神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:108

治療抵抗性焦点性てんかんに対する第3世代抗てんかん薬補助療法の間接比較

 第3世代の新規抗てんかん薬として、eslicarbazepine、ラコサミド、ペランパネル、brivaracetamが、最近販売されている。中国・四川大学のZhu Li-Na氏らは、コントロール困難な焦点性てんかんにおける第3世代抗てんかん薬の有用性、忍容性を間接的に比較するためメタ解析を行った。Epilepsy research誌オンライン版2017年11月26日号の報告。

米国における認知症者のホスピスケアに関するコホート研究

 ホスピスケアを利用する認知症者の割合が増加している。しかし、認知症者をケアしているホスピスのタイプやホスピスの使用パターン、また認知症の有無にかかわらず、ホスピスを退所するタイミングについては、よくわかっていない。米国・マウントサイナイ医科大学のAline De Vleminck氏らは、認知症者をケアしているホスピスの特徴、認知症の有無によるホスピスの退所パターン比較、ホスピスの退所に関連する認知症者およびホスピスレベルの特徴を評価するため、検討を行った。Journal of the American Medical Directors Association誌オンライン版2017年11月16日号の報告。

学歴はアルツハイマー病リスクと関連/BMJ

 従来の観察研究では、教育歴はアルツハイマー病のリスクと関連することが示されている。スウェーデン・カロリンスカ研究所のSusanna C Larsson氏らは、今回、修正可能なリスク因子の代替指標として遺伝学的変量を用いたメンデル無作為化試験を行い、学歴が高いとアルツハイマー病のリスクが低いことを明らかにした。研究の成果はBMJ誌2017年12月6日号に掲載された。アルツハイマー病との関連が示唆される修正可能なリスク因子のデータは、主に観察研究によるものであるため、交絡への脆弱性や逆因果バイアスの可能性があり、より頑健なエビデンスが求められている。

反復性片頭痛へのerenumabの予防効果、第III相試験結果/NEJM

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体を阻害する完全ヒトモノクローナル抗体erenumabについて、70mgまたは140mgの月1回皮下投与は、反復性片頭痛患者においてプラセボと比較し、片頭痛の頻度、片頭痛の日常生活への影響および急性期片頭痛治療薬の使用を有意に減少させることが認められた。英国・キングス・カレッジ病院のPeter J. Goadsby氏らが、第III相の多施設無作為化二重盲検プラセボ比較試験「STRIVE試験」の結果を報告した。第II相試験では、erenumab 70mg月1回投与の有効性が示されていた。NEJM誌2017年11月30日号掲載の報告。

てんかんとADHD合併の小児および青年における薬物療法の課題

 てんかんの小児および青年における罹病率は、3.2~5.5/1,000である。また、てんかん患者の約1/3は、ADHD症状を合併している。てんかんとADHDとの関連は、よくわかっていないが、不注意、多動、行動障害などのADHD症状は、しばしば抗てんかん薬の有害作用であると考えられる。イタリア・University of L'AquilaのAlberto Verrotti氏らは、行動に対する抗てんかん薬の影響に関するデータを検索した。Clinical drug investigation誌オンライン版2017年10月25日号の報告。

スタチン長期投与で頸動脈硬化進行を抑制

 スタチンの頸動脈内中膜複合体厚(IMT)の進行抑制効果は、脳梗塞の既往がない欧米人でのみ確認されている。今回、心原性脳梗塞症以外の脳梗塞を発症した日本人において、プラバスタチン(10mg/日、日本における通常用量)の頸動脈IMTへの影響を検討した結果、5年間で頸動脈IMTの進行を有意に抑制したことを国立循環器病研究センターの古賀 政利氏らが報告した。本結果から、低用量(10mg/日)でも長期投与により頸動脈硬化進行を抑制し、アテローム血栓性脳梗塞の再発予防につながることが示唆された。Stroke誌オンライン版2017年11月30日号に掲載。

片頭痛予防薬のfremanezumab、第III相試験でも有効性を確認/NEJM

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とするヒト化モノクローナル抗体fremanezumabについて、慢性片頭痛患者の予防に有効であることが示された。米国・トーマス・ジェファーソン大学のStephen D.Silberstein氏らが1,130例の患者を対象に行った、12週間の第III相無作為化プラセボ対照二重盲検試験で、月1回投与、3ヵ月に1回投与のいずれについてもプラセボより、月の平均頭痛日数が有意に減少したという。研究グループは、「長期の効果持続性と安全性について、さらなる研究が求められる」とまとめている。NEJM誌2017年11月30日号掲載の報告。

筋ジストロフィーへのステロイド治療、10年の追跡調査/Lancet

 デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者において、グルココルチコイドの長期治療は、余命において臨床的に重大な運動能の喪失リスクや上肢疾患進行リスクを抑制するとともに、死亡リスクも抑制することが、米国・カリフォルニア大学デービス校のCraig M. McDonald氏らによる前向きコホート試験の結果、示された。グルココルチコイド治療は、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの標準治療として推奨されている。しかし、長期治療の有益性を評価した試験は数件しかなかった。Lancet誌オンライン版2017年11月22日号掲載の報告。