最も多い皮膚科医への患者のクレームは「がっかり」

提供元:ケアネット

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公開日:2012/12/24

 

 皮膚科部門に関するクレーム調査の結果、病院の中では皮膚科部門への訴えの割合は低いが、クレーム自体は増加しており、その背景には患者の要求および権利意識の高まりがあると、ポルトガル・Hospital Santo Antonio dos CapuchosのJoana Cabete氏らが報告した。研究グループは本調査を行った前提として、「患者満足度は医療の質を測るのに一般的に用いられるインジケーターであるが、一方で患者は、医療サービスを改善するにあたって重要かつ有効なエージェントであると認知されている。ポルトガルでは苦情や訴訟の解析を通じ、国民保健システム利用者の懸念やニーズを明らかにしながら発展してきた」と述べ、病院の皮膚科外来部門での苦情を解析し、患者はなぜクレームをつけるのかについて調べた。Acta Medica Portugusea誌2012年9月号(オンライン版2012年11月12日号)の掲載報告。

 調査は、2000~2010年に登録された皮膚科部門に照会のあったすべての苦情を解析して行われた。

 主な結果は以下のとおり。

・11年間で記録された皮膚科部門関連の苦情は106件(0.4‰)であった。同期間を通じて増加の傾向が認められた。
・苦情を申し出た患者の多くは、女性(60.4%)であった。
・苦情は「管理部門または組織」に対するものが、「ヘルスケア専門家」に対するよりも、より多く認められた(58.5%対41.5%)。
・前者に対する苦情は主に、その機関の「規定とルール」に言及したもので、次いで「管理の手法」に関連したクレームが続いた。
・「ヘルスケア専門家」群に関する記録における不満はすべて、医師と医療行為に向けられたものであった。
・「期待を裏切られがっかりした」が、医師に向けられた最も頻度の高いクレームカテゴリーであり、次いで「(患者に対する)態度」が続いた。
・皮膚科部門の苦情の割合は、国立病院の平均に対して比較的低いままであった。
・クレームを付ける患者数の増加は、より高い要求と権利を熟知(あるいは欠如)していることによると考えられた。
・以上の結果は、最近よく言われる組織改善の重要性を際立たせ、医師-患者の関係性を強調するものであった。健康教育が、これからの医療への期待値と医療資源をよりうまくマネジメントしていく可能性がある。

(ケアネット)