神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

生涯学習は認知症リスクの低下と関連

 米国の実業家であるヘンリー・フォード(Henry Ford)氏はかつて、「20歳であろうと80歳であろうと、学ぶことをやめた人は老いている。学び続ける人はいつまでも若い」と述べているが、この言葉には確かな根拠があるようだ。生涯にわたり学習を続ける人は、アルツハイマー病(AD)のリスクが低く、脳の老化も緩やかになることが、新たな研究で明らかにされた。米ラッシュ大学医療センター精神科・行動科学分野のAndrea Zammit氏らによるこの研究の詳細は、「Neurology」に2月11日掲載された。

脳インプラントがパーキンソン病の歩行をリアルタイムで把握

 新たな脳インプラントにより、キッチンまで歩く、公園を散歩するなど、日常生活の中で何らかの動作をしているパーキンソン病患者から歩行に関連する脳信号をリアルタイムで記録し、その場で歩行中か否かを判定できることを示した研究結果が報告された。この完全埋め込み型のインプラントを使用することで、医師はパーキンソン病患者の運動機能をより効果的に改善できる可能性がある。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のDoris Wang氏らによるこの研究結果は、「Science Advances」に2月13日掲載された。

小児のドラベ症候群、zorevunersenが有望/NEJM

 ドラベ(Dravet)症候群は、主にSCN1A遺伝子のハプロ不全によって引き起こされる重篤な発育性てんかん性脳症であり、てんかんを有する一般集団と比較して、てんかんによる予期せぬ突然死および認知機能障害のリスクが高いとされる。米国・Northwestern University Feinberg School of MedicineのLinda Laux氏らは、2つの臨床試験(MONARCH試験およびADMIRAL試験)と、その延長試験(SWALLOWTAIL試験およびLONGWING試験)において、zorevunersenの投与により、痙攣発作の頻度が大幅に低下し、有害事象の多くは軽度または中等度であったことを示した。

日本の実臨床における片頭痛予防薬CGRP関連抗体の治療継続率は

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)関連抗体は、片頭痛治療に有効な注射剤である。名古屋大学の種井 隆文氏らは、日本の実臨床におけるCGRP関連抗体治療の継続率、再開率、中止率を評価するため本研究を実施した。Neurology International誌2025年12月24日号の報告。  対象は、CGRP関連抗体治療を開始後3ヵ月以上のフォローアップ調査を受けた未治療の片頭痛患者。CGRP関連抗体治療の継続、中止、再開の決定は、患者の自由意思に基づいて行われた。

アルツハイマー病に伴うアジテーションに対するブレクスピプラゾールの最適な投与量は

 アジテーションは、アルツハイマー病による認知症患者にとって最も苦痛な神経精神症状の1つであり、患者のQOLに重大な影響を及ぼし、介護者の負担を増大させる。ドーパミン受容体パーシャルアゴニストであるブレクスピプラゾールは、アジテーションのマネジメントに有望な薬剤である。パキスタン・King Edward Medical UniversityのHammad Javaid氏らは、アルツハイマー病に伴うアジテーションのマネジメントに対するブレクスピプラゾールの有効性と安全性を評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Neurological Sciences誌2026年1月29日号の報告。

約5人に1人が耳鳴りが原因で労働時間を減らしている

 耳鳴りは、簡単にやり過ごせるもののように思われがちだ。しかし、最新の研究によると、耳鳴りは人のキャリアに大きな影響を及ぼす可能性があるようだ。約5人に1人の成人が、耳鳴りが原因で労働時間を減らしたり、仕事を辞めたことがあると回答したことが明らかになった。英アングリア・ラスキン大学のEldre Beukes氏らによるこの研究結果は、「Brain Sciences」に1月29日掲載された。Beukes氏は、「一部の人にとって、耳鳴りは単なる持続的な音以上のものだ。安定した雇用や職場でのウェルビーイングの妨げとなり、難聴や不安、睡眠トラブルを引き起こすことも珍しくない」と述べている。

脳外傷後の迅速な神経リハがアルツハイマー病のリスクを抑制する

 外傷性脳損傷(TBI)がアルツハイマー病(AD)や認知症のリスク上昇と関連していることが疫学研究から示されている。一方、TBI後の神経リハビリテーション(神経リハ)がそのリスクを抑制し得ることを示唆する、複数の研究結果が報告されている。ただし、神経リハ開始のタイミングによってAD等のリスクが異なるのかは明らかでない。米ケース・ウェスタン・リザーブ大学のAustin A. Kennemer氏らはこの点について、リアルワールドの医療情報データベースであるTriNetXを用いて、米国内の大規模医療機関69施設の患者データを解析し検証した。結果の詳細は「Journal of Alzheimer's Disease」に10月9日掲載された。

高次脳機能障害者支援法成立で期待される当事者へのメリット/サンバイオ

 2026年2月に行われたサンバイオのメディアラウンドテーブルにて、日本高次脳機能障害友の会理事長の片岡保憲氏とサンバイオ代表取締役の森敬太氏が、高次脳機能障害者が置かれた現状と、昨年(2025年)に成立した同支援法に対する期待について発表した。  高次脳機能障害として国内で診断を受けている当事者数は約23万人だが、未診断者を合わせると30万〜50万人に達する可能性もあるとされる。原因の8割は脳卒中などの脳血管疾患である。高次脳機能障害では、主に注意障害(1つのことが続けられないなど)、記憶障害(新しい記憶が覚えられないなど)、遂行機能障害(計画が立てられないなど)、社会行動障害(些細なことでイライラしたり興奮するなど)などが現れる。

片頭痛に対するCGRP関連抗体薬、2年間の長期治療継続の有用性評価

 スペイン・バルセロナ自治大学のEdoardo Caronna氏らは、片頭痛におけるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)関連抗体の長期的有効性と治療持続性および2年間の治療継続に関連するベースライン特性を明らかにするため、プロスペクティブコホート観察多施設レジストリ研究を実施した。Neurology誌2026年2月24日号の報告。  治療期間が24ヵ月に到達した群(ON群)における1ヵ月当たりの頭痛日数(MHD)の変化をベースラインと比較した。6、12、18、24ヵ月の4つの時点における治療反応パターンを解析した。持続的効果の定義は、4つの時点のうち3つ以上でMHDが50%以上減少した場合とした。ON群と、効果不十分のため中止した群(OFF群)のベースライン特性を比較した。

薬剤性パーキンソニズムリスク、8つの抗精神病薬比較

 薬剤性パーキンソニズムは、主に抗精神病薬によるドパミンD2受容体阻害により引き起こされる。しかし、in vitro試験では、実臨床における臨床転帰の変動性を十分に反映できないケースが多くみられる。韓国・Gachon UniversityのWoo-Taek Lim氏らは、in vitroの薬理学的指標が抗精神病薬使用に伴う薬剤性パーキンソニズムの実臨床リスクと一致するかどうかを評価するため、本研究を実施した。JMIR Public Health and Surveillance誌2026年1月28日号の報告。