双極性障害の治療アドヒアランスを改善するには? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/04/05 ブラジル・サンパウロ連邦大学のEmilie Leclerc氏らは、双極性障害の治療アドヒアランスに関連する因子を明らかにする包括的レビューを行った。その結果、非アドヒアランスには複数因子が関与しており、アドヒアランスを高める戦略には、治療同盟の強化、柔軟なトピック、早期介入、集団療法の設定、サイコエデュケーションなどを含む必要があることを報告した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2013年3月9日号の掲載報告。 本研究は、双極性障害の治療アドヒアランスと関連する因子を評価すること、および介入の結果が十分なアドヒアランスに結びついているのかを評価することを目的とした。PubMed、Scielo、LILACS、PsycINFOにて、「双極性障害」「因子」「アドヒアランス」「非アドヒアランス」「コンプライアンス」「介入」をキーワードに文献検索を行った。また、選択した論文の参考文献も検索の対象とした。 主な結果は、以下のとおり。 ・不良なアドヒアランスには、複数の因子が関係していた。 ・たとえば、患者関連因子(例:若い、男性、教育レベルが低い、アルコール・薬物依存症)、障害関連因子(例:発症時年齢が若い、双極性障害の重症度、病識、自覚症状の不足)、治療関連因子(例:薬の副作用、効果)などであった。 ・アドヒアランス改善に推奨されるのは主として、非アドヒアランスの根幹要因に焦点を合わせた個々にカスタマイズした介入、および治療同盟の強化、サイコエデュケーションをベースとしたさまざまな療法の提供であった。 ・なお本検討については、レビューに組み込んだ各文献におけるアドヒアランスの定義、測定が不均一で、得られた知見を普遍化するには限界がある。また、今後の研究において、双極性障害におけるアドヒアランスとその改善のための介入の因子を考慮した検討、とくにスティグマや家族といった社会的因子を考慮した検討が必要である。 関連医療ニュース ・難治性双極性障害患者への併用療法は? ・双極性障害、再入院を減らすには専門外来での治療が必要 ・グルタミン酸トランスポーター遺伝子と統合失調症・双極性障害の関係 (ケアネット) 原著論文はこちら Leclerc E et al. J Affect Disord. 2013 Mar 9. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 60歳以上へのRSVワクチン、承認後初のシーズンの有効性/Lancet(2024/11/01) 異常降雨が全死亡リスクと関連、心血管・呼吸器疾患死亡も/BMJ(2024/11/01) 糖尿病、脳卒中合併高血圧でも積極的降圧が有効―とはいうが、COVID-19ロックダウン下の中国で大規模臨床試験を強行したことに驚き(解説:桑島巌氏)(2024/11/01) 薬物乱用頭痛に対する薬物療法の比較〜ネットワークメタ解析(2024/11/01) 骨髄線維症に10年ぶりの新薬、貧血改善が特徴/GSK(2024/11/01) お茶やベリー類など、フラボノイド摂取が認知症リスクを低下(2024/11/01) 重症の新型コロナ感染者の心臓リスクは心疾患既往者のリスクと同程度(2024/11/01) 救急外来でのChatGPTの活用は時期尚早(2024/11/01) 幸福感が脳卒中や心筋梗塞からあなたを守る(2024/11/01)