神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:167

片頭痛と脳病変進行、女性の深部白質病変を除き有意な関連みられず/JAMA

 片頭痛を有する男女のMRI所見を9年前のものと比べて比較した結果、女性では深部白質病変の発生が高率にみられたが、その他のMRIで確認されていた脳病変の進行は有意にはみられなかったことが、また男性ではあらゆるMRI既往脳病変の進行との関連がみられなかったことが報告された。オランダ・ライデン大学医療センターのInge H. Palm-Meinders氏らが、先行研究で片頭痛とMRI脳虚血病変との関連が示されていたことを踏まえて行った検討で、結果について著者は、「脳血管の構造的変化に果たす片頭痛の役割について疑問を呈する所見となった」と述べている。JAMA誌2012年11月14日号掲載報告より。

認知症の進行予防にビタミンEは有効か?

 アルツハイマー型認知症(AD)および軽度認知障害(MCI)進行予防としてのビタミンEについて、ベネフィットがあるという確実なエビデンスはみつからなかったと、英国・サセックス大学のNicolas Farina氏らが報告した。結果を受けて著者は、「今後の試験では、ADにおけるビタミンEの評価をα‐トコフェロールに限定しないで行うべきかもしれない」と提言している。本研究は、ビタミンEにはフリーラジカルを消失する抗酸化作用があり、一方でフリーラジカルがADなど病理学的な認知障害プロセスに寄与するとのエビデンスがあることを踏まえて行われた。Cochrane database of systematic reviews 2012年11月14日掲載の報告。

認知症の前駆症状は?うつ病との関係

 うつ病はアルツハイマー型認知症(AD)の前駆症状であるが、超高齢者におけるうつ病発症は他の病因による認知症の前駆症状ではない可能性が示された。高齢期でのうつ病は年齢とともに低下した認知機能への懸念が積み重なって出現したもので、予測可能であるという。ドイツ・ボン大学のHeser K氏らは、高齢期うつ病が認知症のリスクとなるのか、あるいは認知症の前駆症状であるのかについて調査した。Psychological Medicine誌オンライン版2012年11月9日号の報告。

てんかん発作時の脳炎がPET画像診断活用で明らかに

PET画像診断により、てんかん発作時に関連する脳病変として脳炎が有意に認められることがラット試験において実証された。近年、てんかん治療のターゲットとして炎症カスケードが注目されている。本研究を行ったStefanie Dedeurwaerdere氏らは、「この結果は、てんかん発作時の脳炎の役割とてんかん発作に対する抗炎症薬の評価を、さらに長期的に進めていく後押しとなった」と報告している。EJNMMI Research誌オンライン版2012年11月8日号の掲載報告。

〔CLEAR! ジャーナル四天王(34)〕 高齢者の不安―古くて新しい問題

 本論文は、ベンゾジアゼピンの新規使用が認知症発症の危険因子であるという報告である。認知症の前駆期あるいは初期には抑うつが多くみられることから、ベンゾジアゼピンを処方される機会も多いはずだという批判に対して、本研究では抑うつ症状も統制した多変量解析の結果も示しており、この点もぬかりがない。

てんかんを持つ人のうつ病発症を理解することが急務

てんかんを持つ人は、生涯にわたってうつ病や不安症に罹患する可能性が高いが、その最大リスクは明らかとなっていない。そうした中で、潜在的に重大なリスク因子として心理社会的要因が示唆されている。オーストラリア・シドニー大学のGandy氏らは、システマティックレビューを行い、心理社会的要因が予測因子となうるのか、エビデンスを精緻に評価した。J Affect Disord誌2012年11月号の報告。

ベンゾジアゼピンと認知症リスクの関連:PAQUID試験

 ベンゾジアゼピンの新規使用により認知症リスクが増大することが、フランス・ボルドー・セガレン大学のSophie Billioti de Gage氏らが実施したPAQUID試験で示された。多くの先進国では、診療ガイドラインの有無にかかわらず、高齢者へのベンゾジアゼピンの処方が広く行われ、習慣化している場合も多いという。ベンゾジアゼピンの短期投与の効果はよく知られているが長期投与の有害作用は明確ではなく、認知機能に対する遅発性の有害作用(認知機能低下、認知症)をもたらす可能性が、症例対照試験やコホート試験で指摘されている。BMJ誌2012年10月27日号(オンライン版2012年9月27日号)掲載の報告。

レベチラセタム、部分てんかん患者に対する1年間の使用結果レビュー:聖隷浜松病院

 本邦で2010年9月に承認された新規抗てんかん薬レベチラセタムについて、聖隷浜松病院の山添氏らが臨床での有効性と安全性を評価した結果、「部分てんかんに対して忍容性が良好であり、補助的療法として有効であった」ことを報告した。Brain Nerve 誌オンライン版2012年10月号の報告。  レベチラセタム(LEV)の日本発売以降の約1年間(2010年10月~2011年8月)の聖隷浜松病院のデータベースを用いて、有効性と安全性について後ろ向きに検討した。16歳以上の患者132例のデータのうち、部分てんかん112例、全般てんかん19例についてレビューを行った。