神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

早期および晩期発症のアルツハイマー病における抗Aβ免疫療法後の脳容積推移

 抗アミロイドβ免疫療法(AAT)の試験において、脳容積減少の加速が観察されている。しかし、早期発症アルツハイマー病(EOAD)と晩期発症アルツハイマー病(LOAD)における、この逆説的な現象については、依然として十分にわかっていない。米国・ウェストバージニア大学のRashi I. Mehta氏らは、EOADおよびLOADにおけるAAT後の脳容積の変化をレトロスペクティブに解析した。Alzheimer's & Dementia誌2026年8月22日号の報告。  AAT開始後1年間の脳容積の変化をレトロスペクティブに解析した。脳容積の年間変化率を算出し、線形混合効果モデルを用いて、EOADとLOADにおける脳容積の経時的変化を評価した。

小児の毎日続く頭痛、専門医受診遅延が治療結果に及ぼす影響が明らかに

 小児の毎日続く頭痛(連日性頭痛)は、難治性であり、日常生活に支障を来す疾患である。しかし、連日性頭痛の発症から専門医への初回受診までの期間が臨床アウトカムに及ぼす影響については、これまで明らかになっていなかった。兵庫医科大学の徳永 沙知氏らは、連日性頭痛を呈した小児および青年を対象に初回受診までの期間と症状改善までの期間との関係を明らかにするため、レトロスペクティブ観察研究を実施した。Medical Sciences誌2026年7月27日号の報告。  対象は、連日性頭痛を呈した小児および青年51例。受診までの期間は、頭痛が連日性となった日から初回受診日までの期間と定義した。

脳卒中後のリハビリ、AHA/ASAが新ガイドラインを公表

 サンフランシスコでメイクアップアーティストとして働いていたSara Kutzleさんは、39歳のときに脳卒中を発症し、1週間にわたって集中治療を受け、1カ月間入院した。退院後のKutzleさんは、何カ月もかけて、歩くことや文字を書くこと、右利きのアーティストとして再び仕事をすることなど、日常生活や仕事に必要な能力を一から身に付け直す必要があった。彼女はニュースリリースの中で、「当初は体の回復に集中していたが、すぐに、回復にはそれ以上のことが関わっていると気付いた。自信、メンタルヘルス、人間関係、自立しているという感覚の全てが影響を受けた」と振り返っている。

クリーニング店の近くに住む人はパーキンソン病リスクが高い?

 クリーニング店の近くに住んでいる人では、パーキンソン病リスクが上昇する可能性があるようだ。8月5日付で「npj Parkinson’s Disease」に早期公開された研究で、ドライクリーニングを扱うクリーニング店(以下、クリーニング店)から約500フィート(約152 m)以内に住んでいる人では、4~5マイル(約6.4~8 km)離れた場所に住んでいる人と比べて、パーキンソン病である可能性が高いことが示された。また、自宅がクリーニング店から離れているほど、パーキンソン病リスクは低かったという。

原因不明の失神、14日間携帯型ECGモニタリングで再発率は改善するか/NEJM

 欧米では、失神を主訴に救急診療科を受診した患者の約50%が原因不明で、1ヵ月以内に約7%が臨床的に重篤な病態を呈するため、血管迷走神経性および起立性低血圧などによる良性の失神と、不整脈などによる心原性失神の鑑別が課題である。また、失神患者の約50%が1年以内に再発するが、不整脈が特定されて治療を受けると再発率は約10%に低下することが知られ、早期診断が重要である。英国・エジンバラ大学のMatthew J. Reed氏らASPIRED Investigatorsは「ASPIRED試験」で、救急外来受診時に原因が特定されなかった失神患者において、携帯型心電図(ECG)による14日間のモニタリングを実施しても、標準治療と比較して1年後の患者報告による失神発作回数が低減しなかったことを示した。研究の詳細は、NEJM誌オンライン版2026年8月31日号に掲載された。

全国に整備が義務付けられた「認知症疾患医療センター」その地域格差は

 日本の認知症施策では、各2次医療圏に1ヵ所以上の認知症疾患医療センターを設置し、地域を問わず専門的な認知症医療サービスへの公平なアクセスを確保することが求められている。新潟医療福祉大学の馬場 美彦氏らは、認知症疾患医療センターの地理的・気候的特性および地理的アクセシビリティを明らかにするとともに、各2次医療圏への設置方針にもかかわらず同施設が未設置である2次医療圏の地理的特性を解明することを目的とし、本研究を実施した。BMJ Open誌2026年8月14日号の報告。

ショウガは片頭痛予防に有効?

