自然災害後は精神的ストレスで腰痛を発症

提供元:ケアネット

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公開日:2013/07/05

 

 急性腰痛から慢性腰痛への移行は、身体的および心理的要因に影響される。大規模災害後において、これらの要因を同定することは、命に関わる腰痛を識別し、治療するうえで重要となる。イタリア・ラクイラ大学のChiara Angeletti氏らの調査によれば、自然災害によって誘発された精神的ストレスが交感神経活性を高め、末梢神経や中枢神経系を介してさらに痛覚が増幅され、非特異的腰痛を引き起こしたり、疼痛が慢性化する可能性があることが示唆された。Pain Practice誌オンライン版2013年6月14日号の掲載報告。

 本研究は、地震発生後5週間以内の4ヵ所の高度医療施設(AMP)において、腰痛有病率ならびに鎮痛薬の使用頻度、薬の種類、その短期的効果を調査した。

 疼痛の強さは口答法にて数値評価スケール(NRS)を用いて評価し、腰痛が原発性か二次性かの診断は臨床的特徴に基づいて行われた。

 主な結果は以下のとおり。

・AMP初回受診者958例において、急性腰痛の有病率は4.9%(95%信頼区間:3.7~6.4)であり、治療を受けた全疼痛患者の14.1%(95%信頼区間:10.8~18.3)を占めた。
・慢性腰痛既往者の腰痛再発例が40%(19例)、初回腰痛発症例が60%(28例)であった。
・疼痛治療は、短期的評価においては口答法によるNRSを有意に改善し、有効といえた。

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(ケアネット)