陽性検出率は69%、爪真菌症のための迅速・正確な診断法MS-ELISAを開発

提供元:ケアネット

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公開日:2013/06/25

 

 ドイツ・シャリテ・ベルリン医科大学のF. Pankewitz氏らは、目標遺伝子とDNA抽出法を至適化し、迅速にT.rubrum(紅色白癬菌)爪真菌症を特定できる新たな診断法を開発した。爪真菌症の有病率は過去10年間で、着実に増加したという。爪真菌症では最初の正確な診断が治療の成功および費用対効果に重要だが、現状の診断法は、迅速なものではなく、感度、特異度も低いとして、著者らは新たなPCR酵素結合免疫吸着検査法(enzyme-linked immunosorbent assay:ELISA)を開発した。The British Journal of Dermatology誌2013年6月号の掲載報告。

 Pankewitz氏らが開発したのは、マイクロサテライトベースのPCR-ELISA(MS-ELISA)で、爪真菌症で最も多いT.rubrumを検出するためのものであった。

 本研究では検出について、MS-ELISAと顕微鏡、先行発表されているトポイソメラーゼPCR-ELISA(TI-ELISA)法(MS-ELISAとは異なる方法で抽出した鋳型DNAが用いられている)、および培養法と比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・本試験で用いられたサンプルは、患者217人から集められた爪および皮膚標本434件であった。
・陽性サンプルの検出件数はMS-ELISAが最も高く69%であった。次いで直接顕微鏡56%、TI-ELISA法は44%であり、培養法は30%であった。
・同一のDNA抽出法を120件の標本に適用した場合、MS-ELISAの感度はTI-ELISAと比べて2倍高いことが証明された。

(ケアネット)