 オーストラリア・Bond UniversityのTiffany Atkins氏らは、片頭痛の治療およびマネジメントにおけるショウガの有効性を明らかにするため、ランダム化比較試験(RCT)のシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。BMJ Evidence-Based Medicine誌オンライン版2026年8月14日号の報告。  ショウガの単独または補助療法の効果を、プラセボまたは通常の有効対照薬(バルプロ酸、アミトリプチリン、スマトリプタンなど)と比較したRCTを対象とした。2025年3月26日(2026年4月16日に更新)までに公表された研究をPubMed、Embase、CINAHL、PsycINFO、Epistemonikos、Cochrane CENTRALより検索した。採用された対象研究について、引用文献および被引用文献のフォローアップ調査(前方・後方検索)を実施した。2人の著者が独立して文献のスクリーニングとデータ抽出を行い、Cochrane Risk of Bias 2(ROB 2)ツールを用いてバイアスのリスクを評価した。主要評価項目には、治療後の頭痛重症度または疼痛スコア、治療後に疼痛消失または疼痛緩和が得られた患者の割合、片頭痛発作の頻度と持続時間、片頭痛に伴う症状を含めた。ランダム効果モデルを用いたメタ解析を実施し、Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation(GRADE)手法を用いてエビデンスの確実性を評価した。

専門医への紹介を要したせん妄、認知症・せん妄既往・大量飲酒が関連

 せん妄は、注意・意識・認知機能が急性に変化し、患者の安全や治療経過に影響する。今回、専門チームへの紹介を経て診断されたせん妄には、認知症、せん妄既往歴、大量飲酒が関連することが、2万人超の入院患者を対象とした研究で明らかになった。研究は、奈良県立医科大学附属病院精神医療センターの松田恵美氏、同大学健康管理センター・精神医学講座の山室和彦氏らによるもので、詳細は7月30日付の「PCN Reports」に掲載された。  せん妄は、入院中の合併症で、短期間に注意力や意識、認知機能の障害が生じ、高齢者や身体的に弱い患者に多い。

脳深部刺激療法で外傷性脳損傷後の発話・嚥下機能が改善か

 脳に電極を植え込んで電気刺激を与える脳深部刺激療法(DBS)が、外傷性脳損傷(TBI)後の構音障害や嚥下障害の改善を促す可能性が、新たな研究で示された。このDBSは、脳深部の領域である運動視床に低周波の電気刺激を与えるもの。今回の小規模研究では、薬物治療抵抗性の左右非対称な本態性振戦の治療目的でDBS用電極の植え込みを受けた8人を対象に低周波のDBSを行ったところ、顔面筋および口腔咽頭筋の運動出力が増強したことが確認された。さらに、TBI後に重度の構音障害と中等度の嚥下障害を来した患者1人でも、発話や嚥下機能の改善が認められた。

アプリが認知症患者のアジテーションや攻撃性への対処を支援

 WeCareAdvisorと呼ばれるウェブベースのアプリを利用することで、介護者は薬に頼らずに認知症の家族によりうまく対処できる可能性が、新たな研究で示された。このアプリは、認知症患者に見られるアジテーションや攻撃性などの行動として現れる症状(以下、行動症状)に介護者が対処するための方法を提供する。アプリの使用により、こうした行動症状の頻度や重症度が有意に低下するわけではないものの、介護者がそれらの症状によって感じる苦痛は時間の経過とともに軽減し、ウェルビーイングも改善することが示されたという。米ドレクセル大学看護・医療専門職学部名誉学部長のLaura Gitlin氏らによるこの研究結果は、8月6日付で「Journal of the American Geriatrics Society」に報告された。