より低年齢(0~5歳)の子どもほど、パッチテストでよくあるハプテンに対して陽性反応を示す割合が高率であり、またアレルギー性接触皮膚炎はアトピー性皮膚炎と併存しやすい可能性があることが明らかにされた。イタリア・ヴェローナ大学のDonatella Schena氏らが、小児のアレルギー性接触皮膚炎について、アトピー性皮膚炎の有無別に調査を行い報告した。Dermatitis誌2012年11月号の掲載報告。
著者は、「小児のアレルギー性接触皮膚炎の有病率や原因は、時代や地域性により異なるものである」としたうえで、小児のアレルギー性接触皮膚炎のアレルゲンを調べ、アレルギー性接触皮膚炎とアトピー性皮膚炎との関連についても調べた。
7年間にわたって小児349例(0~15歳)にパッチテストを行うコホート研究を実施した。
主な結果は以下のとおり。
・パッチテストの結果、69.3%が1つ以上のアレルゲンに対して陽性反応を示した。69.8%で関連アレルゲンが認められた。
・感作ありの割合が最も高率であったのは0~5歳児(86例、女子64%)の76.7%であった。次いで、6~10歳児(70%、157例、女子47.8%)であり、11~15歳(106例、女子59.4%)では62.3%であった。
・最もよくみられたアレルゲンは、ニッケル(16.3%)であり、コバルト(6.9%)、Kathon CG(5.4%)、重クロム酸カリウム(5.1%)、フレグランスミックス(4.3%)、ネオマイシン(4.3%)と続いた。
・大半の発症は、上肢と手(31%)で認められた。
・被験児の約3分の1には、アトピー性皮膚炎もあった。
・アレルギー性接触皮膚炎は、アトピー性皮膚炎のある小児でより多く認められた。
・パッチテスト陽性は、アトピー性皮膚炎のある子どもでは55.3%(関連アレルゲン50%)であり、アトピー性皮膚炎のない子どもでは76.9%(同77.5%)であった。
・感作性物質は、アトピー性皮膚炎のない子どもでもみられるものであった。
(ケアネット)