腰痛治療に関して男性医師と女性医師とで有意な差

提供元:ケアネット

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公開日:2012/12/11

 

 腰痛症患者の疼痛マネジメントの判断に関して、男性医師と女性医師とで有意な差があることが、オランダ・ユトレヒト大学のDieuwke S Veldhuijzen氏らによる調査の結果、報告された。女性医師のほうが男性医師よりも薬物療法を第一選択とする割合が高いという。これまで、疼痛治療に関するバイアスとして、医師の性差について利用可能な情報はほとんどなかった。Pain Practice誌オンライン版2012年11月23日号の掲載報告。

 研究グループは、医療提供者の性別と患者特性が腰痛治療における選択に影響するかどうかを調査した。

 訓練を受けた医師によって診察された腰痛症患者(男性46%)186例のデータを、レトロスペクティブな観察研究によって検討した。

 初回診察時に、薬物療法、侵襲的治療、その他オプション治療の3つのうち第一治療選択として選んでいたものでグループ分けをし、主要アウトカムとした。カイ2乗検定と多変量ロジスティック回帰分析によって、医師や患者(両方またはどちらか)の性別と治療選択との関連を調べた。

 主な結果は以下のとおり。

・医師の性別は、腰痛症治療における第一選択肢の有意な予測因子であることがみられた。
・女性医師は、第一選択治療として薬物療法をより多く選ぶ傾向が認められた。
・侵襲的治療やその他オプションについては、性別による有意な差はみられなかった。
・これらの傾向に、患者が以前に別の疼痛専門家によって受けていた疼痛治療の影響はみられなかった。
・患者の性別は疼痛管理に関する判断に影響はみられず、患者と医師間の性別の一致、不一致による影響もみられなかった。

(ケアネット)