神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

高次脳機能障害者支援法成立で期待される当事者へのメリット/サンバイオ

 2026年2月に行われたサンバイオのメディアラウンドテーブルにて、日本高次脳機能障害友の会理事長の片岡保憲氏とサンバイオ代表取締役の森敬太氏が、高次脳機能障害者が置かれた現状と、昨年(2025年)に成立した同支援法に対する期待について発表した。  高次脳機能障害として国内で診断を受けている当事者数は約23万人だが、未診断者を合わせると30万〜50万人に達する可能性もあるとされる。原因の8割は脳卒中などの脳血管疾患である。高次脳機能障害では、主に注意障害(1つのことが続けられないなど)、記憶障害(新しい記憶が覚えられないなど)、遂行機能障害(計画が立てられないなど)、社会行動障害(些細なことでイライラしたり興奮するなど)などが現れる。

片頭痛に対するCGRP関連抗体薬、2年間の長期治療継続の有用性評価

 スペイン・バルセロナ自治大学のEdoardo Caronna氏らは、片頭痛におけるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)関連抗体の長期的有効性と治療持続性および2年間の治療継続に関連するベースライン特性を明らかにするため、プロスペクティブコホート観察多施設レジストリ研究を実施した。Neurology誌2026年2月24日号の報告。  治療期間が24ヵ月に到達した群(ON群)における1ヵ月当たりの頭痛日数(MHD)の変化をベースラインと比較した。6、12、18、24ヵ月の4つの時点における治療反応パターンを解析した。持続的効果の定義は、4つの時点のうち3つ以上でMHDが50%以上減少した場合とした。ON群と、効果不十分のため中止した群(OFF群)のベースライン特性を比較した。

薬剤性パーキンソニズムリスク、8つの抗精神病薬比較

 薬剤性パーキンソニズムは、主に抗精神病薬によるドパミンD2受容体阻害により引き起こされる。しかし、in vitro試験では、実臨床における臨床転帰の変動性を十分に反映できないケースが多くみられる。韓国・Gachon UniversityのWoo-Taek Lim氏らは、in vitroの薬理学的指標が抗精神病薬使用に伴う薬剤性パーキンソニズムの実臨床リスクと一致するかどうかを評価するため、本研究を実施した。JMIR Public Health and Surveillance誌2026年1月28日号の報告。

未破裂脳動脈瘤のある健康な人、全死亡リスクが5倍に

 MRIの普及に伴い、症状のない未破裂脳動脈瘤(UIA)が偶然発見される機会が増加している。しかし、偶然発見されたUIAを持つ人の長期的な死亡率や死因については、これまで十分に解明されていなかった。佐賀大学の緒方 敦之氏らが実施した、脳ドック受診者を対象とした前向きコホート研究「The Kashima Scan Study」の結果、偶然UIAが発見された健康な人は、UIAがない人と比較して全死亡リスクが約5倍高く、その主な死因は動脈瘤の破裂ではなく悪性腫瘍であることが判明した。Stroke and Vascular Neurology誌オンライン版2026年2月24日号に掲載。  本研究では、2005年12月~2011年11月に脳ドックを自費で受診した神経学的に健康な成人1,670例(平均年齢57.7歳[範囲23~84]、男性47.5%)を対象とした。平均追跡期間8.7年(SD 2.3)において、MRAで診断されたUIAの有無と死亡率の関連性を、年齢、性別、高血圧、糖尿病、喫煙習慣などの要因を調整したCox比例ハザードモデルを用いて評価した。

慢性片頭痛に対する抗CGRP抗体とCGRP受容体拮抗薬併用療法の有用性は?

