神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:110

中年期のBMIと認知症リスク~59万人のメタ解析

 スイス・ジュネーブ大学のEmiliano Albanese氏らが、中年期のBMIと認知症との関連について、相反する19研究における約59万人のメタ解析を行った結果、中年期の肥満が認知症リスクを増加させることが示された。一方、低体重と認知症との関連性は依然として議論の余地があるとしている。Alzheimer's & dementia誌2017年6月20日号に掲載。

アメフト経験者の約9割に慢性外傷性脳症/JAMA

 あらゆるプレーレベルの経験者を含む、亡くなった元アメリカンフットボール選手の脳検体202例を調べたところ、その87%で慢性外傷性脳症(CTE)の神経病理学的所見が確認されたことが報告された。とくに元ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)選手の脳検体111例では99%にCTEが認められたという。米国・ボストン大学のJesse Mez氏らによる報告で、JAMA誌2017年7月25日号で発表した。結果を踏まえて著者は、「CTEがフットボールを経験したことに関係していることが示唆された」と述べている。

atalurenはデュシェンヌ型筋ジスに有用か?/Lancet

 ジストロフィン遺伝子にナンセンス変異を認めるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)患者(7~16歳男児)に対する、ataluren治療の有効性と安全性を評価する第III相の国際多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果が発表された。主要エンドポイントとした6分間歩行(6MWD)のベースラインからの変化について、intention-to-treat(ITT)集団および事前規定サブグループのうちベースラインの6MWDが300m未満群または400m以上群においては、ataluren群とプラセボ群で有意差は示されなかったが、同300m以上400m未満群ではataluren群の有意な改善が記録されたという。米国・カリフォルニア大学デービス校のCraig M. McDonald氏らによる検討で、結果はLancet誌オンライン版2017年7月17日号で発表された。

悪性黒色腫とパーキンソン病、相互に発症リスク高

 米国・メイヨークリニックのLauren A. Dalvin氏らは、ロチェスター疫学プロジェクト(Rochester Epidemiology Project:REP)のデータを解析し、悪性黒色腫(皮膚および結膜、ブドウ膜)患者はパーキンソン病(PD)の、PD患者は悪性黒色腫の発症リスクが高く、両者に関連があることを明らかにした。著者は、「さらなる研究が必要であるが、今回の結果に基づき医師は、悪性黒色腫患者にはPDのリスクについてカウンセリングを行い、PD患者に対しては皮膚および眼の悪性黒色腫についてサーベイランスを行うことを検討すべきだろう」とまとめている。Mayo Clinic Proceedings誌2017年7月号掲載の報告。

急性脳卒中後の頭位、仰臥位 vs.頭部挙上のアウトカムを検討(中川原 譲二 氏)-703

急性脳卒中後の頭位について、仰臥位は脳血流の改善に寄与するが、一方で誤嚥性肺炎のリスクを高めるため、臨床現場ではさまざまな頭位がとられている。オーストラリア・George Institute for Global HealthのCraig S. Anderson氏らは、急性虚血性脳卒中患者のアウトカムが、脳灌流を増加させる仰臥位(背部は水平で顔は上向き)にすることで改善するかどうかを検討したHead Positioning in Acute Stroke Trial(HeadPoST研究)の結果をNEJM誌2017年6月22日号で報告した。

アルツハイマー型認知症のセントラルドグマ(解説:岡村 毅 氏)-699

アミロイドが蓄積した無症候高齢者では、将来の認知機能低下が起きやすいことが報告された。将来MMSE得点は低下し、CDRのSum of Boxesは上昇し、ロジカルメモリも低下し、MCIへの進展も多く、FDG-PETでの代謝異常が進行し、海馬は萎縮し、脳室が拡大する。神経学の、そして人類の歴史において重要な論文である。

2040年、英国の認知症者数は120万人/BMJ

 英国の将来的な認知症者は、どれぐらいになるのか。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのSara Ahmadi-Abhari氏らが、2002年以降の発症傾向を基にしたモデル研究で推算し、2040年には2016年現在よりも57%増しの120万人になるとの予測を発表した。最大では190万人に達する可能性もあるという。これまでに英国アルツハイマー病協会が、「年齢特異的認知症有病率が一定のままならば、2050年に英国の認知症者数は170万人超になるだろう」と予測をしている。一方で、英国、オランダおよび米国の研究で、認知症の発症率が減少傾向にあることが示され、研究グループは、動的モデリングアプローチにて将来の認知症の有病率を予測する検討を行った。BMJ誌2017年7月5日号掲載の報告。

急性脳卒中後の体位、仰臥位vs.頭部挙上/NEJM

 急性脳卒中後の治療24時間における患者の体位を、仰臥位とした場合と、30度以上の頭部挙上とした場合について、障害のアウトカムに差は認められなかった。中国・George Institute for Global HealthのCraig S. Anderson氏らが、急性虚血性脳卒中患者のアウトカムが、脳灌流を増加させる仰臥位にすることで改善するかどうかを検討したHead Positioning in Acute Stroke Trial(HeadPoST試験)の結果、報告した。急性脳卒中後の体位について、仰臥位は脳血流の改善に寄与するが、一方で誤嚥性肺炎のリスクがある。また、ガイドラインはあいまいで、臨床現場ではさまざまな体位がとられている。NEJM誌2017年6月22日号掲載の報告。