神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:164

筋肉痛の熱感受性に神経成長因子生成が関与?

 遅発性筋肉痛(いわゆる筋肉痛)は、伸張性収縮負荷によって筋侵害受容器の機械感受性が増大することで生じることが知られている。今回、中部大学生命健康科学部のFernando Queme氏、同教授の水村和枝氏らは、ヒトにおいて遅発性筋肉痛時に熱感受性の増大はみられないことを示すとともに、遅発性筋肉痛ラットモデルによる検討で、伸張性収縮による神経成長因子(NGF)の生成量が不十分な場合は熱感受性が増大しない可能性があることを明らかにした。

レベチラセタムの神経活性阻害、新たな機序が判明:熊本機能病院

 抗てんかん薬レベチラセタム(LEV)はユニークな作用機序を有するが、その機序は完全には解明されていない。熊本機能病院の脇田 真仁氏らは、LEVの作用機序を詳細に解明するため、ラットを用いてLEVが海馬苔状線維-CA3ニューロンのグルタミン作動性伝達に及ぼす影響を検討した。その結果、LEVはZn2+誘発性のGABA A を介したシナプス前抑制の阻害を解除し、グルタミン酸を介した興奮性シナプス伝達を低下させることを示した。Journal of Pharmacology Experimental Therapeutics誌オンライン版2013年11月20日号の掲載報告。

難治性てんかん患者に対するレベチラセタムの有用性はどの程度か

 新規抗てんかん薬は、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められない場合の併用療法に使用することが定められているが、どの程度の有効性が期待できるのだろうか。中国・復旦大学のYouxin Fang氏らは、てんかん患者に対しレベチラセタム(LEV)を併用した際の有効性と忍容性を明らかにするためメタ解析を実施した。その結果、LEVの追加はプラセボに比べ、発作を有意に減少させ、忍容性も良好であることを報告した。Journal of Clinical Neuroscience誌オンライン版2013年11月11日号の掲載報告。

非定型抗精神病薬との併用、相互作用に関するレビュー

 統合失調症や双極性障害の治療では抗精神病薬や抗うつ薬、気分安定薬、抗てんかん薬などさまざまな薬剤が用いられることも少なくない。米国・マーサー大学のWilliam Klugh Kennedy氏らは、第二世代抗精神病薬(SGA)について、臨床において重要となる薬物相互作用を明らかにすることを目的に文献レビューを行った。その結果、SGAには臨床において重大な薬物相互作用の可能性を増大するさまざまな因子があることを報告し、臨床医はそれらについて十分に認識すべきであると述べている。CNS Drugs誌オンライン版2013年10月30日号の掲載報告。

片頭痛の予防に抗てんかん薬、どの程度有用か

 片頭痛はしばしば慢性化・難治化する疾患である。海外では、重要の片頭痛患者に対し、抗てんかん薬が使用されている。インド・UP Rural Institute of Medical Sciences and ResearchのArchana Verma氏らは、成人の片頭痛予防に対する、抗てんかん薬レベチラセタム(商品名:イーケプラ、本疾患には国内未承認)の有効性および忍容性を評価した。Clinical neuropharmacology誌2013年11-12月号の報告。

精神症状を有するパーキンソン病にピマバンセリンは有用/Lancet

 精神症状を有するパーキンソン病患者に対し、セロトニン5-HT2A受容体選択的拮抗薬ピマバンセリンは陽性症状を改善することが、第3相臨床試験の結果、報告された。米国・Cleveland Clinic Lou Ruvo Center for Brain HealthのJeffrey Cummings氏らが発表した。パーキンソン病患者では精神症状(幻覚や妄想を含む)を有する頻度が半数以上と高く、同患者の衰弱の要因になっているが難治性である。今回の結果を受けて著者は「治療法がほとんどない精神症状を有するパーキンソン病患者に、ピマバンセリンは有用である可能性がある」と述べている。Lancet誌オンライン版2013年11月1日号掲載の報告より。