高齢者の腰痛、予後を予測する因子は? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/06/21 高齢者の腰痛の回復について、罹病期間、重症度、腰痛の既往歴、膝下への放散痛の有無、合併症の数、患者自身の回復予想、Timed Up and Go(TUG)テストの結果が予後因子となることが明らかになった。報告したオランダ・エラスムスMC大学医療センターのJantine Scheele氏らは、この情報は一般開業医が3ヵ月で回復する見込みのない高齢の腰痛患者を識別するのに役立つとまとめている。Pain誌2013年6月号(オンライン版2013年3月14日号)の掲載報告。 研究グループは高齢者の腰痛の経過を調べ、3ヵ月では回復しない予後因子を同定する目的で前向きコホート研究(BACE研究)を実施した。 対象は、新たに腰痛を発症し一般開業医を受診した55歳超の腰痛患者675例(平均年齢66.4±7.6歳)であった。 6週後および3ヵ月後に、腰痛回復の自己評価、痛みの重症度、機能障害、鎮痛薬の使用について調査し、回復の予後因子について多変量ロジスティック回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・6週後、64%の患者は腰痛が回復しないと報告した。 ・3ヵ月後、依然として61%の患者は腰痛が回復しないと報告したが、これらの患者のうち再受診したのは26%であった。 ・長期間の腰痛、腰痛の重症度、腰痛の既往歴あり、膝下への放散痛なし、合併症の数、回復しないという患者自身による予想、TUGテストにかかる時間が長いことが、3ヵ月後における非回復と有意に関連していた。 ~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中! ・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!? ・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか? 治療経過を解説 ・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる (ケアネット) 原著論文はこちら Scheele J et al. Pain. 2013 Jun;154(6):951-7. Epub 2013 Mar 14. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 2型DMの血糖コントロールなど、予測モデルによる治療最適化で改善/Lancet(2025/03/10) 切除不能進行胃がん1次治療、sugemalimab追加でOS・PFS改善(GEMSTONE-303)/JAMA(2025/03/10) リファンピシン耐性キノロン感性結核に対する経口抗菌薬(解説:寺田教彦氏)(2025/03/10) TTF-1陰性Non-Sq NSCLCに対するアテゾリズマブ+カルボプラチン+nab-パクリタキセル(LOGIK2102)/日本臨床腫瘍学会(2025/03/10) 統合失調症の認知機能改善に対するメトホルミンの有用性(2025/03/10) EBウイルスが腎移植後のリンパ増殖性疾患に関与(2025/03/10) うつ病歴は慢性疾患の発症を早める(2025/03/10) 症状を電子的に報告するシステムががん患者の症状管理やQOLを改善(2025/03/10) 「善玉」コレステロールは緑内障リスクを高める?(2025/03/10)