神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:4

日本の内科医と精神科医でアルツハイマー病に伴うアジテーションに対する治療方針が異なっている?

 認知症の行動・心理症状であるアジテーションは、日本ではいまだ十分に認識されていない。東京慈恵会医科大学の品川 俊一郎氏らは、日本におけるアルツハイマー病に伴うアジテーションに対する医師の認識と治療実践を明らかにするため、ウェブベースの横断調査を実施した。Scientific Reports誌オンライン版2026年5月7日号の報告。  調査対象は、神経内科、脳神経外科、精神科、または一般内科の医師で、調査パネルに登録し、参加に同意した医師。病院またはクリニックで勤務し、月10例以上のアルツハイマー病患者を診療していることを条件とした。調査は、2024年10月にウェブベースで実施した。

早期パーキンソン病へのprasinezumab、レボドパ併用で進行遅延の可能性/Lancet

 安定した対症療法を受けている早期段階のパーキンソン病患者の治療において、prasinezumab(αシヌクレイン凝集体のC末端に結合するヒト化モノクローナル抗体)を追加しても運動症状の進行の有意な遅延をもたらさないが、探索的解析の結果などから有望な疾患修飾治療となる可能性が示唆されることが、スイス・F. Hoffmann-La RocheのTania Nikolcheva氏らが実施した「PADOVA試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2026年5月30日号で報告された。  PADOVA試験は、欧州と北米の9ヵ国110施設で実施した第IIb相二重盲検無作為化プラセボ対照比較優越性試験(F. Hoffmann-La Rocheの助成を受けた)。

阪神ファンの認知症患者、優勝後にBPSDが大きく改善!?

 認知症は、認知機能の低下とそれに伴う行動・心理症状(BPSD)を特徴とする疾患であり、社会問題として深刻化している。大阪・脳神経内科はつたクリニックの初田 裕幸氏は、日本の関西地方に在住する認知症患者855例を対象に、プロ野球の試合結果とBPSDの変化との関連を調査するため、探索的レトロスペクティブ研究を実施した。Geriatrics & Gerontology International誌2026年5月号の報告。 ・阪神タイガースファンの認知症患者19例において、2023年のセントラルリーグ優勝後、BPSDスコアの有意な低下が認められた。

慢性期外傷性脳損傷に初の再生医療 バンデフィテムセル発売/サンバイオ

 サンバイオが開発した細胞治療薬バンデフィテムセル(商品名:アクーゴ)が慢性期外傷性脳損傷(TBI)の治療に承認・発売された。2026年6月に行われた「アクーゴ脳内移植用注発売メディアセミナー」で紹介された基礎と臨床の専門家の知見を詳報する。  再生医療においては幹細胞が非常に大きな役割を果たす。幹細胞には体を構成するほぼすべての組織に分化可能な多能性幹細胞(iPS細胞やES細胞)と一定の限られた細胞種に分化する体性幹細胞(間葉系幹細胞、造血幹細胞、神経幹細胞など)がある。体性幹細胞は生体組織に存在するため、選択的に増やすあるいは分離することで再生医療に活用できる。

猛暑への長期曝露、認知症発症リスクを高める可能性

 猛暑は熱中症や心血管イベントのリスク因子として知られているが、認知症発症に対する長期的影響については十分なエビデンスが蓄積されていない。日本の大規模高齢者コホートを用いて、長期にわたる極端な暑熱曝露と認知症発症および全死亡との関連を検討した結果が発表された。東京科学大学・公衆衛生学分野の森田 彩子氏らによる本研究は、Alzheimer's & Dementia誌2026年1月4日号に掲載された。  2016~19年に実施された日本老年学的評価研究(Japan Gerontological Evaluation Study:JAGES)の縦断データを用いた。

