ダーモスコピー、すでに皮膚科開業医にとってルーチンアイテムに

提供元:ケアネット

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公開日:2013/02/12

 

 ダーモスコピーは皮膚科開業医でどれほど使用されているのか。フランス・Centre Hospitalier Lyon SudのC. Moulin氏らが全国調査を行った結果、有効回答者1,576人のうち94.6%が「使用している」と回答し、「女性」「45歳未満」の医師での使用が有意に高いことなどが発表された。これまで、オーストラリアやアメリカとは異なり、ダーモスコピーはヨーロッパ諸国では広く使用されていると言われていた。しかし、公式に調査発表されたデータはなく、本調査がヨーロッパで行われた初の調査となる。著者は、「分類や選別のバイアスがあるにもかかわらず、ダーモスコピーはすでにフランスの皮膚科開業医には著しく浸透しており、色素性病変と非色素性病変の両方の診療に日常的に用いていることが明らかになった」と結論している。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年1月16日号(オンライン版2012年12月17日号)の掲載報告。

 調査は、フランスの皮膚科開業医におけるダーモスコピーの使用とトレーニングの実態について明らかにし、定量化することを目的とした。

 調査票は、人口動態学的特性、ダーモスコピーの使用とトレーニング、ダーモスコピーに対する医師の見解などが含まれた19項目からなり、郵送でフランスの全皮膚科開業医に送付された。研究グループは、質問のキー項目として「あなたは、ダーモスコピーを使用していますか」に対して回答している調査票のみに着目した。

 主な結果は以下のとおり。

・調査票は3,179人に郵送され、1,611人から回答を得られた。そのうち、解析が可能であったのは1,576人分(49・6%)であった。
・大半の回答者がダーモスコピーを「使用している」(94.6%)と明言し、「1日に数回使用している」(82.7%)、および/または「非色素性病変の診断に使用している」(87.7%)と回答した。
・ダーモスコピーに関するトレーニングは主として、本(75.8%)、および/またはカンファレンス(88.6%)を通して行っていた。また、12.8%が専門学位を取得したことを報告していた。
・ダーモスコピーは、「早期の黒色腫の検出」(86.6%)、「生検の減少」(74.6%)に役立っていた。
・多変量解析の結果、「女性」(オッズ比:1.89、95%CI:1.15~3.10)「45歳未満」(同:2.85、95%CI:1.14~7.11)で、ダーモスコピーの有意に高い使用率が認められた。

(ケアネット)