韓国・Advanced Hair Research LaboratoryのS.N. Kim氏らは、韓国人女性の髪と頭皮の加齢に伴う変化の特性について調べた。その結果、40代以降に多様に変化する特性が示され、他国の女性の髪の変化とは一部異なる可能性が示されたことを報告した。これまでに、白人女性および日本人女性において、年齢が髪の性質に与える影響については報告があったが、韓国人女性について調べた報告はなかった。British Journal of Dermatology誌2013年6月号の掲載報告。
本研究は、韓国人女性の髪の年齢特性について、身体的およびバイオロジカルな因子の影響を十分な被験者数で調べることを目的とした。
合計150人のソウル在住の健康な韓国人女性が参加した。被験者の年齢は23~69歳で、5つの年齢階層群に分類して分析した。
評価は、頭皮と毛幹のさまざまな年齢関連の特色を調べるため、髪密度、髪の毛の直径、張りの強さ、つや、白髪の比率を測定した。
毛幹については高速液体クロマトグラフィーを用いて、ミネラル、アミノ酸、ステロイドホルモンの含有成分の測定も行った。
主な結果は以下のとおり。
・脱毛症の指標(髪密度、髪直径、張力)および髪のつやは、年齢とともに有意に減少した。これら減少の開始は40代であった。
・白髪は年齢とともに有意に増大した。白髪の比率が増加するのは60代からであった。
・カルシウムとマグネシウムの値は、参考値を大きく上回っていたが、年齢依存的に減少していくことが認められた。一方でカリウムとリンの値は、年齢とともに増大していた。
・毛幹のアミノ酸の年齢に関係する変化は、明白ではなかった。
・ステロイドとその代謝物(コレステロール、デスモステロール、ラノステロール、プレグネノロン)の含有量は、年齢とともに有意に増大していた。しかし、性別(男性、女性)ホルモンと年齢との関連性はみられなかった。
(ケアネット)