神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

ガバペンチノイドと併用薬で薬物中毒リスクが上昇か

 ガバペンチノイド系鎮痛薬(以下、ガバペンチノイド)を他の薬剤と併用すると、薬物中毒のリスクが上昇する可能性が、新たな研究で示された。ガバペンチノイドとオピオイド系鎮痛薬(以下、オピオイド)やベンゾジアゼピン系薬剤(以下、ベンゾジアゼピン)の併用はこのリスクを高め、特に治療初期には顕著なリスク上昇が認められたという。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の薬剤疫学者であるKenneth Man氏らによるこの研究は、「PLOS Medicine」に4月16日掲載された。  Man氏らは、「今回の結果は、ガバペンチノイドが安全ではない、あるいは処方すべきではないことを示すものではない。ただ、特に他の薬剤を使用中の患者に処方する際には注意が必要であり、臨床医は患者を慎重にモニタリングする必要がある」とニュースリリースで述べている。

アルツハイマー病に伴うアジテーションに対するブレクスピプラゾールの安全性解析

 アルツハイマー病では、アジテーションが頻繁にみられる。これは、患者にとって大きな負担となっている。従来、アルツハイマー病に伴うアジテーションのマネジメントには、非定型抗精神病薬などが適応外で使用されてきたが、高齢で脆弱な患者において、安全性が懸念されていた。ブレクスピプラゾールは、アルツハイマー病に伴うアジテーションの治療薬として、近年複数の国で承認された非定型抗精神病薬である。これまでの解析では、ブレクスピプラゾールは、最長24週間まで有効性が報告されており、忍容性もおおむね良好であることが示されていた。

加熱式タバコも頻回な頭痛に関連/JASTIS研究

 加熱式タバコは、従来の紙巻タバコより「有害物質が少ない」と一般的に認識されているが、頭痛との関連についてはエビデンスが限られていた。長岡技術科学大学の勝木 将人氏らの研究グループは、日本の大規模インターネット調査のデータを解析した結果、紙巻タバコだけでなく加熱式タバコの使用も、頻回な頭痛の有病率上昇と独立して関連していることを明らかにした。Headache誌オンライン版2026年3月2日号に掲載。  本研究では、2025年2月〜3月に実施された「日本における社会と新型タバコに関するインターネット調査研究プロジェクト」(JASTIS研究)の回答者のうち2万3,228例(年齢中央値49歳、女性49.3%)を対象とした。

大気汚染は片頭痛発作の引き金となるのか

 片頭痛に悩む人は、睡眠・ストレス・食事などを記録していることが多いが、新たな研究によれば、大気汚染の状況にも注意を払う必要があるようだ。自動車の排気ガスや工場の煙などによる大気汚染は、特に特定の気象条件と組み合わさると、片頭痛発作の重要な誘因となる可能性が示された。ネゲヴ・ベン=グリオン大学(イスラエル)のIdo Peles氏らによるこの研究は、「Neurology」に4月15日掲載された。  本研究では、イスラエル南部の片頭痛患者7,032人(平均年齢46.9歳、女性77.4%)を平均10.23年間追跡し、環境曝露と急性片頭痛発作との関連を検討した。

全身型重症筋無力症、siRNA薬cemdisiranが有効/Lancet

 重症筋無力症(MG)の治療において、補体第5成分(C5)を標的とする低分子干渉RNA(siRNA)薬cemdisiranの、単独療法(12週ごと皮下投与)および抗C5抗体pozelimab(4週ごと投与)との併用療法は、いずれも有効であり概して忍容性は良好であることが、米国・サウスフロリダ大学のTuan Vu氏らNIMBLE Trial Investigatorsが行った第III相二重盲検無作為化プラセボ対照試験「NIMBLE試験」の結果で示された。自己免疫疾患であるMGは、抗体を介した補体活性化により病態形成が促進されることから、抗体の抑制もしくは補体活性を阻害する標的療法の開発が進んでいる。NIMBLE試験では、MGで多くみられるアセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性の全身型MG患者を対象に、cemdisiranの単独療法およびpozelimabとの併用療法の有効性、安全性を評価した。

若年性認知症、そのリスク因子は?