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)をターゲットとした単独療法を受けている患者は、片頭痛症状への治療反応が遅延する場合がある。また、このような治療を受けている患者は、妥当な期間内に片頭痛症状の軽減がみられないこともある。一部の臨床医は、相乗効果を高めることを目的として、CGRP分子および受容体を標的とする低分子拮抗薬(SMA)とリガンドモノクローナル抗体(L-mAb)の併用療法を選択している。米国・ハワイ大学のHo Hyun Lee氏らは、相乗効果のあるSMAとL-mAbの併用療法を受けている患者におけるCGRP併用療法の安全性と有効性を、CGRP単独療法と比較するため、実臨床におけるレトロスペクティブレビューを実施した。Pain Physician誌2026年1月号の報告。

神経血管老化の予防戦略、農業や園芸が有効な可能性は

 農業または園芸活動は、健康維持や生活習慣病の予防に効果的である可能性のあるシンプルな戦略である。しかし、脳卒中や認知症などの神経血管老化に関連する疾患の発症に対する予防効果は、依然としてよくわかっていなかった。久留米大学の菊池 清志氏らは、定期的な農業または園芸における身体活動(AGPA)の神経血管老化に対する予防効果とその根底にあるメカニズムについて、2つのアプローチを用いて包括的に調査した。Frontiers in Aging Neuroscience誌2025年12月2日号の報告。

アルツハイマー病「p-tau217血液検査」が高精度に病理検出、日本人で確認

アルツハイマー病(AD)の確定診断には、これまで高額なPET検査や身体的負担の大きい脳脊髄液検査が必要であり、より簡便な血液バイオマーカーの活用が期待されている。新潟大学の春日 健作氏らの研究グループは、日本人を対象とした多施設共同研究「J-ADNI」の臨床検体の解析により、血漿中のリン酸化タウ217(p-tau217)が、アミロイド病理の検出および将来のAD発症予測において、きわめて高い精度を持つことを明らかにした。The Journal of Prevention of Alzheimer's Disease誌オンライン版2026年2月6日号に掲載。

筋強直性ジストロフィー1型、del-desiranが有望/NEJM

 筋強直性ジストロフィー1型(DM1)は、常染色体優性遺伝性の進行性神経筋疾患であり、DMPK遺伝子の3'-非翻訳領域におけるCTGリピートの伸長によって発症する。本症は、身体機能障害を引き起こし、余命を短縮させるが、承認された治療法はない。米国・Virginia Commonwealth UniversityのNicholas E. Johnson氏らは「MARINA試験」において、本症の治療薬として開発中の抗体-オリゴヌクレオチド複合体delpacibart etedesiran(del-desiran[AOC 1001])の筋組織への送達が一部の患者で確認され、異常な選択的スプライシング(ミススプライシング)の改善を示唆するデータを得たことを報告した。del-desiranは、抗体部分がトランスフェリン受容体1を、オリゴヌクレオチド部分がDMPK遺伝子mRNAを標的とする。研究の成果は、NEJM誌2026年2月19日号で発表された。

アルツハイマー病に伴うアジテーションに対するブレクスピプラゾールの有用性~臨床試験結果の統合解析

 米国・ネバダ大学のJeffrey L. Cummings氏らは、ブレクスピプラゾール2mg/日または3mg/日のアルツハイマー病に伴うアジテーションの治療における有効性を評価するため、統合臨床試験データに基づく解析を実施した。Clinical Drug Investigation誌オンライン版2026年1月27日号の報告。  介護施設または地域社会に居住するアルツハイマー病に伴うアジテーションを有する患者を対象に、ブレクスピプラゾール固定用量を投与した2つの12週間多施設共同ランダム化二重盲検プラセボ対照第III相試験のデータを統合した。有効性評価項目には、Cohen-Mansfield Agitation Inventory(CMAI)合計スコア(29種のアジテーション症状の頻度を測定)、臨床全般印象度-重症度(CGI-S)スコア、CMAI因子スコア(攻撃的行動、身体的非攻撃的行動、言語的興奮行動)、治療反応率を含めた。

脳卒中管理で非専門医が押さえておきたい重要ポイントは?「脳卒中治療ガイドライン」改訂

一次・二次予防でさまざまな診療科との連携が必要になる脳卒中。2025年8月には『脳卒中治療ガイドライン2021[改訂2025]』が発刊され、本書より「改訂のポイント」が各章の冒頭に新設、前版からの改訂点やその経緯が把握しやすい仕様に変更された。近年の知見もタイムリーに反映し、140項目中52項目のエビデンスレベルが見直されている。そこで今回、非専門医が本書を手に取る際に理解しておきたい改訂点や取りこぼしてはいけない点を中心に、ガイドライン作成委員長の黒田 敏氏(富山大学脳神経外科 教授)に話を聞いた。