混合診療で人工膝関節全置換術の予後は変わるのか? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/06/26 シンガポールには、日本と似たような国民に公的医療の提供を保障する、強制加入と補助金で運営する国民皆保険制度がある。一方で、公立病院であっても、外科医の選択や個室など保険対象外のオプションを選択することも可能となっている。シンガポール総合病院のHamid Rahmatullah Bin Abd Razak氏らは、これまで同制度に関連した検討がなかった、人工膝関節全置換術(TKA)の予後に対する医療費補助の影響についてレトロスペクティブに検討した。Orthopedics誌2013年6月1日号の掲載報告。 本研究の目的は、従来法のTKAの予後について、医療費補助の利用者と非利用者とを比較することであった。 対象は2006~2010年にTKAを受けた369例で、医療費補助利用者群(274例)と非利用者群(95例)に分けて、術後6ヵ月および2年後の関節可動域、膝関節学会スコア(knee society score:KSS)より膝関節スコアおよび機能スコア、オックスフォード膝スコアおよびSF-36スコアについて比較した。 主な結果は以下のとおり。 ・6ヵ月後および2年後の関節可動域およびその他の評価項目は、KSS機能スコアを除き医療費補助利用者群と非利用者群で有意差は認められなかった。 ・KSS機能スコアは6ヵ月後および2年後共、利用者群より非利用者群が有意に高かった(p=0.019)。 ・以上から、KSS機能スコアを除けば従来法TKAを医療費補助の下で受けた患者の予後は良好であり、非利用者よりも状態が悪いということはなかった。 ~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中! ・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!? ・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか? 治療経過を解説 ・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる (ケアネット) 原著論文はこちら Bin Abd Razak HR et al. Orthopedics. 2013 Jun 1;36(6):e735-40. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 経口セマグルチド、ASCVD/CKD合併2型DMでCVリスク減/NEJM(2025/04/22) 血栓溶解療法は後方循環系脳梗塞に発症後24時間まで有効か?(解説:内山真一郎氏)(2025/04/22) 膝OA患者のアウトカム改善、筋トレvs.ヨガ(2025/04/22) 指の動きを測定することで認知症の重症度が評価可能な可能性あり(2025/04/22) 帯状疱疹、有害事象として報告が多い薬剤は(2025/04/22) 未治療CLLへのアカラブルチニブ+オビヌツズマブ、6年PFSの結果(ELEVATE-TN)/Blood(2025/04/22) 院外心停止、最も重要なのは心肺蘇生実施までの時間(2025/04/22) 赤ワインはがん予防につながらない?(2025/04/22) 手術を受けるなら週末の前より後の方が転帰は良好(2025/04/22)