 65歳未満で発症する若年性認知症は、重要な健康上の問題である。しかし、認知症のリスク因子に関する知見の多くは、65歳以降で発症した晩年期認知症の研究から推測されたものである。米国・ミネソタ大学のKatherine Giorgio氏らは、若年性認知症とさまざまな人口統計学的因子、臨床的因子および生活習慣因子との関連性を調査し、それらの推定値を晩年期認知症の場合と比較した。The Lancet Healthy Longevity誌オンライン版2026年4月2日号の報告。  英国および米国における5つの地域ベースの縦断的コホート研究(UKバイオバンク、ARIC[Atherosclerosis Risk in Communities Study]研究、フラミンガム心臓研究、多民族アテローム性動脈硬化症研究[Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis]、ホワイトホールII研究)のデータを統合し、標準化した。

パーキンソン病患者は腎機能低下リスクが約1.9倍/慶應義塾大

 わが国の全国規模の医療保険請求データと健康診断データを用いた疫学コホート研究の結果、パーキンソン病はその後の腎機能低下リスク上昇と関連していることが、慶應義塾大学の満野 竜ノ介氏らによって示された。Nephrology Dialysis Transplantation誌オンライン版2026年4月15日号掲載の報告。  近年、慢性腎臓病(CKD)や末期腎不全(ESKD)などの腎機能低下がパーキンソン病の発症リスク上昇と独立して関連していることが示されているが、パーキンソン病発症後の腎転帰については十分に検討されていない。そこで研究グループは、大規模集団ベースコホートを用いて、パーキンソン病患者とパーキンソン病のない成人の間で腎機能低下のリスクを比較した。

PTSDと片頭痛との関連性は?

 片頭痛は、QOL低下および精神疾患の併発リスクの増加と関連している。そして近年のエビデンスでは、片頭痛と心的外傷後ストレス障害(PTSD)との関連についての関心が高まっている。ドイツ・Carl von Ossietzky Universitat OldenburgのLucie Nitsche氏らは、PTSDと片頭痛との関連性の程度を評価するため、関連する研究から得られた有病率および発生率データを統合し、システマティックレビューを実施した。Headache誌2026年4月号の報告。  MEDLINE(PubMed経由)、EMBASE(Elsevier経由)、PsycInfo(EBSCOhost経由)において、2024年11月22日までに報告された研究を包括的に検索した。

アルツハイマー病の脳変化に性差

 アルツハイマー病の進行に伴う脳の変化には性差があり、通常の診断で用いられている認知機能評価ツールでは、女性の変化が見逃される可能性があるようだ。健常者、軽度認知障害(MCI)患者、アルツハイマー病患者の脳MRI画像を用いた研究において、男性は健常からMCIにかけての初期段階から灰白質体積(GMV)が緩やかに減少し、その後も比較的緩やかに推移するのに対し、女性では初期段階ではGMVが保たれているものの、その後、アルツハイマー病発症までの段階で急激に減少する傾向が示された。米ジョージア州立大学物理学・天文学分野のMukesh Dhamala氏らによるこの研究の詳細は、「Brain Communications」に4月3日掲載された。

フェニルケトン尿症の新治療薬セピアプテリンへの期待/PTCセラピューティクス

 PTCセラピューティクスは、フェニルケトン尿症(PKU)の治療薬セピアプテリン(商品名:セピエンス)の発売に伴い、都内でメディアセミナーを開催した。わが国のPKUの発生頻度は約6万人の出生に1人の割合で、年間20人前後が診断され、累計で800人以上の患者が報告されている。PKUは未治療や管理が不十分な状態が続くと知的障害、痙攣発作、発達遅延など重度かつ不可逆的な障害が生じる。治療の基本は食事療法で、フェニルアラニン(Phe)が多く含まれる特定の食材(肉・魚・卵など)の摂取が厳しく制限される。