タウPET検査、トレーサー選択がアルツハイマー病診断の精度に影響/Lancet

 アルツハイマー病の診断、進行ステージおよび治療の選択において重要なバイオマーカーとして注目されるタウPET画像について、検査で使用する放射性医薬品(トレーサー)の選択により、年齢やアルツハイマー病の進行段階を問わず、タウ病理の検出頻度に違いが生じることが、米国・ピッツバーグ大学のGuilherme Povala氏らによる「HEAD試験」の結果で示された。トレーサーとして、[18F]MK6240はフロルタウシピル(18F)(商品名:タウヴィッド)と比較して、認知機能正常例および認知障害例のいずれにおいても、タウ病理を有する人をより多く特定した。著者らは、「この結果は、臨床試験における患者層別化やより精度の高い治療方針決定に、直接的な影響を与えるものである」とまとめている。Lancet誌2026年5月30日号掲載の報告。

疫学研究のメタ解析論文は注意して読まないといけない(解説:折笠秀樹氏)

 メタ解析とは、複数の研究結果の統合解析のことである。対象とする研究は薬剤などの臨床試験(主にRCT)が多いが、ここで扱われたのは疫学研究のメタ解析である。前向きコホートのメタ解析が89報、後ろ向きコホートのメタ解析が35報、全部で124報の疫学研究メタ解析を調査対象とした。論文中の主要アウトカムが、当初計画していたのと同じだったかどうかを調査した。当初計画については、登録サイト(ClinicalTrials.gov)を参照した。  主要アウトカムが論文で変更されていた例が60報(48%)もあった。

レビー小体型認知症の発症率は考えられているよりも高い可能性

 米CNN創業者テッド・ターナー(Ted Turner)氏の命を奪った進行性の脳疾患であるレビー小体型認知症(DLB)の発症率は10万人年当たり約4.8例と、これまで考えられていたよりも高い可能性が、新たなエビデンスレビューで示唆された。この発症率は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、一部の認知症や非定型パーキンソン症候群(非定型パーキンソニズム)などのより広く知られている神経変性疾患の発症率よりも高いという。バーリ大学(イタリア)のDaniele Urso氏らによるこの研究結果は、「JAMA Neurology」に5月11日掲載された。Urso氏らは、「DLBは、主に高齢になってから発症する認知症であり、他のいくつかの比較的まれな神経変性疾患よりも発症頻度が高い」と結論付けている。

アルツハイマー病のバイオマーカー、中年期にも検出可能か/Lancet

 アミロイドβ(Aβ)およびリン酸化タウ(p-tau)タンパク質の蓄積を特徴とするアルツハイマー病の神経病理学的所見は、主に高齢者の検体のバイオマーカーを用いて評価しており、中年期の血漿バイオマーカーの状態や、その認知機能との関連はほとんど知られていないという。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のXiaqing Jiang氏らは、これらの血漿バイオマーカーによって定義されるアルツハイマー病の神経病理学的陽性所見は、相対的に頻度は低いものの、中年期にも検出可能であり、認知能力の低下やその加速と関連し、特定の集団においてより強い関連性を持つ可能性があることを示した。研究の成果はLancet誌2026年5月30日号で報告された。

アルツハイマー病に対するアーモンド効果、その結果は?

 アーモンドは、脳の強壮や記憶力向上において、ペルシャ医学でたびたび推奨されている。また、いくつかのエビデンスにおいても、アーモンドの記憶力への効果が裏付けられている。イラン・Iran University of Medical SciencesのMohsen Mohajeri氏らは、アルツハイマー病患者におけるアーモンドの記憶力および認知機能への影響を評価するため、ランダム化比較試験を実施した。Avicenna Journal of Phytomedicine誌2026年3・4月号の報告。  本ランダム化比較試験では、軽〜中等度の認知機能障害を有するアルツハイマー病患者60例を対象に、アーモンド摂取群(1日10gの粉末スイートアーモンドと小さじ1杯の粉末ロックキャンディを既存の処方薬に加えて摂取)または対照群(既存の処方薬を継続)にランダムに割り付け、3ヵ月間フォローアップを行った。