糖尿病と食道腺がんリスク(プール解析)/Cancer

提供元:ケアネット

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公開日:2019/09/30

 

 糖尿病とさまざまながんの関係が研究されているが、食道/食道胃接合部の腫瘍との関係は明らかになっていない。米国国立がん研究所(NCI)のJessica L. Petrick氏らは、2,309例の食道腺がん(EA)、1,938例の食道胃接合部腺がん(EGJA)、1,728例のバレット食道(BE)、および1万6,354例の対照を含む、国際バレットおよび食道腺がんコンソーシアム(International Barrett's and Esophageal Adenocarcinoma Consortium:BEACON)の13の研究データを統合し、糖尿病とEA、EGJA、BEの関連についての研究固有のオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を、ロジスティック回帰を用いて推定した。Cancer誌オンライン版2019年9月6日号掲載の報告。

 主な結果は以下のとおり。

・糖尿病によるEAリスクのオッズ比は1.34(95%CI:1.00~1.80、I2=48.8%)、EGJAリスクのオッズ比は1.27(95%CI:1.05~1.55、I2=0.0%)、EAとEGJAを合わせたリスクのオッズ比は1.30(95%CI:1.06~1.58、I2=34.9%)であった。
・胃食道逆流症状がある患者では、糖尿病によるEA/EGJAのリスクはさらに増加し、オッズ比は1.63(95%CI:1.19~2.22、交互作用のp=0.04)であった。
・胃食道逆流症状がない患者では、糖尿病とEA/EGJAリスクとの関連はみられなかった(OR:1.03、95%CI:0.74~1.43)。
・糖尿病とBEの間に一貫した関連性はみられなかった。

(ケアネット 細田 雅之)