血糖降下に影響が大きいのは?高用量BG薬 vs SU薬―DPP-4阻害薬との3剤併用療法

提供元:ケアネット

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公開日:2013/05/08

 

 シタグリプチン、高用量メトホルミン、グリメピリドの3剤併用療法のうち、血糖降下作用に大きな影響を及ぼすのはスルホニル尿素薬(SU薬)グリメピリドであるということが、あらいクリニック・新井桂子氏らにより明らかになった。著者は「このレジメンは、シタグリプチンと高用量メトホルミンの2剤併用療法では血糖コントロールが十分でない患者に有用だろう」としている。Diabetes Technology Therapy誌2013年4月15日号(オンライン版2013年3月12日号)の報告。

 シタグリプチン(商品名:ジャヌビア/グラクティブ)と高用量メトホルミン(同:メトグルコほか)の承認後、SU薬との3剤併用レジメンが報告されることもあった。しかし、実臨床では、重篤な低血糖症例の発現を受けて日本糖尿病学会が発した勧告のため、SU薬の1日投与量を減量し、メトホルミンを増量することでHbA1c値を維持する傾向があった。

 本研究は、オープンラベル単施設ランダム化比較試験。シタグリプチンを含む3剤併用療法において、低用量グリメピリドと高用量メトホルミンによるHbA1c値への影響を検討した。
 
 対象は、HbA1c値7.4%未満を目標にシタグリプチン(50mg)、メトホルミン(1,000mg以上)、グリメピリド(1mg以下)の3剤併用療法を少なくとも3ヵ月間施行している2型糖尿病患者56例。
対象を無作為にメトホルミン50%減量群(27例)、グリメピリド中止群(29例)に振り分け、HbA1c値への影響について比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・メトホルミン減量群26例、グリメピリド中止群27例が治療を完遂した。
・グリメピリド中止群のHbA1c値と血糖値は、メトホルミン減量群よりも有意に上昇した。
・また、その上昇は1~3ヵ月の期間よりも2~3ヵ月間において有意であった。

(ケアネット 武田 真貴子)