神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:108

抗うつ薬ランキング、脳卒中後うつ病へ最良の選択肢は

 中国医薬大学のYefei Sun氏らは、脳卒中後うつ病(PSD)に対する抗うつ薬治療の有効性および忍容性(全原因による中止リスク)について、各抗うつ薬の順位比較を行った。BMJ open誌2017年8月3日号の報告。  本検討は、無作為化比較試験のMultiple-treatmentsメタ解析で実施された。対象は、脳卒中後のうつ病患者。PSDの急性期治療において、10種類の抗うつ薬およびプラセボ投与を行った。主要アウトカムは、全うつ病スコアの平均変化として定義される全体的な有効性とした。副次的アウトカムは、全原因による中止リスクとして定義された忍容性とした。これらの推定値は、標準化平均差またはOR(95%CI)とした。

微量リチウム、認知症予防の可能性

 治療用量のリチウムが学習や記憶を改善し、認知症の発症リスクを低下させる可能性があることが、動物やヒトを対象とした研究結果より示唆されている。さらなる予備的研究では、ミクロレベルを含む治療用量以下のリチウムでも、ヒトの認知機能に影響を及ぼす可能性があることが示唆されている。デンマーク・コペンハーゲン大学のLars Vedel Kessing氏らは、飲料水中のマイクロレベルの長期リチウム曝露が、一般集団の認知症発症率に変動を及ぼすかを調査した。JAMA psychiatry誌オンライン版2017年8月23日号の報告。

出生年代別にみた認知症の発症率

 経年的な認知症発症の傾向をよりよく理解するためには年齢とコホート効果を分ける必要があるが、この手法を用いた先行研究はほとんどない。今回、米国・アルベルト・アインシュタイン医学校のCarol A. Derby氏らが、アインシュタイン・エイジング研究に登録された70歳以上の参加者において認知症発症率および心血管系合併症の有病率の傾向を調べた結果、認知症発症率の低下が確認された。しかしながら、著者らは「人口の高齢化を考慮すると、発症率の低下が認知症負担の軽減につながるかどうかは不明」と述べている。JAMA neurology誌オンライン版2017年9月5日号に掲載。

認知症発症への血圧の影響、ポイントは血圧変動:九州大

 これまでの研究では、診察室血圧変動の大きさが、認知障害や認知症のリスク因子であることが報告されている。しかし、家庭での血圧測定によって評価された日々の血圧変動と認知症発症との関連を調べた研究はなかった。九州大学の大石 絵美氏らは、久山町研究に登録されている日本人高齢者の日常血圧変動と認知症リスクとの関連を調査した。Circulation誌2017年8月8日号の報告。

認知症に対する抗精神病薬処方、治療反応の予測因子は:慈恵医大

 東京慈恵会医科大学の永田 智行氏らは、精神病性攻撃的症状を有するアルツハイマー型認知症に対する、非定型抗精神病薬の8週間の治療継続および治療反応を、CATIE-AD(Clinical Antipsychotic Trials of Intervention Effectiveness-Alzheimer's Disease)データを用いて調査した。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2017年8月9日号の報告。

自宅に退院する急性脳卒中患者を予測する5つの因子

 急性期脳卒中入院患者の退院計画は、医療資源の合理的な利用を促進するとともに、臨床アウトカムを改善し患者の経済的負担を軽減する。とくに、退院先の予測は退院計画に重要であることから、京都大学の西垣 昌和氏らのグループは、急性脳卒中後に自宅に退院する可能性が高い患者を予測する5つの変数を特定し、評価モデルを開発した。本モデルは入院後早期に医療従事者が退院を適切に計画するのに役立つだろう、と著者らは記している。Stroke誌オンライン版2017年8月25日号に掲載。

視力低下が認知機能の低下に関連か

 視力障害と認知機能低下は高齢者によくみられるが、両者の関係はよくわかっていない。米国・スタンフォード大学のStephanie P. Chen氏らは、米国の国民健康栄養調査(NHANES)および国民健康加齢傾向調査(NHATS)のデータを解析し、遠見視力障害と主観的視力障害は、認知機能低下と関連していることを示した。著者は今回の結果について、「自己申告の視力を用いている米国のメディケア受益者集団で確認されており、視力障害を有する患者を確認することの重要性を強調するものである。視力と認知機能との間の長期的な相互作用についてさらなる研究が必要である」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年8月17日号掲載の報告。