2月1日、厚生労働省は2019年第4週(1月21~27日)において、全国約5,000ヵ所の定点医療機関当たりのインフルエンザ患者報告数が57.09人となったことを発表した。前週の53.91人を上回り、昨年のピーク(2018年第5週)である54.33人を超え、1999年の集計開始以降、過去最多となった。  都道府県別の集計では、埼玉県(84.09)、新潟県(77.70)、千葉県(73.00)の順で最多となっている。合計31都道府県で前週より増加したが、16府県では減少がみられた。前週に続き、全都道府県で警報レベル(1週間の定点あたり報告数が30人以上または前週に警報が出ていて10人以上)を超えている。

非代償性肝硬変を伴うC型肝炎に初の承認

 平成元年(1989年)に発見されたC型肝炎ウイルス(HCV)。近年、経口の直接作用型抗ウイルス薬(direct acting antivirals:DAA)が次々と発売され、C型慢性肝炎や初期の肝硬変(代償性肝硬変)の患者では高い治療効果を得られるようになったが、非代償性肝硬変を伴うHCV感染症に対する薬剤はなかった。そのような中、平成最後の今年、1月8日にエプクルーサ配合錠(一般名:ソホスブビル/ベルパタスビル配合錠、以下エプクルーサ)が、「C型非代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」に承認された。また、DAA治療失敗例に対する適応症(前治療歴を有するC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善)も取得した。ここでは、1月25日に都内で開催されたギリアド・サイエンシズ主催のメディアセミナーで、竹原 徹郎氏(大阪大学大学院医学系研究科内科学講座消化器内科学 教授)が講演した内容をお届けする。

中年期以降の握力低下と認知症リスク~久山町研究

 九州大学の畑部 暢三氏らは、中年期から高齢期の握力低下と認知症リスクについて、検討を行った。Journal of Epidemiology誌オンライン版2018年12月8日号の報告。  60~79歳の認知症でない地域住民1,055例(平均年齢:68歳)を対象に24年間の追跡調査を行った。そのうち835例(平均年齢53歳)は、1973~74年に実施した健康診断のデータを中年期の分析に使用した。中年期から高齢期の15年間(1973~1988年)にわたる握力低下によってもたらされる認知症、アルツハイマー病(AD)、血管性認知症(VaD)のリスクをCox比例ハザードモデルで推定し、1988~2012年までフォローアップを行った。

冷え性の女性は約5倍「あの症状」

 冷え性の女性は、腰痛に4.91倍、難聴に4.84倍なりやすいことが、福島県立医科大学の坪井 聡氏らによる研究で明らかになった。冷え性の女性はさまざまな症状を抱え、健康リスクを伴う行動をとっていることがある。対症療法では改善が不十分な場合があり、総合的なケアが必要であるという。International journal of women's health誌2019年1月11日号の報告。  西洋医学においては、東アジアの伝統医学と異なり、冷え性に対する医療サービスの必要性は、まだ認識されていない。

揚げ物の摂取頻度が死亡リスクに影響/BMJ

 揚げ物、とくにフライドチキンや魚介類のフライの頻回摂取は、全死因死亡および心血管死亡のリスクを高めることが、米国・アイオワ大学のYangbo Sun氏らによる、閉経後女性を対象とした大規模前向きコホート研究「Women's Health Initiative(WHI)研究」のデータ解析の結果、示された。北米成人の約25~36%が、毎日ファストフード店で揚げ物を食べているという。揚げ物の死亡への影響については、科学的エビデンスが乏しく議論の的になっていた。BMJ誌2019年1月23日号掲載の報告。

世界初、IgG4関連硬化性胆管炎診療ガイドライン

 世界で初めての「IgG4関連硬化性胆管炎診療ガイドライン」が完成した。  本症は、2003年に神澤 輝実氏(東京都立駒込病院)が提唱した、新しい全身性疾患であるIgG4関連疾患の胆管病変と考えられ、その特徴として、胆管狭窄を来し、黄疸や肝機能障害するほか、画像所見上では、胆管がんや原発性硬化性胆管炎との鑑別が非常に困難で診療に苦慮する例があるとされる。  本症では、ステロイドが奏効するため確定診断がなされれば治療に問題ない例が多いが、診療上、先の2つの疾患との鑑別が非常に重要となる。

CVDのない患者へのアスピリン投与は有効か/JAMA

 心血管疾患のない人へのアスピリン投与は、心血管リスクを低減する一方で、大出血リスクを増大することが、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのSean L. Zheng氏らによる、システマティックレビューとメタ解析の結果、示された。著者は、「この情報を、心血管イベントと出血の1次予防におけるアスピリンの使用に関して患者と話し合う際に、伝えるのがよいだろう」と述べている。心血管系の1次予防におけるアスピリンの役割については、出血リスクが増大するという点でベネフィットが限定的であり、なお議論の的になっている。研究グループは、13の無作為化試験を対象にメタ解析を行った。JAMA誌2019年1月22日号掲載の報告。

出揃ったC型肝炎治療薬、最新使い分け法

 相次いで有効な新経口薬が登場し、適切に使い分けることでほぼ全例でウイルス排除が可能となったC型肝炎。しかし、陽性患者の治療への移行割合が伸び悩むなど課題は残っており、医師・患者双方が、治療によるメリットと治療法をより正しく認識することが求められている。1月9日、都内で「C型肝炎の撲滅に向けた残された課題と今後の期待~C型肝炎治療の市販後の実臨床成績~」と題したメディアセミナーが開催され(主催:アッヴィ合同会社)、熊田 博光氏(虎の門病院 顧問)、米澤 敦子氏(東京肝臓友の会 事務局長)が講演した。

ビタミンB12値、がんの早期発見に利用できるか

 ビタミンB12(以下、B12)値の上昇は短期のがんリスク増加と関連しているが、プライマリケアにおけるがんの早期発見における意義は検討されていない。今回、デンマーク・Aarhus University HospitalのJohan F. Arendt氏らが、英国のプライマリケアデータベースを用いたコホート研究で検討したところ、血漿B12値が上昇していると正常値より1年がんリスクが高く、数種のがんがB12代謝に影響を及ぼす可能性が示唆された。著者らは「B12値上昇は、不顕性がんがあることを示すかもしれない」としている。Cancer epidemiology, biomarkers & prevention誌オンライン版2019年1月14日号に掲載。

不安や睡眠の質と飲酒との関係

 睡眠不足の人は、睡眠の質を高めるために不安を和らげようとするが、毎日の飲酒が不安や睡眠障害を緩和する要因であるかはよくわかっていない。台湾・輔仁大学のKe-Hsin Chueh氏らは、不安と睡眠の質との関連および毎日の飲酒が、睡眠不足の人の不安や睡眠の質に対し調整因子として働くかについて、検討を行った。The Journal of Nursing Research誌オンライン版2018年11月28日号の報告。  台湾北部で睡眠不足(ピッツバーグ睡眠質問票:5超)を報告した20~80歳の84例を対象に、横断研究を行った。