統合失調症の急性増悪期、抗精神病薬の使用状況は?:国立精神・神経医療研究センター 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/06/05 統合失調症患者に対し抗精神病薬は、単剤かつ適切な用量で使用されるべきである。国立精神・神経医療研究センターの藤田 純一氏らは、抗精神病薬を必要に応じて追加すること(p.r.n)で、過量投与(CP換算値1,000mg以上)や多剤併用リスクを増加させるかを検討した。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2013年5月28日号の報告。 対象は、統合失調症患者413例(9病院、17の精神科急性期病棟より抽出)。調査日の24時間にわたる、定期処方の投薬データとp.r.nの使用データを回収した。分析には興奮を呈する患者におけるp.r.nに焦点を当てた。p.r.n前後(定期処方の投薬時 vs 追加投与時)での過量投与、多剤併用の比率の差を検討した。分析には、McNemar's testを用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・興奮症状発現時、312例(75.5%)において、追加投与が行われた。そのうち、281例(90.1%)では、抗精神病薬が併用されていた。 ・抗精神病薬を追加投与した患者では、しなかった患者と比較し、総投与量が有意に多くまた併用率もより高かった。 ・興奮症状発現時における、併用薬を含む抗精神病薬の合計投与量は過量投与であり、かつ多剤併用であることが示された。 関連医療ニュース 急性期精神疾患に対するベンゾジアゼピン系薬剤の使用をどう考える 統合失調症、双極性障害の急性期治療に期待! 初回エピソード統合失調症患者に対する薬物治療効果の予測因子は (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Fujita J, et al. Psychiatry Clin Neurosci. 2013 May 28. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22)